表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
52/77

脱法クエスト

 脱法的なクエスト受注方法に驚いてつい大声でツッコミを入れた私を、チェレーゼは人差し指を立てて嗜めた。


「しーっ、せっかく融通をきかせてくれるというのですから、我儘を聞いてもらった方はだんまりがマナーです」

「教師っぽい……」


 事情を理解して申請書を記入して提出すると、受付嬢はため息をつき、嫌そうな顔でハンコを押して受理した。


「まあ……そもそもこんな依頼を受け付けるギルド中央会が悪いです。せめて特命依頼として、それこそチェレーゼ神官様とか、良心ある方々とわかりきっている人への依頼とすべきで……」

「そしたらこちらの方が跳ね上がってしまいますからね」


 チェレーゼはお金を表すジェスチャーをする。このジェスチャーが好きなのか、それともお金お金と口にすることに抵抗があるのかわからないが、彼女はよくこのジェスチャーをする。


「単純に、より広く募りたかっただけかもしれませんが……なんにせよ依頼却下も特命依頼も納得させられず、結局五つ星……実質最高ランク依頼とすることで収めた。相当なモンスターカスタマーなのでしょう」

「行きたくなくなってきた……」


 私の嫌そうな声を無視して、チェレーゼは話を進める。


「出発は2日後、朝からだととても助かるのですが……先方と調整をお願いします。難しそうなら教えてください」

「はいはい、わかりました。チェレーゼ神官様がいらしてくれるなら、きっと都合をつけてくれるでしょう。……せめて、その程度の分別は持っていて欲しいものです」


 依頼受注後、依頼人とやり取りするのはギルドだ。諸々の調整をギルドが行い、あくまで冒険者はギルドの指示で動く。それは依頼人のプライバシーを守るためでもあるし、報酬トラブルなどを避けるためでもある。ギルド職員は忙しい。その上、褒め称えられるのはいつも冒険者ばかりである。挙げ句の果てにこのような脱法行為に付き合わされるのだ。私は心の中で、ギルド職員の皆さまへの感謝と労いの言葉を何度も繰り返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ