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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画※毎日20時更新。そんなに全削除して欲しいですか?  作者: ヘタレパンダ


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第115話 エオンモールとそこうデパート異世界同時オープン



2031年11月26日 水曜日。

ポルガンの誕生日まで、あと1ヶ月と14日。


精神と時の空間

253日目。

時の間に居られる時間、あと201日。


――異世界・アルメリア領。


 エオンモール、プレオープン当日。


 その隣には、同じく今日からプレオープンを迎える、そこうデパート。


 二日前まで何もなかった場所に、巨大商業施設が二つ並んでいる。


 そして、その周囲には――。


「うわあああああ!!」


「デカい!!」


「あっちにも建物があるぞ!」


「何人いるんだ!?」


 人。


 人。


 人。


 そして、人。


 本日の招待客、およそ一万人。


 アルメリア領の住民。


 精神と時の空間で訓練中の魔術師候補生。


 各国の要人。


 龍の巣の研究員。


 日本から招待されたゲスト。


 さらにはテレビ局関係者まで、およそ八十名がカメラを構えていた。


 入口では橘蒼介が頭を抱えている。


「……一万人」


「賑やかでいいにゃ」


 隣でパンダが満足そうに頷く。


「プレオープンですよね?」


「うん」


「プレオープンって、普通一万人も呼びませんよ」


「異世界だから問題ないにゃ」


「その理屈、万能じゃありませんからね!?」


 橘の叫びも、今日ばかりは人々の歓声に掻き消された。


 精神と時の空間では、今日から四日間が休日。


 訓練生たちは朝から完全にお祭り気分だった。


「12時間休みだああああ!!」


「エオンモール行くぞ!」


「俺、映画見る!」


「私は服!」


「そこうのデパ地下って何だ!?」


「知らん! でも食べ物らしいぞ!」


「なら行く!!」


 すでに目的が違う。


「開けるにゃー!」


 パンダが手を上げた。


 エオンモールとそこうデパート。


 異世界初。


 二店舗同時プレオープンである。


 ドッ――!!


 人の波が動いた。


「走らないでくださーい!」


「押さないでください!」


「入口はいっぱいあります!」


「映画館へ行く方はこっちです!」


 スタッフの声が飛び交う。


 そして――。


「おお」


 人混みに混じって、泉の男神が普通にショッピングカートを押していた。


「これは便利だな」


 カートの中には、菓子、炭酸飲料、洗剤、タオル、入浴剤。


 完全に日用品の買い出しである。


「男神様」


 パンダが声を掛ける。


「何買ってんの?」


「色々だ」


「神様も洗剤使うの?」


「使うぞ」


「へえ」


「神を何だと思っている?」


「神」


「そういう意味ではない」


 その横を、法王が通り過ぎた。


「パンダ殿! この電動按摩椅子というものは素晴らしいですぞ!」


 すでに座っていた。


「法王様、買うの?」


「教会へ置こうかと」


「経費で?」


「……」


「法王様?」


「寄付を募りますかな」


「自分で買えにゃ」


「厳しい!」


 さらに――。


「あれ?」


 深雪が足を止めた。


 少し離れた場所に、一人の男がいる。


 異様なほど整った顔。


 人間離れした美しさ。


 だが深雪には見覚えがあった。


「……嘘だろ」


 男がこちらを見た。


 ニコリと笑う。


「久しいな」


「…………」


 深雪の顔から血の気が引く。


 魂の門の門番だった。


 門番は普通に紙袋を片手に下げている。


 どうやら、そこうデパートで買い物をしてきたらしい。


「相変わらず美しいな!」


「ひっ」


 深雪が一歩下がった。


「深雪?」


 まきが振り返る。


 深雪は無言のまま、まきの背後へ移動した。


「……何してんの?」


「いや」


「ブルブル震えてるけど」


「震えてねえ」


 震えている。


「パパ、怖いの?」


 桜子がニヤニヤしている。


「怖くねえよ!」


「怖いんだみゃ」


 フェイ太郎まで笑った。


「お前まで笑うな!」


「だって深雪、まきの後ろに隠れてる」


「隠れてねえ!」


「完全に隠れてるよ」


 まきはやれやれと肩を落とした。


「いい大人が何やってんだか」


「お前は知らねえからそんなこと言えるんだよ!」


 門番は楽しそうに笑った。


「元気そうで何よりだ」


「近付くな!」


「酷いな」


「その顔で近寄ってくるな!」


「顔は関係ないだろう」


「あるんだよ!」


 桜子とフェイ太郎が大笑いする。


 まきは深いため息を吐いた。


 一方。


 そこうデパート、一階。


「まあ……」


 美しい大柄な女性が、華やかな化粧品売り場を見回していた。


 マチコDXである。


「久しぶりの都会って感じねえ」


 香水。


 化粧品。


 明るい照明。


 美しく飾られたショーケース。


「鈍器ホーテー以来かしら」


 マチコDXは嬉しそうに頬へ手を当てる。


「やっぱり百貨店はいいわねえ」


「マチコさん!」


「あら、娘娘ちゃん」


 娘娘が香水売り場から駆けてきた。


「これ! いっぱい匂いある!」


「香水よ」


「知ってる!」


「じゃあ何で報告したのよ」


「楽しいから!」


「可愛いわねえ」


 娘娘の両手には試香紙が何本も挟まっていた。


「これ好き! これも好き! あとこれ!」


「混ぜすぎると分からなくなるわよ」


「もう分かんない!」


「でしょうね」


 少し離れたところでは、ミカエラも香水を試していた。


「ランスロット」


「何だ?」


「これ、どう?」


 ミカエラが手首を差し出す。


 ランスロットが真面目に匂いを嗅ぐ。


「良い香りだ」


「本当?」


「ああ」


「じゃあ買う」


「うむ」


 そのやり取りを横で見ていたパンダが首を傾げる。


「ランスロット、なんでも良いって言いそう」


「そんなことはない!」


「じゃあこっちは?」


 別の香水を差し出す。


「良い香りだ」


「こっちは?」


「良い香りだ」


「全部じゃん」


「ミカエラが付ければ何でも良い!」


「やっぱり」


「何が悪い!」


 ミカエラは嬉しそうなので問題なかった。


「パンダさん!」


 そこへポルガンが走ってきた。


 真央とリリーも一緒である。


「映画館が凄いことになってます!」


「何?」


「満席です!」


「全部?」


「全部です!」


 エオンモールの映画館。


 本日の上映分は、ほぼ満席。


 ポップコーン売り場には長蛇の列。


「何を見る?僕はアニメ」


 真央が上映案内を見上げる。


「俺はアクションがいい!」


 ポルガンが言う。


「私は恋愛映画かな」


 リリーが笑う。


「じゃあ三人別々?」


「何でですか!」


「一緒に見るんじゃないの?」


「一緒に見ます!」


 ポルガンが即答した。


「じゃあ何見るの?」


「…………」


 三人が黙る。


「決まってないんじゃん」


「今から決めます!」


 そこへリアが走ってきた。


「ママー!」


「どうした?」


「映画館のポップコーン!」


 両手で大きなバケツを抱えている。


「レオンが買ってくれたの?」


「ううん!橘さん。ナルと食べなさいって!」


 ナルもジュースを抱えて走ってきた。


「ぼく、バーベキュー!」


「リアは?」


「キャラメル!」


「喧嘩しない?」


「半分こする!」


「偉い」


 レオンが後ろから歩いてくる。


 その手には当然のように、さらに二つポップコーンがあった。


「パンダも食うだろ?」


「食う」


「僕も食う」


「三人で何個買ってんの?」


「足りないよりいいだろ。橘の奢りだ」


「映画見る前に腹いっぱいになるにゃ」


 その頃。


 食品売り場。


「これは何だ?」


 魔王城を護っているはずのオニキスが、惣菜コーナーにいた。


「オニキス」


 ランスロットの声が背後から飛ぶ。


 ビクッ。


 オニキスが固まる。


「……魔王様」


「お前、何故ここにいる?」


「本日は休日と伺いましたので」


「魔王城は?」


「留守番を残しております」


「そうか」


「はい」


「ならよい」


「ありがとうございます!」


 オニキスはホッとした。


 ランスロットがオニキスの籠を見る。


 唐揚げ。


 焼き鳥。


 寿司。


 プリン。


 アイス。


「……楽しんでいるな」


「はい!」


「俺にもその唐揚げを教えろ」


「こちらです!」


 二人で惣菜売り場へ消えていった。


「魔王城の守護とは」


 ミカエラが呟いた。


 さらに奥。


「あーちゃん! これ!」


 メジロが玩具売り場を指差した。


「ん?」


 アーネストがしゃがみ込む。


「ほしい!」


「どれだ?」


「これ!」


「よし」


「アーネスト!」


 梅子の声が飛ぶ。


「何でも買うな!」


「だって雷蔵の子が欲しいと言っているぞ」


「昨日も東京で買っただろ!」


「昨日は昨日だ」


「甘やかしすぎ!」


 その横では雷蔵がカナリアを抱っこし、もう片方の手でウグイスの手を握っている。


「パパ、あれ!」


「今度は何だ?」


「キラキラ!」


「アクセサリーは玩具じゃないぞ」


「ほしい!」


「梅子ー!」


「私を呼ぶな!」


「どうすればいい!?」


「父親なんだから自分で判断しろ!」


「無理!」


「即答するな!」


 龍の巣研究所からは、十五名ずつ交代制で研究員が参加していた。


「次の班、あと三十分で交代だぞ!」


「嫌だ!」


「俺まだフードコート行ってない!」


「私はそこう見てない!」


「交代しろ!」


「研究所に戻りたくない!」


「仕事しろ!!」


 研究より買い物の方が楽しそうである。


 フードコートでは、アルメリア領の村長たちが完全に固まっていた。


「……何を食べればいいんだ」


「分からん」


「店が多すぎる」


「全部食べればよいのでは?」


「腹が破裂するわ!」


 一人の村長がラーメンをすすった。


「……うまい」


 別の村長がたこ焼きを口へ入れる。


「あっつ!!」


「大丈夫か!?」


「美味い! だが熱い!」


「どっちなんだ!」


「両方だ!」


 さらに向こうでは、法王がクレープを食べている。


「これは素晴らしい!」


「法王様、さっき何か食べてませんでした?」


「別腹ですぞ」


「その言葉どこで覚えたんです?」


「パンダ殿から」


「教会に余計な文化を広めないでください!」


 テレビ関係者も大忙しだった。


「カメラ回して!」


「こっち! 魔王が唐揚げ買ってる!」


「法王がクレープ食ってるぞ!」


「魂の門の門番もいる!」


「誰だよキャスティングしたの!」


「キャスティングじゃねえ! 勝手に来てる!」


「泉の男神が洗剤買ってる!」


「何だこの映像!!」


 深雪が頭を抱える。


「編集どうすんだよこれ……」


「全部使えば?」


 まきが言う。


「何時間番組にする気だ!」


「二十四時間」


「スペシャル特番じゃねえか!」


 その横を門番が通る。


「深雪」


「うわあああ!!」


 深雪が再びまきの背中へ隠れた。


「パパまた隠れた!」


「弱っ!」


 桜子とフェイ太郎が笑い転げる。


「お前ら覚えてろよ!」


「深雪」


「今度は何だ!」


「これを見てくれ」


 門番が袋から何かを取り出した。


 ネクタイだった。


「どちらが俺に似合うと思う?」


「普通に買い物相談してくんな!!どっちも買え!!」


 そこうデパート、デパ地下。


「すごい……」


 真央が目を輝かせる。


 ケーキ。


 和菓子。


 チョコレート。


 惣菜。


 弁当。


 肉。


 魚。


 果物。


 見たこともないほど美しく並べられた食品が、延々と続いている。


 リリーも目を輝かせていた。


「宝石みたい」


「食べ物なのに綺麗だね」


「これ全部食えるんですか!?」


 ポルガンまで興奮している。


「食えるにゃ」


 パンダが答える。


「パンダさん!」


「何?」


「俺、この店好きです!」


「まだ十分しか見てないだろ」


「もう好きです!」


「早いな」


 娘娘が大量の袋を抱えて走ってくる。


「パンダー!」


「何買った!?」


「お菓子!」


「何個?」


「わかんない!」


「買いすぎ!」


 その後ろをマチコDXが優雅に歩いていた。


「若い子は元気ねえ」


 両手にはブランドショップの紙袋。


「マチコも相当買ってるじゃん」


「あら、これは必要経費よ」


「何の?」


「美しくあるための」


「強い」


 夕方。


 二つの商業施設は、まだ人で溢れていた。


 映画館は満席。


 フードコートも満席。


 レストラン街も満席。


 そこうのデパ地下には行列。


 香水売り場には娘娘。


 玩具売り場には龍の子供たち。


 家電売り場には村長たち。


 ゲームセンターには訓練生。


 そして――。


「パンダさん」


 橘が疲れ切った顔でやって来た。


「どう?」


「大盛況です」


「よかった」


「大盛況すぎます」


「いいことじゃん」


「映画館、全上映満席です」


「うん」


「飲食店もほぼ満席」


「うん」


「商品補充が追い付きません」


「コピーすれば?」


「そういう運営に慣れたくないんですよ!」


「何で?」


「何でじゃありません!」


 橘は深いため息を吐いた。


 しかし。


 目の前を走っていく子供たち。


 買い物袋を抱えて笑う住民。


 初めて映画を見たと興奮する訓練生。


 デパ地下の菓子を大事そうに抱える村長。


 そして、日本人と異世界人と神と魔族が、ごちゃ混ぜになって歩いている光景を見て――。


 橘は少しだけ笑った。


「……まあ」


「何?」


「悪くはないですね」


「でしょ?」


 パンダも笑う。


 エオンモール。


 そこうデパート。


 異世界同時プレオープン。


 来場者、およそ一万人。


 大きな混乱もなく。


 いや。


 小さな混乱は山ほどあったが。


 とりあえず――。


 大成功だった。


「毎日休みたああああい!!」


 誰かの叫びが聞こえた。


 続いて大歓声。


「あと六時間もあるぞー!!」


「俺次はそこう行く!」



「パンダさん」


「何?」


「グランドオープン、怖くなってきました」


「パンダも楽しみにゃ」


「話が噛み合ってません!!」


 その日の夜。


 異世界に初めて誕生した二つの巨大商業施設は、遅い時間まで明るく輝き続けていた。





マチコDX

お気に入りのファンデが無くなって困ってたのよね。


魂の門番の男神

深雪ー。お主は可愛いな。


深雪

ブルブルブルブル


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