【第十一話】
酒場と兼業しているのか?
見た目は大きい居酒屋みたいな感覚だが3階建ての立派な建物だ。
中に入ると、
「うわっ」
中身の入ったビールジョッキが飛んできてそれを避けるところから始まった。
「てめえ俺の酒が飲めないというのか」
「あんなクソまずい酒なんか飲むか、俺はこの酒しか飲まねえんだよ」
見た目はイケメンとガラの悪いおじさんが喧嘩をしている。
とりあえず揉め事には巻き込まれたくない。
シカトして受付の女の子に話しかける。
「冒険者カードを作って欲しい。アレンの紹介文だ」
「アレンさんのですか!!ちょっと見せてください。」
紹介文が取られ、受付の女の子が「本物だー…」と呟いている。
「あまり時間をかけたくない。新規冒険者の登録をすぐ終わらせてくれないか?」
「あ…すみません。すぐ行います。名前をお聞きしても良いですか?」
「サンだ」
「それではこちらのカードをどうぞ」
カードを受け取ると、Fランク冒険者サンと書かれている。
「このカードの中にギルドから依頼した依頼の実績と自動でモンスターの討伐記録が記入されていきます。モンスターの素材は売る事ができるので、道具屋で売ることをお勧め致します。ギルドからの依頼は掲示板に張り付けていくのでご確認下さい。何か質問はありますか?」
「このカードで他の町や他のギルドで使うことは可能か?」
「もちろんです。本当はギルド登録するさい適正審査などを受ける必要があるのですが、アレンさんの紹介文で無しでカードを作らせていただきました。」
「なるほど、アレンさんの為にモンスターの討伐の方で働かないといけないみたいだな」
「そうかもしれないですね」
にこやかな笑みで返される。
「それでは…何だ?」
ギルドから出ようとすると先ほど喧嘩していたイケメンが前をふさいでいる。
「俺の名前は、エースここから近くの森を超えてその奥にある火山まで行く前なんだ。」
「そうか、俺の名前はサン新人冒険者だ」
「サンか…俺のことはエースと呼んでくれ」
「あぁでは俺のこともサンと呼んでくれ」
「今から出発するところなんだが、ちょっと気になって声をかけてしまった。」
「なるほど、装備からみて良い冒険者だと分かる気がする。」
「よせよ。また今度あったら一緒に飲まないか?」
「こちらこそお願いしたい」
「決まりだな引き留めて悪かった」
「いやこちらこそ声をかけてくれて、ありがとう」
新人冒険者の背中を見送る。
「どうした馬鹿弟子、お前が声をかけるなんて珍しいじゃないか」
「うるせえアホ師匠。ただ何となく勘だけど…サンに声をかけないとって思ったから」
「…そうか、ならさっさと出発しろ」
「わかったよ」
そう言いなかば追い出される形で出発することにした。




