表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/37

第十話 迎撃

夜空。


逃走する大型ヘリ。


その前方を切り裂くように飛ぶ四機の戦闘機。


第二迎撃隊。


隊長ハーランドの機体が先頭を飛んでいた。


後方。


ヴァルハラ二号機。


リディアは舌打ちした。


目の前に割り込まれた。


あと少しでマーカスへ手が届いた。


それを阻まれた。


《敵機、攻撃態勢。》


警報が鳴り続ける。


「なら先にどいてもらう。」


四機の戦闘機が散開した。


左右へ分かれ、


二機ずつが二号機を包み込む。


ハーランドはモニターを睨んでいた。


「焦るな。」


「追うな。」


「軌道を予測しろ。」


「包囲を維持してヘリに近づけるな。」


《了解。》


その頃。


上空別空域。


ヴァルハラ三号機。


アレックス隊との戦闘は続いていた。


三号機の周囲で爆発が連続する。


《右腕部装甲損傷。》


《左肩装甲損傷。》


《戦闘継続可能。》


マックスは笑う。


「少しは楽しませてくれる。」


アレックスは息を吐いた。


「包囲を狭めろ。」


「逃がすな。」


鋭い声だった。


「必ず落とす。」


三号機は後退しながら敵を引きつけていた。


少しでも多くの敵を自分へ向ける。


それがマックスの任務だった。


「カイル。」


「さっさと来い。」


その頃。


施設外周。


ヴァルハラ一号機。


カイルは回収班の撤退を見届けていた。


装甲車両が施設を離れていく。


会議データ。


サーバーデータ。


全て確保済み。


《レオンより通信。》


《回収班の離脱完了。》


《一号機は二号機の支援へ向かえ。》


「了解。」


ヴァルハラ一号機の背部推進機が唸る。


機体は上昇を開始する。


ノマド管制室。


「一号機、発進。」


イリスが報告する。


レオンは頷いた。


「リディアへ伝えろ。」


「時間を稼げ。」


「一号機の予想到着時間は三分だ。」


夜空。


二号機。


《一号機発進を確認。》


《予想到着時間三分。》


リディアは苦笑した。


「三分ね。」


「急ぎなさいよ、カイル。」


その瞬間。


ミサイル警報。


《ロックオン。》


《ロックオン。》


《ロックオン。》


「面倒ね!」


二号機は急上昇した。


戦闘機二機が追う。


さらに別方向から二機。


完全な包囲だった。


だがリディアは冷静だった。


「そう来ると思った。」


推進機最大出力。


二号機が急旋回する。


戦闘機では不可能な軌道。


二機が追従に失敗した。


「追うな!」


ハーランドが叫ぶ。


「進路を塞げ!」


《了解!》


その瞬間。


別の一機が死角から回り込む。


ミサイル発射。


《近接弾、接近。》


リディアの目が鋭くなる。


「しまった。」


爆発。


二号機の背部付近で火花が散る。


《追加推進剤パック損傷。》


《推進効率低下。》


機体が大きく揺れた。


ヘリとの距離がわずかに開き始める。


「やるじゃない。」


リディアは歯を食いしばる。


ハーランドは冷静に告げた。


「ヘリは守る。」


「時間はこちらの味方だ。」


その隙。


二号機の右腕が動く。


電磁加速ライフル。


照準。


発射。


閃光。


超高速弾が戦闘機の前方を通過した。


直撃ではない。


牽制射撃だった。


「牽制だと……。」


ハーランドは息を呑む。


撃墜できたはずだった。


それをしなかった。


ヘリ機内。


護衛たちもその光景を見ていた。


「撃たない?」


「なぜです?」


マーカスは窓の外を見つめる。


「撃てたはずだ。」


「だが撃たなかった。」


少しだけ沈黙する。


「狙いは私か。」


「それともデータか。」


答えはまだ出ない。


だが一つの仮説が浮かぶ。


「彼らは、私を殺したいわけではないのか。」


遠方で爆発光が瞬く。


三号機と第一迎撃隊の戦闘はなお続いていた。


さらにその向こうから、


青白い光が夜空を駆ける。


ヴァルハラ一号機。


カイルが合流へ向かっている。


合流まで二分。


戦闘機。


ヘリ。


ヴァルハラ。


三つの勢力が夜空で交錯する。


追撃戦はさらに激しさを増していく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ