ヒント
直哉の予想は当たってる気がする。
今日も今日とて壁に赤外線カメラを向けて撮影してると、お姉さんに「お疲れ様です。」と声掛けられた。
上映会で後ろに居たスタッフだ。
「毎日頑張りますね〜ところで何を撮影してるんですか?」と聞かれた。確かに社長にしか話してないが他の人に言ってないのか???
5人姉妹や戦士達が話してそうなものだが。
「昔あったはずのゴミシューターを探してるんですよ。各階に入れるポストみたいな口が有ったはずなんです。」と。
「私…多分知ってます。でも、実は共用部じゃないんです。」とお姉さんが口元を抑えて話す。
「どういうことですか?」琴子が聞く。
「ここは高級アパートメントだったので、電車の等級みたいにお部屋のお家賃で差別化されてたんです。
でも、トイレやエレベーターで差別化できないのでゴミシューターの利用特典で分けてたんですよ。」まさか、お姉さんがそんな事を知っているとは!
「つまり…部屋にゴミシューターが付いてる人だけが使える?」琴子が聞き返す。
「はい、各階で1番大きな部屋分かりますか?階段の倉庫とトイレから1番近い入り口の部屋です。」お姉さんが内緒だよと言う顔で話す。
「西側の…階段からすぐ入れる角部屋ですね。」まさかの社長の自室だ!6階は!
「そこの偶数階の借主のみがゴミシューターを使えるんです。まさに選ばれし人のみです。」とお姉さんがなぜか自慢げだ。
「えっ、なんでそんなに絞るんですか?」思わず琴子は聞き返してしまった。
「昔のゴミ収集車って、週1だったんですよ〜それも収集する時間もマチマチだし。だから、皆とりあえず出したい時にゴミ置き場に自由に出してたんです。
だから、すごい臭いだし!銀蝿がたかるし!
たまに途中のゴミ置き場が多い時は2週間くらい回収来ないし!」お姉さんの話に驚愕する。
「エッ、ウソ!日本って綺麗できっちりした国じゃあ…」思わず琴子は反論する。
「フフッ、昭和初期なんて汚いしだらしない国でしたよ〜トイレの手洗い場の水もチョロチョロで指先しか洗えないし!今の中国ソックリ!何でも先進国の猿マネしてアメリカの不動産買い漁ってましたね〜メガネザルと呼ばれながら。
コピー品だらけの国でした。
まともに綺麗な街になったのは、東京オリンピック以降ですね。」お姉さんがクスクス笑う。
「独身世帯ばかりで50世帯くらいあるんで、とてもじゃないけど1階の下のゴミ置き場に保管できません。高さ1.5mの縦横1mくらいの大きさだし。他の人は道路の地域のゴミ置き場へ自分で持って行って貰ってたんです。
建物の中から見ても分からないと思いますよ〜外から西のお部屋見たら…分かるかも?
あっ、これ内緒ですよ〜
また使う人が居たら困るので。」とお姉さんは笑いながら去っていった。




