そこまで強くない
今までのと比べて少し長いかもしれません。
もうすぐ二学期も終わる。
最近は、社会の授業だけは絶対に出ている。少しずつ、自分のペースで教室に戻ればいいって言われて勇気出て、上田先生がいるのなら頑張ってみようと思えたから。そして、冬休み明けて3学期は、他の授業も出れるように頑張りたいなぁなんて思う。しかし、慣れておこうと思って国語の授業に出たとき、事件が起きた。そのとき私は、同じ文系だから頑張れる。そう思っていた。なのに、私が教室を離れた時に机の上に置いておいた筆箱や教科書、ノートがなくなっていた。先生が来た時に気づかれた…「あれ?伊藤さん、教科書やノートは?」「用意してたはずなのに無くなってました。」「あら。それは大変ね。」先生はそう言ってから「誰かどこにあるか知ってる人いる?」と全員に向けて聞いた。しばらく沈黙して、1人が知りませーん。と言った。言ったのは、ベズズスの取り巻きだった。私は直感的にベズズスたちに盗られたと思った。でも、口に出すことはできない。クラス内でのカースト制があるような気がして。「そしたら、伊藤さんは隣の人に見せてもらってね。他の人も、見かけたら伝えてあげてね。」先生がそう言うとみんなは、「はーい。どこにいったんだろうねー」などといった。でも、隣の人が見せてくれるわけはなかった。その授業中苦痛で苦痛で仕方がなかった。あとで上田先生のところに行こうと思ったけど、今日は歴史の授業はない。悲しかった。だから琴子に話してみようと思った。琴子はいつものように話を聴いてくれた。「琴子。私やっぱり教室に戻りたくない。さっきの国語の授業で筆箱とか教科書とかノートとか全部なくなった。多分あいつらに盗られた。教室に入るのが怖い。また何か盗られる。でも先生には言えない。絶対クラスの人たちが知ってしまうから、またいじめられる。梓や波瑠はきっと悲しむ。どうすればいいのか分からない。死んだ方がいいのかなぁ?」琴子はずっと黙って話を聴いてくれた。そして、「好花はすごいよ。教室に戻ろうとしてるんだよ?授業終わるまでよく耐えた。」そして、ちょっと待っててと言って保健室を出て行った。たしかに今は昼休みだけど…どうしたんだろ。しばらくして、琴子が戻ってきた。「あ、琴子ーおかえりーどこ行ってたの?」なんと、一緒にいたのは上田先生だった。「え?琴子?どんな風の吹き回し?」「うん。私が呼んできた。話聞いてもらいたいんでしょ?」琴子には、全部お見通しだった。「うん。そうだけど、なんでわかったの?」「好花の事だもん。そりゃ分かるよ」「伊藤さん、佐々木さんと友達って言うより、親友って感じだね。」「あはは。かもしれないですね。」先生の声のトーンが低くなった。「何をされたか、聞かせてもらっていいかな?」「はい。私、3学期からは教室戻れるようにしたいと思ってて、同じ文系の国語なら授業受けられると思ったんです。だから、国語の授業に参加してみたんです。でも、授業前に少し席を離れたら、教科書とノート、ペンケースが無くなってたんです。先生は、隣の人に教科書とか見せて貰ってって言ってて、ちゃんとみんなに心当たりがないか聞いてくれたんです。でも、みんな知らないって答えました。隠した人は多分、木田さん達だと思います。知らないって言っていた時も、木田とその取り巻きだけはすごく元気な感じで知らないって言ってたし、授業中もずっとざわざわしてて、消しかすとか投げてきたし。私、もうあんな教室戻りたくないです。」いつのまにか泣いてしまっていた。「伊藤さん。泣きたいときは、泣いていいよ。」先生は優しい口調で話してくれた。「伊藤さん。戻りたくないなら、戻らなくていい。それと、今の話の内容を学年の先生に言っておいてもいいかな?社会を教えてる最中に話してくれたって言っておくから。」「はい。大丈夫です。」数日後、ちょうど国語の先生で学年主任の中村先生が保健室に来た。「伊藤さん。上田先生から、話聞いたよ。やったの、木田さんたちだろうね。あの後ね、木田さん達が教卓の下に落ちてましたって伊藤さんの教科書類を職員室に持って来たの。でも、授業中私はそんなもの見てない。あったらわかるのに、全く見てない。こんなことになるまで気づかなくてごめんなさい。」私は…「先生。ごめんなさい。私、木田さんたちのことも先生も許せないです。」先生は次の言葉を発するまで少し間が空いた「うん。許さなくていいよ。今までずっと、上田先生以外先生達は、何もわかってなかった。ただね、先生達は、すごく反省してる。それだけはわかってもらえるかな?」「はい。」先生は、少し間を置いた。「うん。ありがとう。そうしたら、これからの話をしようか。伊藤さんは、これからどうしたい?」
「私は、教室に戻りたいです。でも、木田さん達にいじめられるのは嫌です。」
「うん。そうだよね。そしたら、来年は別のクラスだね。絶対に」「先生。私、今年中にでも戻りたいんです。でも、いじめられても教室に行けるほど強くはないです。だから、今年は行ける授業だけ出て、来年から教室に戻るでも良いですか?」これが私の出した答えだ。「もちろん。出れる授業が増えると良いね。」中村先生は優しく答えてくれた。




