第31話 異世界大開発! 新店舗オープン!
東京視察団が日本を巡っている間――。
異世界では、天才パンダが大忙しだった。
「よし、ここにも! あっちにも! そこにもにゃ!」
ドコデモゲートを次々と設置していく。
街と街。
村と村。
王都と港町。
ゲートが繋がるたび、人々から歓声が上がった。
「一瞬で王都だ!」
「荷物運びが楽になったぞ!」
「これなら家族にもすぐ会える!」
異世界中の人々が、自由に行き来できる世界が完成したのである。
そして、いよいよ――。
コヌトコ。
ワーキュマン。
ウニクロ。
コンビニ二号店、三号店、四号店。
一斉オープンの日を迎えた。
泉の女神には整備員、店員、商品補充員、商品説明係など五百人もの人材を手配してもらっていた。
しかし、それでも人手は足りない。
そこで貧民街の住人達にも声を掛けた。
支給された新品の制服を着て、身体を綺麗に拭き、髪を整え、整備員として働いてもらうことになった。
「働けば、お給料も出るにゃ!」
「頑張ります!」
目を輝かせる人々。
生活を変える第一歩だった。
なお、コンビニは二十四時間営業。
コヌトコ、ワーキュマン、ウニクロは午前十時から午後八時までの営業である。
午前十時。
色とりどりの風船が大空へ舞い上がる。
パチパチパチパチ!
大勢の拍手に包まれながら、コヌトコ前でテープカットが始まった。
「本日の名誉あるテープカットは、領主ポルガン様です!」
司会の声に歓声が上がる。
「光栄だ。」
ポルガンは照れ臭そうに笑うと、大きなハサミでテープを切った。
パァーン!
紙吹雪が舞い、人々は大歓声を上げる。
「おぉーーーっ!」
「店が開いたぞ!」
コヌトコには家具を求める人々が押し寄せる。
ワーキュマンでは職人達が作業着を手に取り感動していた。
「丈夫だ!」
「動きやすい!」
ウニクロでは肌触りの良い服に女性達が目を輝かせる。
「軽い!」
「柔らかい!」
「こんな服、初めて!」
コンビニ二号店、三号店、四号店も開店直後から長蛇の列となった。
「おにぎり追加!」
「お弁当が足りません!」
「レジ応援お願いしまーす!」
日本から運び込まれた商品が飛ぶように売れていく。
ドコデモゲートのおかげで補充も一瞬だった。
一分ごとに、ゲートの前に立った人が希望する目的地へと繋がる。
荷物も、人も、あっという間に移動できる。
「便利すぎるにゃ。」
パンダは満足そうに頷いた。隣ではフェイ太郎も得意げに何度も頷いている。
一方その頃。
茨城ではレオンが購入した巨大倉庫が昨日から本格稼働を開始していた。
大量の商品が運び込まれ、異世界への補給基地となっていた。
そして午後八時。
千葉のレオン邸へ繋がるドコデモゲートが開いた。
東京視察団が続々と帰って来る。
「ただいまー!」
「疲れたー!」
先に帰宅していたまきは、深雪の娘・桜子を抱いて待っていた。
桜子は眠そうに、まきの肩にもたれ掛かっている。
今日は金曜日。
明日から土日。
また忙しい週末が始まる。
帰って来たレオンの顔を見たパンダは、ニコニコ笑った。
「浮気しちゃったの? レオン?」
「……うん。」
レオンは気まずそうに頭をかいた。
「ごめん。パンダ。もうしないから。その指輪、外してくれる?」
法王は静かに首を横へ振った。
「疚しい気持ちが無くなるまで、その指輪は外れませんぞ。」
「そうか……。」
少し考えたレオンは法王へ手を差し出した。
「もう一個、指輪ある?」
「ありますぞ。」
法王は迎えに来ていた兵士へ尋ねた。
「誰か持っておらんか?」
「はい!」
一人の兵士が屋台で売っているような安物の指輪を恭しく差し出した。
法王は受け取ると、そのままレオンへ渡す。
レオンは嬉しそうにパンダの前へ立った。
「受け取れ、パンダ! 俺の気持ちだ!」
そう言って、パンダの左手薬指へ指輪をはめる。
カチッ。
「あ。」
「抜けないにゃ。」
レオンは満足そうに笑った。
「これでお揃いだ。」
パンダは自分の指輪を見つめる。
「色が青いままにゃ。」
ニヤリと笑った。
「パンダはレオンみたいに疚しいことしてないにゃ。」
「くっ……。」
悔しそうなレオン。
その時だった。
「その隣にいる、やけに美しいウニクロ男は誰だ?」
レオンがポルガンを指差す。
「ポルガンにゃ。」
「……分からん。」
「まぁ無理はないにゃ。老け顔だけど十九歳だから、恋愛対象外にゃ。」
ポルガンはショックを受けたような顔になった。
その表情を見たレオンがニヤリと笑う。
「でも、お前が対象外でも、ポルガンの方は違うみたいだぞ。」
「それより……ポルガンって、あのデブ領主と同じ名前だよな?」
「同一人物にゃ。」
一瞬、静まり返る。
そして――。
「「「ええぇぇぇーーーっ!!」」」
深雪も、まきも、法王も、兵士達も一斉に叫んだ。
その横では、
「パパー!ポルガンがくれたのぉ」
「パパ、おかえりー!この子ね、フェイ太郎って言うんだよ。人間の言葉が話せるフェレットなんだー」
リアとナルが満面の笑みでレオンに飛び付く。ナルはフェイ太郎を抱きしめて、フェイ太郎は長い身体をぶらんぶらんさせている。
「うわっ!」
レオンは二人を抱き留める。
「ただいま。」
「テレビ見た!」
「また一緒に遊ぼ!」
二人はレオンの腕にぶら下がりながら嬉しそうにはしゃいでいる。
レオンは優しく二人の頭を撫でた。
「よし、明日はみんなで頑張ろうな。フェイ太郎よろしくな!」
リアとナルとフェイ太郎は元気いっぱいに返事をした。
「「はーい!」」
「了解みゃー!」
あーまた読み直したら名前のミスが見つかりました。
ポルガンの名前、モルガンって書いてたよ( ; ; )
あまりにも読者が伸びないので一日に五話にしようか考えてます




