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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画  作者: ヘタレパンダ


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第十五話 泉の中店の造り方


 東京視察団の出発準備が進む中、パンダは泉の前で腕を組んでいた。


「……あー、思ったんだにゃーけど。」


 レオンが顔を上げる。


「どうした?」


「泉の中に飛び込んで、帰って来たものって居るのかにゃ?」


 その場にいた全員が顔を見合わせる。


「……。」


「聞いたことありません。」


 法王が静かに首を振る。


 魔王も腕を組む。


「少なくとも我が国では聞いたことがない。」


 パンダは泉を見つめた。


「泉の中にコンビニ造るなら、一度向こうへ行かないと無理にゃ。」


「それに商品の補充もしなきゃならない。」


「こっちのスタッフが毎回出入りすることになるにゃ。」


 その時だった。


 泉が淡く光り始める。


 水面に金色の文字が浮かび上がった。


『ご希望とあらば、願いは何でも叶えます。』


『泉の中店コンビニ三店舗オープンのためですから。』


『こちらは”天国”と呼ばれる世界への入口の一つです。』


 全員が息をのむ。


「天国……。」


 法王は思わず胸の前で手を組んだ。


 深雪はカメラを構える。


「撮れ!」


「全部撮れ!」


 パンダは満面の笑みになった。


「ほぉ!」


「取り敢えず、パンダ行ってくるにゃ!」


 レオンが慌てて止める。


「待て!」


「大丈夫なのか?」


「一人で行くのか?」


 パンダは笑った。


「天国見てみたいにゃ!」


「行ってくるにゃ!」


 そう言うと助走をつけて泉へ飛び込んだ。


 だが、水しぶきは一滴も上がらない。


 パンダの身体は透明な球体に包まれ、そのまま静かに泉の中へ吸い込まれていった。


 レオンは頭を抱えた。


「……相変わらず。」


「俺の嫁は、やることが雑だ。」


 深雪は肩を叩く。


「まあ、今さらだ。」


 次の瞬間。


 泉の奥から眩い光が放たれる。


 光の球は異空間を駆け抜け、別世界へと到着した。


 そこは――。


 どこまでも続く白い雲。


 大理石の神殿。


 黄金の柱。


 青空の中を飛び交う天使達。


 まるでギリシャ神話の世界だった。


 光の球がシャボン玉のように弾ける。


 中からパンダが飛び出した。


「おおー!」


「天国って広いんだにゃ!」


「驚いたにゃ!」


 その瞬間、周囲の神々が一斉に歓声を上げた。


「来た!」


「勇者パンダだ!」


「ようこそ!」


 中央に立つ立派な男神が胸を張る。


「俺様に感謝しろ!」


「この泉を管理している番人だ!」


 パンダは辺りを見回した。


「で、コンビニはどこに造るにゃ?」


「なるべく泉の近くだと商品補充が楽なんだにゃ。」


 男神は満足そうに頷く。


「ならば泉の近く、この辺りに一気に三店舗頼む!」


「皆の者、異論はないか!」


 神々は一斉に手を挙げた。


「無い!」


「無い!」


「大歓迎だ!」


 パンダは真顔になる。


「でも金払わんと商品補充しないからにゃ。」


「幾ら願いを叶えてもらえても、全部無料じゃレオンが破産するにゃ。」


 男神は豪快に笑う。


「金銀銅貨で良いのなら、望みのままだ!」


「寿命も若さも好きなだけ授けよう!」


 パンダは目を輝かせた。


「それは嬉しいにゃ!」


「じゃあ、この辺で良いのかにゃ?」


 四次元収納ポシェットへ手を入れる。


 取り出したのは三つの模型。


「セブンヌレブン。」


「ロートン。」


「ファミリーショップ。」


 雲の大地へ並べる。


 続いてビックリライトを取り出し、模型へ光を当てた。


 ゴゴゴゴゴ……!


 三つの建物は一瞬で巨大化し、天国に異世界初のコンビニが姿を現した。


 神々は目を丸くする。


「すごい……。」


「あのポシェット……。」


「S級神具だぞ!」


「我々A級の神々ですら、見ることすら珍しいと言われている。」


「初めて実物を見た!」


 パンダは首をかしげる。


「あなた達、A級なのかにゃ?」


「偉いんだにゃ?」


 男神は鼻を高くする。


「そうだ!」


「恐れ敬え!」


 パンダは胸を張り返した。


「パンダはレオナルド・ダ・ヴィンチもびっくりの天才にゃ!」


「世界をより良くするゲームのゲームマスターにゃよ!」


「恐れ敬えるのにゃ!」


 一瞬の静寂。


 次の瞬間。


 天使達が一斉にひざまずいた。


「ははーっ!」


 男神は苦笑いした。


「……面白い人間だ。」


 パンダは店を見渡す。


「じゃあ商品の補充は一日二回までにゃ。」


「売り切れ続出なら増やすにゃ。」


「その時は泉文字で連絡するにゃよ。」


「パンダは帰るにゃ!」


「こう見えて忙しいにゃ!」


 助走をつけ、再び泉へ飛び込む。


 身体は光の球に包まれ、地上へ戻っていった。


 残された神々は、完成したばかりの三店舗を見上げる。


 男神が静かに笑った。


「行ってしまったか。」


「嵐のような奴だったな。」


 一人の女神が微笑む。


「でも、不思議と楽しい方でした。」


 男神は頷く。


「天才パンダ……か。」


「面白い人間だ。」


 天国初のコンビニは、その日、神々に大歓迎されながら営業を開始した。ちなみにセルフレジだった。

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