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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画  作者: ヘタレパンダ


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第10話 コンビニ二号店、三号店


 百人の教育専門スタッフが現れた翌日。


 異世界初のコンビニでは、新人店員達の研修が一斉に始まっていた。


「いらっしゃいませ!」


「ありがとうございます!」


「温めますか?」


 エルフ。


 ダークエルフ。


 魔王軍の兵士。


 村人達。


 全員が教育係の指導を受けながら、レジや品出しを覚えていく。


 店内の動きは、昨日までとは比べものにならないほど良くなっていた。


 その様子を見たパンダは、店の前で腕を組んだ。


「よし。」


「人手不足は解決したにゃ。」


 レオンも満足そうに頷く。


「これなら、新しい店も出せそうだね。」


 パンダの目が光る。


「その言葉を待ってたにゃ!」


 パンダは木箱の上へ飛び乗った。


「魔王城の近所に二号店!三店舗ずつ」


「法王の居住地の近くに三号店!三店舗ずつ」


「同時オープンするにゃ!」


 魔王と法王が同時に振り返る。


「我が城の近くに?」


「私の居住地にもですか?」


「当然にゃ!」


 パンダは胸を張った。


「毎回ペガサスや馬車で買いに来るのは大変にゃろ?」


「欲しい場所に店を作る!」


「仕事は迅速!」


「速やか!」


「丁寧に!」


「それが、パンダ&レオン異世界日本化計画のモットーにゃ!」


 レオンが小声で呟く。


「迅速と速やかは、ほぼ同じ意味だけどね。」


「勢いが大事にゃ!」


 魔王は腕を組んだ。


「城の近くに店ができるなら、兵士達も喜ぶだろう。」


 法王も頷く。


「我が都の民にも、ぜひ利用させていただきたい。」


「決まりにゃ!」


 パンダは泉へ駆け寄った。


「まずは景気付けに、お供えするにゃ!」


 店から大量のおにぎりを運んでくる。


 鮭。


 昆布。


 ツナマヨ。


 梅。


 明太子。


 深雪は嫌な予感がして、カメラを構えた。


「おい。」


「また泉に投げる気か?」


「当然にゃ!」


 パンダはおにぎりを両手に持った。


「そりゃ、泉におにぎりを投げ込もう!」


 ぽちゃん!


「新たに投下!」


 ぽちゃん!


「そりゃ投下!」


 ぽちゃん!


「ポイポイポイー!」


 次々とおにぎりが泉へ投げ込まれていく。


 レオンが慌てて止める。


「パンダ!」


「願い事はもう叶っただろう!」


「泉へのお礼にゃ!」


「泉の中で誰かが食べてるかもしれないにゃ!」


 法王が顎に手を当てる。


「確かに、お供え物を誰が受け取っているのかは、私も知りません。」


 魔王が泉を覗き込む。


「巨大な水棲魔獣でも住んでいるのか?」


 ナルも水面を覗き込む。


「おさかな?」


 リアは首を振る。


「おにぎりを食べる魚なんていないよ。」


 その時だった。


 水面が青白く光り始めた。


「何だ?」


 魔王軍が一斉に身構える。


 水面の上に光の粒が集まり、少しずつ文字を作っていく。


『もうおにぎりは勘弁してください』


 全員が固まった。


「……。」


 深雪が最初に我へ返った。


「文字が浮かび上がったぞ!」


「映せ!」


「映せ映せ!」


「カメラ寄れ!」


 テレビクルーが一斉に泉へ駆け寄る。


「撮れてます!」


「もっとアップにしろ!」


「泉の神様から苦情が来たぞ!」


 さらに文字が浮かび上がる。


『毎日おにぎりばかりで食べ切れません』


『日持ちのする物を投げてください』


 深雪は文字を読み上げた。


「もうおにぎりは勘弁。」


「毎日おにぎりばかりで食い切れない。」


「日持ちのする物を投げてくれ、だってよ。」


 パンダは頬を膨らませた。


「おにぎり好きじゃないのかにゃ?」


 レオンが泉を見つめる。


「三店舗から十個ずつ投げたからね。」


「前回だけで三十個だ。」


「今日も同じくらい投げてる。」


 泉の水面に新たな文字が浮かぶ。


『昨日から六十個目です』


 レオンが頷いた。


「数えてたんだ。」


 パンダはしばらく考えた。


「んじゃあ、お湯を入れて三分のカップヌードルとか、カップ焼きそばにするかにゃ?」


 水面が少しだけ明るくなる。


「酒は欲しいかにゃ?」


「スイーツは要らんかにゃ?」


 泉の文字が消え、新しい文章が浮かび上がった。


『酒とインスタント麺とスイーツを所望する』


 深雪が笑いながら読み上げる。


「酒とインスタント麺とスイーツを所望する、だってよ。」


 魔王が真剣な顔で泉を見つめる。


「なかなか分かっているではないか。」


 法王も頷く。


「酒と甘味は、心を豊かにしますからな。」


 パンダは泉へ向かって叫んだ。


「冷凍庫も付けるかにゃ?」


「魔法があるから要らんかにゃ?」


 すぐに返事が浮かび上がる。


『冷凍庫も欲しい』


「欲しいんだ。」


 レオンが笑う。


『アイスクリームを保存したい』


 ナルが目を輝かせる。


「アイス!」


 パンダは大きく頷いた。


「分かったにゃ!」


「泉の中にもコンビニ作ってやるにゃ!」


 レオンは驚いて泉を見た。


「水中店舗を造るのか?」


「防水仕様にすれば平気にゃ!」


 泉の水面に、ものすごい速さで文字が浮かび上がる。


『お願いします』


 深雪が笑う。


「返事が早いな。」


「相当コンビニが欲しいらしい。」


 パンダは泉への出店計画をメモすると、再び木箱の上へ立った。


「よし!」


「コンビニ二号店と三号店!」


「それから泉の中に四号店!」


 レオンが指を折る。


「一気に九店舗増やすのか。」


「それだけじゃないにゃ!」


 パンダはさらに声を張り上げた。


「今度は大型店も作るにゃ!」


「コヌトコ!」


「ワーキュマン!」


「ウニクロ!」


「全部同時オープンにゃ!」


 レオンの顔から笑顔が消えた。


「待ってくれ。」


「今、何店舗作るって言った?」


「細かい事は後にゃ!」


 パンダは四次元収納ポシェットを開いた。


「コヌトコでは大容量のお菓子と肉と日用品を売るにゃ!」


「ワーキュマンでは扇風機付きベスト!」


「ウニクロでは冷感Tシャツ!」


「これで異世界の猛暑対策も完璧にゃ!」


 泉の周りにいた村人達がざわつく。


「大きな店ができるらしいぞ。」


「涼しい服を売るそうだ。」


「肉も大量に買えるらしい。」


 魔王軍の兵士達も目を輝かせる。


「城の宴会用に肉を買えるな。」


「大袋の菓子も欲しい。」


「扇風機付きの鎧はないのか?」


 法王の従者が尋ねる。


「法衣の下に着られる冷感肌着もありますか?」


「あるにゃ!」


 パンダはレオンへスペアポシェットを投げ渡した。


「急いで作るにゃ、レオン!」


 レオンは反射的に受け取った。


「任せとけ!」


「スペアポシェットを借りていくよ!」


 そう言って走り出したものの、数歩進んだところで立ち止まる。


「……いや待て。」


「どうして僕一人なんだ?」


 パンダは拳を振り上げた。


「働け、レオン!」


「頑張るにゃ!」


「応援だけ!?」


 パンダはさらに大声で叫ぶ。


「魔王軍は建設予定地の整備!」


「法王軍は交通整理!」


「教育スタッフは新店舗の従業員研修!」


「テレビクルーは宣伝映像を作るにゃ!」


 深雪が親指を立てる。


「任せろ!」


「異世界最大規模の一斉オープン特番だ!」


 魔王が立ち上がる。


「全軍に伝えろ。」


「城の隣へコンビニを建設する。」


 法王も従者へ命じる。


「都の出店予定地を確保しなさい。」


 森中の者達が一斉に動き始めた。


 レオンはスペアポシェットを肩に掛け、ため息をつく。


「本当に人使いが荒いな。」


 パンダは満面の笑みで手を振った。


「レオンならできるにゃ!」


「天才医師にゃろ!」


「医師は店舗建設の専門家じゃない!」


 泉の水面に、最後の文字が浮かび上がった。


『スイーツは多めでお願いします』


 パンダは力強く頷く。


「任せるにゃ!」


 こうして、コンビニ二号店、三号店、そして泉の中の四号店。それぞれ三店舗ずつ。


 さらにコヌトコ、ワーキュマン、ウニクロの同時出店計画が始まった。


 異世界日本化計画は、魔王討伐を完全に忘れたまま、ますます加速していくのだった。

働け!レオン!

リア充はよく働く!!

なんでかわからんけど。ガンガン働かされるレオン!


レオンへの応援コメント待ってます。イイネもよろしく

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