表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/37

第二十九話 黒幕の影

ノマド帰還から二日後。


管制室では解析作業が続いていた。


回収したデータは膨大だった。


ミーミル計画。


エドワード・アークライトの調査記録。


七年前の通信ログ。


そして暗号化された大量のファイル。


真実へ近づいている。


だが。


まだ全体像は見えていなかった。


---


レオンは大型モニターを見つめていた。


父が残した映像。


最後の言葉。


何度も頭の中で繰り返される。


---


「新しいデータを復元しました。」


ミアの声が響く。


全員の視線が集まった。


---


モニターに一つのファイルが表示される。


作成日時は七年前。


襲撃事件の約一か月前だった。


---


「エドワード氏の個人調査記録です。」


ミアが説明する。


「破損が激しかったのですが、一部を復元できました。」


---


画面に複数の名前が表示される。


政府関係者。


軍需企業幹部。


情報機関職員。


どれも重要人物だった。


---


「父さんは何を調べていた?」


レオンが尋ねる。


---


「ミーミル計画の関係者です。」


ミアが答えた。


「計画に関わる人物を独自に洗い出していました。」


---


サミュエルが腕を組む。


「つまり容疑者リストか。」


「そう考えていいと思います。」


---


グレンが画面を見つめる。


「多すぎるな。」


そこには数十人の名前が並んでいた。


---


「エドワード氏自身も絞り切れていなかったようです。」


ミアが新しいページを開く。


そこには短い手書きメモが残されていた。


---


『証拠が足りない』


---


全員が黙る。


---


『まだ全員を把握できていない』


---


レオンはその文字を見つめた。


父もまた。


真実へ辿り着く直前だったのだ。


---


「分かったことより。」


マックスが口を開く。


「分かってないことの方が多いな。」


---


誰も反論しない。


それが現実だった。


---


「つまり俺たちは待機か。」


カイルが椅子にもたれながら言う。


---


「ああ。」


レオンが頷いた。


「焦って動く段階じゃない。」


---


エリックが鼻で笑う。


「珍しく慎重だな。」


---


「父さんも慎重に調べていた。」


レオンはモニターから目を離さない。


「同じ失敗は繰り返さない。」


---


その時。


ミアが別のファイルを表示した。


「ですが手掛かりはあります。」


---


画面に座標データが映し出される。


数字の羅列。


そして暗号化された通信記録。


---


「これは?」


イリスが尋ねる。


---


「エドワード氏が最後まで削除しなかったデータです。」


ミアが答える。


「重要情報として保存されています。」


---


サミュエルが眉をひそめる。


「場所を示しているのか?」


「可能性は高いです。」


---


だが。


それ以上は分からない。


暗号が残っている。


復号には時間が必要だった。


---


その時だった。


管制室の通信モニターが点灯する。


緊急回線。


監視班からだった。


---


「こちら監視班!」


慌ただしい声が響く。


---


「報告します!」


「マーカス・ヘイルの移動を確認しました!」


---


空気が変わる。


---


レオンが顔を上げた。


「どこへ向かう。」


---


「現在調査中です!」


「ただし極秘移動であることは間違いありません!」


---


「護衛規模は?」


サミュエルが尋ねる。


---


「通常の三倍以上です。」


---


室内が静まり返る。


---


マックスが眉をひそめる。


「重要人物扱いだな。」


---


「あるいは。」


グレンが低く呟く。


「重要な何かに向かっている。」


---


レオンは考える。


偶然ではない。


そんな気がした。


---


七年間追い続けた男。


その男が動いた。


そして父が残した手掛かりも動き始めている。


---


「監視を継続しろ。」


レオンが命じる。


「今度は見失うな。」


---


「了解。」


通信が切れる。


---


誰も口を開かなかった。


点と点が少しずつ繋がり始めている。


だが。


本当の敵はまだ姿を見せない。


---


ノマドは静かに海を進む。


その先で待つ真実へ向かって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ