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最後の打ち合わせ

 無事希望通りのスケジュールで約束を取り付けた私たちは、いつもより少し早く起きて、新幹線のような乗り物に乗っていた。王都から1時間半はこれに乗らなければならないらしい。朝ごはんとして駅弁のようなものを買って食べた。ンプァクトの食事は当然日本とは違うが、私の舌には合っている。


「あー緊張してきた。結局何話すの?」

「そうですね……どこかのタイミングで、意図的に原初魔法の使い手にする方法は未発見だと伝えなければいけません。そして、彼らのしていることは虐待にあたるということも。とはいえはっきり言ったらむしろ状況が悪化するかもしれませんから、まずは雑談からですね。人となりを踏まえた上で……彼らのために祈り、説教に入ります。聖典にちょうどいい箇所があるので、それを引用して戒めようかと。もし反省が見られるなら、告解も行います」


 そういうと、チェレーゼは印刷してきた原稿と、小冊子を見せてくれた。『小さな集いの式次第』と書いてある。前書きを読む限りでは、神殿での礼拝以外で小さな集まりを催す時、神官はどのような儀式としてそれを進行するべきか、ということが書かれているらしい。


「到着したら、私が依頼者と話して、うまいことお子さんをソメヤ様の方に誘導します。その後、軽く雑談をして空気を和ませてから、あなたたちに祝福があるように小さな集いをいたしましょう、と、こっちはこっちで上手くやります。初めてのことではありませんから、大丈夫です」


 これが初めてではない、というのは、その分虐待されていた誰かがいたということで、重苦しいが心強くもある。


「ただ、ソメヤ様」

「なあに?」


 チェレーゼは小冊子をしまいながら話す。


「虐待が深刻な場合、強制的に保護をします。私はその判断をできる資格をもっていて、保護施設にも空きがあります。そのときはお伝えしますから……どうか、親がどんなに良い人そうでも、あるいは子供が嫌味な子でも、絶対に……私の指示に従ってください」

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