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パールパレス  作者: たま


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14/14

本当のお別れ

そうなのだ。グループの解散はまさかの当日に伝えられたのだ。

ファンは誰一人としてこれがお別れだと覚悟して別れていないのだ。

まるで新婚の奥さんに「ちょっと仕事仲間と飲んでくる。」と夜出掛けた夫が朝になっても帰って来ないかのように。

一睡もできずに朝を迎えて起きるとパールパレスの管理人から、ゴミシューターの様子が変だと知らせが来た。

夫への書き置きをして朝ごはんと一緒にちゃぶ台に置いて出掛ける。

マンション入り口で待ってくれていた管理人と外階段を見に行くと。

なぜかゴミ入れが外に出されている。ゴミ入れの中は血溜まりが出来ていた。昨夜夫が付けていたパールのカフスが血溜まりの中で白く輝く。

「なぜ?どうしてあの人のカフスがここにあるの?」嫌な予感がする。

管理人が中がオカシイと言うのでゴミシューターの扉を開けて中を覗くと下のコンクリが盛られてかさ増しされている。そして塗りたてなのだ。

「これは…どういう事?」と管理人に聞いた瞬間目の前が真っ暗になった。

次、気付いたら海の中だった。管理人と片手が縛り付けられている。彼は先に目が覚めて上から抑えつけてくる手に抵抗しているが、何度ももがいてる内に動きが止まった。やがて見開いた顔のまま身体が沈んでいく。それに引っ張られて私の身体も沈む。

でも、そんな事より夫がどこでどうしているのか?

それが知りたい!

このまま死ぬことより、夫がどこにいるのか?どこに行ってしまったのか?

それを海の上の人に聞きたい!

海底に沈みながら、何よりそれが気になった。

「ひとめアナタに会いたい!言葉を最後の言葉を交わしたい!」

気づくとパールのカフスを見つけたパールパレスに居た。だが、様子が違う。ゴミシューターは消えてなくなり、人もいない。

マンションの中を夫の名を呼び探すが声も姿もない。

「アナタはどこにいるの?返事をして!私の名を呼んで!」どんなに泣き叫ぼうと返事は無かった。

…マンション入り口から色んな人が入って来る。

ベルが鳴る度、アナタかと見に行くがアナタじゃない。

グループはもう無い。

どんなに叫んでも、そこにはもう姿も形もないのだ。

でも、いつかココに居れば会えるかもしれない!

それだけを希望に彷徨う。

時は流れた。

自分と似た魂が現れた。

後ろでその背中を見ていると、突然振り返り声を掛けられた。

この娘は、私が見えるのだ! 

彼女は私と同じようにパールパレスの中を彷徨う。

毎日毎日…思わず声を掛けた。やはり私が見えるのだ、この娘は。


彼女が仲間とゴミシューターの入り口を掘り出すと、あの日出掛けて以来聞こえなくなった夫の声が!

聞こえる!どこから?マンションの中だ!

娘に微笑み会釈してマンションの中に入る。

どこ?あなたはどこ?

マンションのエレベーターは苦手だけど乗ってアナタの声を探す。6階でエレベーターは止まった。手で開けて降りる。

アナタの声が聞こえる。やっと、やっと懐かしい声が!部屋に飛び込むと血溜まりの中にバラバラのあなたが横たわっていた。

パーツを、一つ一つと繋いでいく。

やがてアナタは微笑み私に語りかける。

「やっと会えたね。家になかなか帰れなくてゴメン。ただいま」と。

私も語り掛ける。

「ずっと探してたよ。もうご飯腐ってるかも?作り直すね…おかえり」と。


ライブは、ネットで開かれた。ネットから始まったグループだから。「おかえり、そしてさよなら」と、やっとその一言を告げられた。

ふっ、やっと気が済みました。

4年前出会って、この人だ!って思ったのに、どんどん有名になって一抹の寂しさ感じてた所に解散と当日言われて、オロオロしましたが。

もう解散してるのでサヨナラを言う実体は無いのですが。

自分に置き換えたら、推し活が行き過ぎて自分が配信者なっちゃうような究極の推し活猛者にとって、有名になるなんて!

拷問だと思う。日本に住めなくなると思う。

月末にはフランク・ロイド・ライトの帝国ホテルや中目黒に昔あった西郷従道の屋敷を見に行く旅へ!

旧帝国ホテルを舞台にお話書きたいなあ〜

従道と明治天皇で亡き西郷どんを偲ぶ話も良いかも?

幼い遺児、後の初代京都府知事となる菊次郎が育った家です。今から楽しみ♪

手配してくれた友よ!ありがとう〜

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