【第十話】
村の近くに行く途中、村人だろうか剣を持ってコボルトと対峙している。
情報解析をおこなうと『商人』と出ている。
馬車には食料品が乗ってあり商人で間違いなさそうだ。
これは使えそうだ…
すぐ商人の剣を奪い、コボルトを切り殺す。
「おっさん、危なかったなー大丈夫か?」
商人に手を差し伸べる。
「おお助かった、ありがとう」
「とりあえずこの剣返すよ」
「いやー面目ない、何かお礼がしたい良ければ私の家に来てくれないか?」
「俺は旅人だ。それでよければ」
「もちろん、さっさこっちだ」
商人の馬車の後ろに乗りこむ
「いつも比較的安全な道で村の兵士が近くのモンスターを倒しているはずなんですが、今日は本当に助かりました」
「そうか」
思い当たる事があったため少しビックリする。
「あれが村の入口ですよ」
そう言われ門の前に門番がいるのが見える。
「あぁ」
当たり障りのない返事で返す。
商人が門番に、何かカードらしきものを見せて中に入る。
一番村に入る中で難関だった場所がすんなり入る事ができて思わず安堵した。
もし入るのが難しそうなら村の近くにいる村人に睡眠スプレーをかけダンジョンにワープ、ダンジョンポイントで『奴隷の刻印』を使い色々こちらの世界の事を聞き出す予定だったが無駄な手間がなく順調に進んでいる。
馬車が町の中を進んでいく。
道は広く商店が並んでいる。しばらくたつと左右に漆黒の塗られた3階建ての大きな建物が見える。
「あれが我が家です」
「かなり広そうな家だな」
「1階は商売をしているので、中に入っていただき左は武器を、右は様々なアイテムを販売しております」
「ちなみに買い取りもしているのか」
「もちろんです。さっさ奥の部屋へどうぞ。」
「私とお客様に、ハーブティーを」
商人が使用人にハーブティーを持ってこさせる。
「どうも」
一応情報解析を使ってからハーブティーと認識してから飲む。
…後味が爽やかな味だが、まぁ好んで飲む味ではなさそうだ。
「自己紹介がまだでした。この商会を営んでいるアレンと申します」
「俺はサンと申します」
「都のほうにも同じ商会があり行ったり来たりしております」
「非常に興味がある今度、都のほうにも行ってみたいな」
「ぜひ機会があれば…、ちなみにサン様はこの村は初めてですか?」
「そうだ」
「なるほどなるほど、このあたりは治安がよく住みやすい町になっております。都からも人が移住することが多く、最近では町に匹敵するほどの人口が住んでおり今後正式に、町に認定される予定になっております」
「なるほど、町が発展すれば商売の方も順調にいきそうですね」
「ただそうなると、問題があります」
「何か問題でも?」
「買い手が多ければそれなりの商品を多く仕入れなければなりません。ここで一つどうでしょう?サン様の腕を見込んで当商会に様々なものを売りに来てくれませんか?他より高く買い取る事をお約束いたします」
なるほど、お礼といいつつ商売の話しもしてくるあたり非常に好感がもてる相手だな。
「分かりました。ただ一つ条件があります。何処にでも利用できるアレンさんの紹介文が欲しい。それが今回のお礼と仕事を引き受ける条件でいかがですか?」
「紹介文ですか…分かりました。本当は初めてあった方に出すことは無いのですが、サン様には助けてもらったお礼もあります。今回だけ特別にお出ししましょう。」
「ありがとうございます。」
「ちなみに旅人と初め言われていたので、初めに冒険者ギルトがこの商会を出て右のほうに行くとございます。今では治安が良いためほとんど人がいませんが、受付の方に私の紹介文を見せるとすぐ冒険者のカードを作ってくれるはずです。」
「気をつかっていただき、ありがとうございます。早速紹介文を持って行ってきます」
「いえいえ今後とも宜しくお願いいたします」
そう言って商会を後にする。
商会を出た後に、アレンの紹介文を大事にポケットにしまいガッツポーズを小さく決める。
都とこの大きい村に商会ができる方の紹介文は、今後もかなり役にたつと考える。
良い商談ができたと思わず笑みがこぼれる。
ニヤニヤしながら冒険者ギルトに行くことにした。




