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パールパレス  作者: たま


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13/14

ラストライブ

やはり骨は人間のものだった。身体は頭、手足で分解され胴体部も3つに分かれていた。

多分ゴミシューターに入れやすくするためだろうと判断された。

しかしあまりに昔の事で、戦争挟んだのでどこの誰かも不明のまま終わった。

このビルを建てた鴛淵一族でも無かった。その顧問弁護士の娘の婿…となると、もうどこの誰かも分からないのだ。

なぜか発見者代表は琴子にされた。

推しが事務所が、こういう形で扱われる事を嫌がったからだ。

警察に事情や経緯を聞かれて、今まで2カ月調べ続けて来た事と事務所スタッフの女性からヒントを貰ったと話したが…そんな女性は存在しないと言われた。

新聞に顔まで写されて「推しへの熱意と情熱」と面白可笑しく取材されてしまった。

琴子は、推し活は好きだが目立つのは大嫌いだ!

3本目の取材でキレて取材拒否にしてしまった。

マスコミはどう嗅ぎつけたのか?

江戸切子の店まで来て、不起訴になった警察職員の事件まで聞き出そうとする。

完全にキレて警察呼んでマスコミを追い出した。

店にはマスコミお断りの張り紙までした。交番も見回り強化してくれて助かった。

「なっ、僕が事務所を表に出さなかった理由分かったろ?推し活が好きな人間は、目立ったり注目されると神経磨り減るんだよ。」事務所に逃げ込んだ琴子になぜか推しが親しげに馴れ馴れしく初めて話しかける。

「分かった…私このままだと日本に居たくなくなる。

どこか絶海の孤島に籠りたい!

初めて引きこもりたいと思うもん!人生で!」琴子は、自分の神経の限界に到達しかけてると分かる。

この頃は、街を歩くのも大学構内歩くのも恐いのだ。

急に人が近寄ってくるとビクッとしてしまう。

早くこの話が風化するのを待つしかない。

直哉が深刻そうな顔して寄ってくる。

「夜配信終わってからタクシーを出して貰って一緒に帰ろうな。お前がそんな風になるなんて…ビックリだよ。」直哉がそう言いながらコピー紙を差し出す。

「これは…?」琴子が聞く。

「このパールパレスの建った時の関係者の記念写真だよ。国会図書館で新聞のコピーを貰ってきたんだ。」琴子が食い入るように見る。

女性スタッフのマネージャには居なかったのだ。

良く考えれば詳し過ぎる!まるで、その当時パールパレスに居たみたいに。

あまりに普通に人間だったので、全く疑わなかった。

上映会の時、本当に自然に混じっていたのだ。

今から7.80年前なんて画質が荒すぎて良く分からない。

特に一族の人達がメインなので全く知らない人ばかりだ。その中には子供や赤ちゃん抱いてる人もいた。

「相続争いで、一族絶滅したって事はこの赤ちゃんも亡くなったのかな?このオカッパの女の子も?」琴子が直哉に聞く。

「気になるだろうと思って戦後のパールパレスに関する記事や書籍も調べたよ。でも、本当に一族は絶滅させられたらしい。相続争いにヤクザを絡ませたのが詰んだんだろう。

ヤクザは子供殺すのは、大人より楽だと考える人間の集まりなんだよ。マフィアと同じで赤ちゃんだと生かして死体処理の仕事させたりリンチの専門家に育てたりする事もあるらしいがな。金持ちの子供じゃそれも無理だろ。」直哉が首を振る。

記念写真の別カットで書類を持った女性の腕が少し見切れていた。

「この持ち方は…」そう、あのお姉さんに似てる気がする。

結局、バラされてた男性もあのお姉さんも分からなかった。

「でも、最後に見た時笑ってたんだろ?だったら2人はきっと出会えたんじゃないか?その人、戦後の話もしてたんなら、ココで誰かが旦那さんを見つけてくれるのをずっーーーと待ってたのさ。

お前の推し活愛が彼女の愛と呼応したのさ。

お前がずっとカメラであちこち写してるの見てて声掛けてきたんだろ。お前の情熱に掛けたのさ。」直哉が帰りのタクシーで琴子の背中を何度も撫でてくれる。

「そうだね、最後笑ってた。きっと会えたからだね。ずっと、パールパレスで旦那さんを探してたんだろね。死んでも死にきれなかったんだろね。分かるよ、その気持ち。」琴子はキッと奥歯を噛んだ。

「社長にお願いするよ!グループの活動は、もうしなくて良いよ。

それより、最後の別れのライブして欲しい!

ちゃんとお別れの挨拶を皆にして欲しい!」琴子が顔を上げて前を見つめる。



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