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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画  作者: ヘタレパンダ


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第32話 法王庁観光と魔法図書館


土曜日の朝。


久しぶりに目覚まし時計を気にしなくて良い朝だった。


「今日は休みにゃ!」


パンダが大きく伸びをする。


「やっと休めるな。」


レオンも笑顔を見せた。


リアとナルとフェイ太郎は朝から元気いっぱいだ。

フェイ太郎はコストコから取り寄せたハンモックつきのゲージの中で、大人しく眠たらしい。


「パパー!今日はどこ行くの?」


「お出かけー!」


二人はレオンの腕にぶら下がりながらはしゃいでいる。


パンダがフェイ太郎をゲージから出して、ハーネスを着けながら言った。


「トイレの時は言うにゃよ。」


「了解したみゃ!パンダ!」


フェイ太郎が元気よく返事をする。


その時、法王から迎えの馬車が到着した。


「本日は法王庁をご案内いたします。」


千葉の邸宅に迎えに来た、法王が笑顔で一礼する。


「やったにゃ!」


パンダ一家と、深雪、まき、桜子は法王と共に法王庁へ向かった。深雪、まき、桜子はレオン邸の客間に一泊していた。


法王庁へ到着すると、その壮大さに一同は思わず息を呑んだ。


真っ白な大聖堂。


広大な石畳の広場。


美しい噴水。


色鮮やかな花々が咲く庭園。


「凄い……。」


深雪が思わず呟く。


「テレビで見るヨーロッパみたい。」


まきも感動していた。


リアとナルは広場を走り回る。


「パパー!」


「見て見てー!」


二人は噴水の周りをぐるぐる走りながら笑っている。


レオンも笑顔で手を振った。


「転ぶなよー!」


桜子も眠そうな目をこすりながら、リアとナルの後ろをよちよち歩いて行く。


その様子を見て、大人達は自然と笑顔になった。


やがて法王は、大聖堂前の大きなバルコニーへ案内した。


まきと深雪と桜子とフェイ太郎は、別行動する事になった。


広場には、土日の挨拶を楽しみにしていた多くの人々が集まっている。


法王が姿を見せると――。


「法王様ー!」


「おぉーーっ!」


歓声が広場いっぱいに響き渡った。


法王はゆっくりと両手を広げる。


「皆さん、本日もお集まりいただき、ありがとうございます。」


大きな拍手が起こる。


そして法王は、パンダ一家達へ優しく手を向けた。


「本日は、私の大切な友人をご紹介いたします。」


静まり返る広場。


「異世界東京から来てくださった、大切な友人達です。」


一瞬の静寂。


そして次の瞬間――。


ワァァァァァァァァ!!


割れんばかりの拍手と歓声が広場を包み込んだ。


「勇者様だー!」


「ありがとうー!」


「日本のみなさん、ありがとう!」


リアとナルは驚いて目を丸くする。


「パパ!すごーい!」


「いっぱい拍手してる!」


レオンは少し照れくさそうに頭をかいた。


「こんな歓迎されるとは思わなかったな。」


パンダは照れ笑いを浮かべながら、大きく手を振る。


「みんな、ありがとうにゃー!」


歓声はしばらく鳴り止まなかった。


その後、法王はレオンの方を見て微笑んだ。


「さて、レオン殿。」


「はい?」


「貴方が最も楽しみにしていた場所へご案内しましょう。」


レオンの目が輝く。


「まさか……。」


法王は静かに頷いた。


「魔法図書館です。」


巨大な扉がゆっくりと開く。


ゴゴゴゴゴ……。


中へ入ると、一同は思わず息を呑んだ。


天井が見えないほど高い本棚。


何万冊、何十万冊もの本が整然と並び、その一部は魔法で宙に浮かびながら、自ら元の棚へ戻っていく。


「すげぇ……。」


レオンは目を輝かせた。


「治癒魔法……。」


「魔法薬学……。」


「人体強化魔法……。」


「古代医学……。」


「全部読みたい!」


まるで子どものようにはしゃぐレオン。


リアとナルは笑いながらレオンの白衣を引っ張る。


「パパー!」


「遊ぼー!」


「ごめんごめん!」


レオンは笑いながら二人を抱き上げた。


「今日はみんなで見学だな。」


法王は優しく微笑む。


「この図書館には、世界中から集められた知識が眠っています。」


パンダは辺りを見回して感心した。


「本好きには天国にゃ。」


レオンは本棚を見つめたまま、小さく呟く。


「一年間くらい泊まり込みたい……。」


その言葉に一同は大笑いした。


「あの法王様、断られるとは思いますが。閲覧の制限を設けて。総てiPadで読めるようにしては駄目ですか?」


「なんと!!そんな事が可能なら、是非頼みたい。壊れやすい本が多くて読むのに難儀しているのじゃ。研究者達もきっと喜ぶ」


法王様の言葉にレオンの目が輝いた。


「迅速なデジタル化の為に、スタッフを30名派遣したいのですが?構いませんか?」


「泉の者なら構わんよ。本は人間が触るのを嫌うからな。泉から出た者は精霊じゃから、本が幾ら触っても傷まない筈じゃよ。それに其方達のくれた翻訳グミ。今迄難解と言われていた精霊しか読めない文字も難なく読めるようになり、研究者達も大喜びしておる」


「でわ、帰宅したら直ぐ50名派遣します。良いでしょうか?」


「構わぬよ。魔王城の城の物も合わせて、読めるようにすれば魔術の総てを制覇する事も可能かもしれんな。」


レオンの目がキラリと輝いた。


それから、忙しい日々を過ごしてきたパンダ一家は、束の間の休日を二日間楽しむのだった。

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