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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画※毎日20時更新。そうだ!パンダにこの問題も解いてもらおう、ボランティアで!?  作者: ヘタレパンダ


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済 第47話 初めての実戦(BGMをダンジョンに)



地球。

2031年10月11日土曜。


朝。

法王庁地下ダンジョン――入口前。

深雪は中継を開始した。


レオンの魔力が回復するまで宿屋で一泊した討伐隊は、再び地下へ突入する準備を整えていた。


レオンは強化の指輪を五つ外し、ポルガンから届く予定の復活の指輪を待っている。


深雪達テレビクルーも、カメラや照明、音声機材の最終確認を行っていた。


その時。


ヘッドホンを片耳に当てていた深雪が、不思議そうな顔をした。


「なあ。」


「俺の気のせいじゃなかったら……昨日の夜、音声さん、フェイ太郎の声を拾わなかったか?」


音声スタッフが頷く。


「はい。レオンさんのペンダントから聞こえた声が、かなり鮮明に収録されていました。」


「やっぱりそうだよな。」


深雪はレオンの胸元にあるペンダントを見つめた。


「ちょっとナル君。」


「レオンと繋がって、まきと会話してくれない?」


すぐにペンダントからナルの声が響く。


『いいよぉー。』


『まきちゃん! 深雪に一言ー!』


少し間が空き、今度はまきの声が聞こえてきた。


『深雪?』


『私達もテレビから、フェイ太郎の声が聞こえたよ。』


『今、私の声もテレビから聞こえてる。少しハウリングしてるけど、深雪にも聞こえてる?』


深雪は目を輝かせた。


「聞こえてるぞ!」


「テレビ中継と魔道具が繋がってる!」


すると、桜子の元気な声も飛び込んでくる。


『パパー!』


『桜子の声も聞こえるー?』


「おおーっ!」


深雪は満面の笑みでカメラへ手を振った。


「聞こえるぞー! 桜子ー!」


「まきー!」


そして、胸を張って宣言する。


「パパは浮気してないからなー!」


間髪入れず、パンダの声が入った。


『しれっと嘘をつくなよ。』


深雪の笑顔が引きつる。


「パンダー!」


「怒るぞぉ!」


「テレビでも聞こえてるからな!」


『ごめんにゃ。』


周囲の騎士達が、笑いを堪えるように顔を背ける。


ミカエラは呆れた顔で腕を組んでいた。


深雪は気を取り直し、レオンのペンダントを指差した。


「でもこれ、凄いぞ。」


「パンダ達がテレビをつけてれば、こっちにテレビの音楽を流せるんじゃね?」


「さっきダンジョンに入った時、ずっとシーンとしてて嫌な感じだったんだよな。」


暗い地下通路。


魔物の唸り声。


響き渡る足音。


確かに無音の中を進むのは、精神的にもかなり重苦しい。


「俺のスマホで音楽を流そうかと思ってたんだけどさ。」


「パンダ達が寝てる時はスマホを使うとして……。」


深雪はペンダントへ向かって呼びかけた。


「パンダー!」


「できそうかー?」


『んー。』


『できるよ。ナルならー。』


ナルが得意そうに答えた。


『音楽はどうすんのー? 深雪ー。』


「あのな。」


深雪は急にディレクターらしい真面目な顔になる。


「生放送だから、勝手に市販の音楽は流せないんだよ。」


「ウチのテレビ局が放送で使用できる音楽じゃないと駄目だからさ。」


そしてカメラに向かって大声を出す。


「テレビ局ー!」


「聞こえますかー!」


数秒後。


レオンのペンダントから、スタジオスタッフの声が響いた。


『聞こえますよー! 三角ディレクター!』


『こちらにも、そちらの声が全部届いています!』


深雪は手を叩いた。


「おお!」


「聞こえてる、聞こえてる!」


「便利だなぁ、この魔道具!」


スタジオから、興奮した声が続く。


『怖くないですかー?』


『昨夜の魔獣、凄い迫力でしたよね!』


「あれは怖かったぞ!」


「レオンが全部消しちまったけどな!」


レオンは気まずそうに視線を逸らした。


『異世界側でも中継するんですよね?』


「ああ!」


深雪は頷く。


「地球だけじゃなくて、異世界の各地でも放送中だ!」


『こちらでは世界同時中継ですよ!』


『レオンさん、頑張ってくださーい!』


レオンは嬉しそうに笑い、テレビカメラへ手を振った。


「ありがとうございます。」


日本のスタジオから拍手が起こる。


深雪は感心したように顎を撫でた。


「これ、途中でCMも流れるかもしれないな。」


「異世界ダンジョン攻略中に日本のCMか。」


「随分、変な時代になったなぁ。」


ミカエラが首を傾げる。


「しーえむ?」


「商品の宣伝だよ。」


「魔物と戦ってる途中で?」


「多分、魔物と闘ってる時はCMにならないと思うぜ?」


「流れたらどうなるの?緊張感なくならない?」


「テレビ局に言ってくれ。」


深雪はペンダントへ向き直る。


「じゃあ、テレビから音楽を流してくれる?」


「それとナル。」


「家族の声だけ除去できるかな?」


『もうやってたよー。』


ナルが当然のように答える。


『テレビの音と、家族の声を分けたー。』


『また必要な音だけ選んで流すねー。』


深雪は感心して頷いた。


「おー。」


「さすがレオンとパンダの子。」


「仕事ができるな。」


その直後。


『酷いよー、深雪ー!』


今度はリアの不満そうな声が響く。


『リアだってできるよー!』


「ごめん、ごめん!」


深雪は笑った。


「じゃあ一時間交代で繋いでくれ。」


「二人だけじゃ疲れるだろうから、パンダも交代で頼む!」


『わかったにゃー!』


パンダが元気よく答える。


レオンが不安そうに胸元のペンダントを見た。


「俺の魔力は?」


「また切れないか?」


深雪は笑い飛ばした。


「大丈夫だろ!」


「お前、歩く核兵器だぞ?」


「そのくらいで魔力がなくなってたまるか!」


「それ、褒めてないだろ。」


レオンが不満そうに言う。


ミカエラは興味深そうにペンダントを見つめた。


「まあ、それくらい細かく魔力を使い分けられた方がいいわね。」


「レオンは魔力を一気に放出する癖があるから、制御の練習にもなる。」


そして少し楽しそうに笑った。


「地球の音楽も聴いてみたいわ。」


「よし!」


深雪はカメラへ向かって指を立てる。


「最初は『ドラゴンクエスチ』のテーマ!」


「ウチのテレビ局、使用許可あるよな!」


『あります!』


スタジオから即答が返ってくる。


「それじゃ、お願いします!」


数秒後。


高らかな金管楽器の音が、ダンジョン入口に鳴り響いた。


勇者が未知の世界へ旅立つような、力強く壮大な旋律。


重苦しかった地下の空気が、一瞬で明るく変わる。


深雪は拳を上げた。


「おー!」


「高音質!」


「いいねぇ!」


ミカエラも目を輝かせる。


「なんだか元気が出るわね!」


騎士団長も感動したように頷いた。


「今から本当の冒険が始まるような気分です!」


騎士達も曲に合わせて剣を掲げる。


「おお!」


「これなら戦える!」


レオンも笑顔になった。


「なんだか頑張れそうだ。」


深雪は満足そうに頷く。


「さすが、すじやまこういちさんの名曲だな!」


その時。


一人の兵士が、小さな箱を抱えて走ってきた。


「ミカエラ様!」


「ポルガン様から、復活の指輪が五つ届きました!」


「早い!」


ミカエラは箱を受け取り、蓋を開ける。


中には赤い宝石が埋め込まれた、美しい銀色の指輪が五つ並んでいた。


「さすがポルガン!」


「仕事ができるわねぇ。」


ミカエラは満足そうに笑う。


「ウチの娘と結婚させようかしら。」


『ポルガンの声、流すにゃよー!』


パンダの声がすると、続いてポルガンの声が流れ始めた。


『指輪、届いてよかったです!』


『皆さん、討伐頑張ってください!』


『必要な魔道具があったら、何でも言ってください!今度は早く送れると思います。』


『それとレオンさん。』


『ダンジョンの宝箱は、ちゃんと確認してくださいね。』


『貴重なアイテムが入っていますから!』


レオンは五つの復活の指輪を受け取りながら頷いた。


「了解しました。」


ミカエラは嬉しそうに通信へ割り込む。


「助かるわ、ポルガン!」


「本当に気が利くわね。」


「どう? ウチの娘と結婚しない?」


一瞬の沈黙。


『嫌です!』


即答だった。


「写真くらい見なさいよ!」


ミカエラはスマートフォンを取り出し、娘の写真を表示する。


その画面をテレビカメラへ向けた。


「ほら!」


『可愛いー!』


スタジオから女性スタッフ達の歓声が上がる。


『凄く綺麗!』


『お姫様みたい!』


ポルガンも一瞬、言葉を失った。


『な……。』


『かわ……。』


途中まで言いかけて、突然慌てた声になる。


『お、俺はパンダさん一筋です!』


『それでは通信を切ります!』


ブチッ。


一方的に通信が切れた。


その場が静まり返る。


レオンの笑顔が消えた。


「……今。」


「パンダ一筋とか言わなかったか?」


深雪は平然と答える。


「気のせいだろ。」


「いや。」


「はっきり言ったよな?」


「空耳だろ。」


「言わなかったか?」


深雪はレオンの肩をぽんと叩く。


「男のやきもちは見苦しいぞ、レオン。」


「お前には言われたくない!」


ミカエラは呆れた顔で二人を見た。


「はいはい。」


「夫婦喧嘩みたいなことしてないで、そろそろ行くわよ。」


深雪はカメラの前へ立つ。


壮大な音楽は、今も地下ダンジョンへ響き渡っている。


「それでは気を取り直して!」


「ダークキングスライム討伐隊!」


「再びダンジョンへ突入します!」


騎士団が剣を掲げた。


「おおーっ!」


レオンも復活の指輪を五つ身につけ、宝石の付いた剣を握り直す。


しかし、レオンは。


「パンダ一筋……。」


まだ小さな声で呟いていた。


深雪が背中を叩く。


「ほら、歩く核兵器!」


「出発するぞ!」


「その呼び方やめろ!」


地球の冒険音楽を響かせながら。


討伐隊は、今度こそ法王庁地下ダンジョンへ足を踏み入れた。




レオンです

結局、お笑いなんだ!


ヘタレです!

寝ぼけながら構成してたのでデータ消しちゃったかと焦りました!

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