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第二十一話 潜入作戦

ブリーフィングルーム。


大型モニターの前にノマドの主要メンバーが集まっていた。


艦長のレオン。


レオンを支えるイリス。


ヴァルハラ一号機パイロットのカイル。


ヴァルハラ二号機パイロットのリディア。


ヴァルハラ三号機パイロットのマックス。


ヴァルハラ四号機パイロットのエリック。


予備隊所属のヴァルハラパイロット、ハンク。


そして整備主任のガレス。


全員の視線が大型モニターへ向けられている。


そこにはATHENAが解析した施設情報が表示されていた。


「始めるぞ。」


レオンの言葉とともにブリーフィングが始まった。


モニターに映し出されたのは険しい山岳地帯だった。


岩山の内部へ建造された巨大施設。


高い外壁。


監視塔。


複数の出入口。


明らかに通常の研究施設ではない。


《施設管理コードと旧連邦軍データベースの照合を完了。》


ATHENAの声が室内へ響く。


《当施設はミーミル計画関連施設である可能性が極めて高いと判断します。》


室内が静まり返った。


レオンは映像を見つめる。


父が追っていた計画。


七年前の事件。


その真相へ繋がる手掛かりが、この施設に眠っているかもしれない。


---


ATHENAは説明を続ける。


《施設管理コードそのものは複数確認されています。》


モニターに十数件の識別コードが表示された。


《そのうち現在も大規模な電力反応を維持している施設は四か所。》


四つのポイントが赤く表示される。


《今回の目標はその一つです。》


山岳地帯深部の施設が拡大表示された。


カイルが眉をひそめる。


「まだ稼働してるってことか。」


《可能性は高いと判断します。》


ATHENAが答えた。


《施設周辺では武装警備部隊の活動も確認されています。》


---


「目的は情報回収だ。」


レオンが口を開く。


モニターが施設内部推定図へ切り替わった。


「中央データベースへのアクセス。」


「ミーミル計画関連資料の回収。」


「余計な戦闘は避ける。」


マックスが頷く。


「優先順位は生存と情報回収だな。」


「ああ。」


レオンも同意した。


「戦うために行くわけじゃない。」


---


施設外周図が表示される。


ATHENAが侵入経路を示した。


《正面突破は推奨しません。》


《崖下に保守用通路を確認。》


モニターに隠された入口が映し出される。


《施設から約五キロ離れた地点へ降下後、徒歩で接近します。》


ハンクが鼻を鳴らした。


「骨が折れそうだな。」


---


「潜入班は五名。」


レオンがメンバーを確認する。


「俺。」


「マックス。」


「カイル。」


「エリック。」


「ハンク。」


モニターに五人の名前が表示された。


「現地指揮はマックス。」


「ATHENAが情報支援を行う。」


マックスが短く頷く。


---


その時。


リディアが口を開いた。


「私は留守番?」


ガレスが苦笑する。


モニターには二号機の損傷箇所が表示されていた。


「二号機はまだ修理中だ。」


「無茶言うな。」


リディアは不満そうに頬を膨らませた。


「分かってるわよ。」


---


エリックが腕を組む。


「機体はどうする?」


今度はガレスが前へ出た。


「一号機、三号機、四号機は出撃可能だ。」


モニターに各機の状態が表示される。


「第二輸送機と第三輸送機に搭載して待機させる。」


ハンクが眉を上げた。


「使わねぇんじゃなかったのか?」


「保険だ。」


ガレスは即答する。


「輸送機は待機空域で旋回する。」


「緊急時は現地へ投入可能だ。」


「要請から十分以内には戦闘空域へ到達できる。」


エリックが小さく頷いた。


「悪くない。」


---


最後にレオンが全員を見回した。


「作戦時間は二時間。」


モニターにタイマーが表示される。


「二時間以内に撤収。」


「三十分ごとに定時連絡。」


「連絡途絶時は救援要請を行う。」


全員の表情が引き締まった。


---


レオンは再び施設の映像を見る。


父が残した足跡。


七年前の真実。


全てはこの先にある。


「行こう。」


その一言でブリーフィングは終了した。


ミーミル計画の真相を追う作戦が、静かに始まろうとしていた。


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