表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
53/77

作戦立案


「まずは私が説教をしてご両親の気を惹きます。ソメヤ様は……子供と仲良くなるのが得意そうなので、本人から話を聞いてみてください。何をされているのか、どうしたいか。録音してください、保護が必要だと判断したら、然るべき機関と繋ぎます」

「おっけー」

「他の人に協力を仰ぐ可能性もありますが……最初から大勢で行って刺激したくはありません。まずは二人でいきましょう」

「わかった!」


 作戦立案はこのように、私は特に何も考えることなく終了した。チェレーゼはギルドで私と軽く打ち合わせてから仕事へ戻り、私はいつも通りジムで鍛錬をした。そして家へ帰り、洗濯をしたり夕飯を作ったりしてチェレーゼを待った。仕事から帰ったチェレーゼは、非常に疲れた顔をしていた。いつものことだが、なんという激務なのだろう!


「ご飯ありがとうございます……。神よ、我らの肉を生かしてくださり感謝します、栄えある聖典と唯一の神のみ名によって、かくあれかし……。いただきます」


 どんなに疲れていても、彼女が祈りを欠かすことはない。異界人である私にそれを強制することはないが、真似して唱えてみたらひどく嬉しそうにしていたので、それ以降、覚えていれば私も祈ることにしている。これの何がそんなに嬉しいのか、信仰のない私にはわからない。しかし、見るからにキツい仕事をこなし続ける彼女の原動力がその信仰心にあることは誰が見ても明らかだから、この些細な行動が少しでも彼女の励ましになればと思う。


 食べ終えた後のチェレーゼは、説教のための原稿作成をするやら、それに必要な資料を漁るやらで忙しそうにしていたが、私は特にやれることがなかったので、気になっていた細かい部分の掃除なんかをして誤魔化していた。ひとりだけのんびりするのも、なんだか申し訳ない。


「ソメヤ様」


 そうやってシンクの水垢を取っていたところ、急に声をかけられ、手が止まった。何か役に立てるのか、と振り向く。


「ああ、すみません。お掃除しながらで構わないので……参考程度にお伺いしたいんですが」

「私でわかることなら」


 私はもう完全に掃除の手を止めた。マルチタスクはあんまり得意じゃない。チェレーゼは私が掃除をしていようといまいと気にならないらしく、そのままメモ帳を手に取った。


「ソメヤ様……魔法の詠唱手段じゃないタイピングって……どんな感じですか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ