表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画  作者: ヘタレパンダ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/44

第二十七話 ポルガン再び、スライムダイエット


 その頃――。


 異世界では今日もコンビニの前に長蛇の列ができていた。


 パンダは店の外を見回りながら、並んでいる客に笑顔で声を掛ける。


「順番にゃよー! 押さない、走らない、割り込まないにゃ!」


 すると列の中に見覚えのある男を見つけた。


 黒い眼帯を左目に付けた豪華な服を着た恰幅の良い青年。


「あっ!」


「ポルガンじゃにゃいかー!」


 ポルガンは少し照れくさそうに鼻を鳴らした。


「……結局、お前の決めたルールに従うことにした。」


「その方が皆、平和らしいからな。」


 パンダは満面の笑みで親指を立てる。


「見直したにゃ!」


「所でお前、その眼帯。」


「日本のサブカルチャーでも眼帯付けてるキャラは人気あるにゃ。」


「目が悪いなら、日本の医者に診せてやろうか?」


「明日にはレオンも帰って来るしにゃ。」


 ポルガンは首を横に振った。


「違う。」


「この目は病気ではない。」


「先祖代々受け継がれてきた呪いだ。」


 その表情は真剣だった。


「呪い?」


「そんな物があるのかにゃ?」


 ポルガンは静かに眼帯へ手を伸ばした。


「興味があるなら見せてやろう。」


「我が身に刻まれた呪いを。」


 眼帯が外される。


 右目は澄んだ青。


 左目は鮮やかな緑。


 左右で全く違う色の瞳だった。


 パンダは数秒黙ったあと、思わず吹き出した。


「なんだ!」


「ただのヘテロクロミア、オッドアイじゃないか!」


 ポルガンは首を傾げる。


「……オッドアイ?」


「日本ではそう呼ぶにゃ。」


「なんでそれが呪いなんだにゃ?」


「日本人なんて、わざわざ色付きコンタクトを入れて真似する人まで居るにゃよ。」


 パンダはスマホを取り出した。


「ほれ。」


「検索検索……。」


 画面いっぱいに、オッドアイ風のメイクやカラーコンタクトを付けたコスプレイヤー達の写真が並ぶ。


 ポルガンは驚いて目を見開いた。


「皆……自らこの目になっているのか?」


「そうにゃ!」


「美しさの象徴でもあるにゃ。」


 パンダは改めてポルガンの顔を見つめた。


「そう言えば、お前いくつにゃ?」


「十九歳だ。」


「お前と変わらん。」


 パンダは大笑いした。


「違う違う!」


「パンダは三十一歳にゃ!」


「子供も二人居るにゃ!」


「そうなのか……。」


 ポルガンは少し驚いたようだった。


 パンダはポルガンの顔をじっと見つめる。


「よく見ると顔も整ってるにゃ。」


「瞳の色も綺麗だし。」


「しかもお金持ち。」


「地球でダイエットしたら、デビッド・ボウイも真っ青のイケメンになりそうにゃねぇ。」


 ポルガンは苦笑する。


「まずはコンビニで買い物だ。」


「その後なら考えてやる。」


「そうにゃ。」


「あと、これ。」


 パンダはポシェットから取り出した、iPhone20 poroを差し出した。


「持ってけにゃ。」


「城の方に100インチテレビとソーラーパネル一式送ってやるから、帰ったら、ウチから派遣する作業員に取り付けて貰って、『銀河Hey You伝説』でも見るといいにゃ。」


「登場人物のロイヘンタールも確かオッドアイだったにゃ。」


「異世界人にお勧めなのは『銀河Hey You伝説』と『人撃の巨神』にゃ。」


「カルチャーショック受けるにゃーよ。」


 ポルガンは目を丸くする。


「くれるのか?」


「あー。」


「土地代も払わず好き勝手建てても、お前怒らんにゃかったし。」


「それにスマホがあれば連絡も取りやすいにゃ。」


 ちょうどその時、店内から店員が呼んだ。


「次のお客様どうぞー!」


「おっ、順番にゃ。」


 パンダは笑顔で振り返る。


「そうだ。」


「ついでにスライムダイエットやってみるかにゃ?」


「昨日、日本のレオン研究所から送られてきた太ったラットで実験したにゃ。」


「スライムに『脂肪だけ食べろ』って命令したら、良い感じだったにゃ。」


「ラットは元気いっぱいだったにゃ。」


 ポルガンの表情が固まる。


「……スライムに私を食わせるのか?」


 パンダは慌てて手を振った。


「違う違う!」


「余分な脂肪だけにゃ!」


「筋肉は食べるなって命令するにゃ!」


「ラットは走り回ってたにゃよ。」


「人間ではお前が第一号だけどにゃ!」


「第一号なのか!普通、囚人で試すものではないのか!?」


 ポルガンは思わず一歩後ずさる。


「異世界に不健康そうなデブって、見つからないにゃーから。上手くいったら地球にも持ってく技術にゃ!きっと儲かるにゃーよ。うっしっしにゃ」


 その様子を見た店員や並んでいた客達は、一斉に笑い出した。


 コンビニ前には、今日も平和な笑い声が響いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ