面会
「拘置所で爆破テロ? 物騒〜」
「なんでも、ソラージルの工作員たちらしいぜ。そいつらもここに捕まったから少し話したんだけどよ」
「そんな気軽に話せるの?」
「作業中とか意外と話せるぜ。住処は独房らしいけど……羨まし〜! 俺の部屋一人いびきがうるっせえのいてさあ!」
「それは嫌だね……」
週に1度許可されることになった、オリバーとの面会。この面会には私、チェレーゼ、ピグトニャでかわるがわる来ることにした。初回の今日は私の番である。彼はこの1〜2週間、孤独ですっかり参ってしまったらしく、私を見た瞬間目を輝かせてぺらぺらと話し始めた。毛並みの荒い大型犬のような感じがする。
「その爆破テロの人たちの目的は? 仲間を助けようとしたの?」
「あーそう、セクレタとかいうやつの身柄解放を求めてたよ。えらいやつなのかなあ」
「ふーん……ソラージルがそんなに情に厚いとも思えないし、なんか変だね」
私が真面目な顔をして考え込むのが不満なのか、彼は長い髪をくるくると弄び、心底つまらなそうな顔をした。
「まー、数日後にはシャバでも話題になんだろ? いーじゃんこんなこと。それよりさぁ金くれない? 自弁で買いてえものが……」
「何買うの?」
「本だよ、本! 昔仲間に読み聞かせてやった小説! なんか映画化するらしくてさ、テレビで見たぜ。思い出したら懐かしくなってさぁ……あ、本そのものでもオッケー」
私は刑務所を出ると、書店でオリバーから指定された本を探した。刑務所に戻ると、平積みされていて簡単に手に入ったご所望の本と、限度額いっぱいまでのお金を差し入れ、その場を後にした。頭の中には、オリバーが軽い雑談として話していた、爆破テロの話が渦巻いている。
「セクレタなんかのために自爆テロ……? 実は指導者だったとか……? そんなに偉そうに見えなかったけどなぁ」
私はその違和感を晴らすべく、自然と職場へ──国際魔法連合軍ピグイタン支部へ、足を向かわせていた。
「ガネットに聞けばわかるかなぁ……」




