表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター5 仕合わせ
65/152

第56話 休めない刑事さん


息を切らす松原 河上から手渡されたお茶で何とか生き返った


「はぁ?! 泉太郎達に逃げられた?!」


「……まさか森ん中にヘリを待機させてるとは思わねぇだろぉ

木々がざわつく様は まるで映画のワンシーンだったぜぇハハ……

ついでに追跡は不可能 今部下達が目撃情報を辿ってくれてるよ」


「……大分疲れてますねぇ」


「日頃の疲れもあるがぁ…… なんかなぁ…… 最近事件を解決してなさ過ぎて億劫だぜぇ……」


「今の松原さんはプライベート全開って感じだな」


「そりゃぁ愚痴も言いたくもなるぜぇ…… 同期の小柳もまさか裏と通じてたなんてショックでよ」


和菓子を爪楊枝で突っつく松原に覇気は感じられなかった

威厳を保ってこその刑事の箔だと 安斎は説教したかったが呑み込む


「何や何やぁ? 刑事がそないなんでどうすんねん」


「お前の噂は訊いてるぞ四季園岳斗…… どういう気まぐれでこいつらに協力してんだぁ?」


「今ワシ 推し活中やねん♡」


「ハァ……??」


次第に姿勢が良くなる松原に 安斎はこの山で失踪した刑事達の話をする


「……刑事の悪しき伝統が災いしたなぁ

昔より他県で自由に行動は出来ても 何かしら職務上の行動は良く思われねぇからな」


「縄張り意識は結構ですが…… もうちょっとコミュニケーションってもんがあるでしょうよ?」


「テメェの県に余所の刑事がオカルトを求めて何かコソコソしている……

自分の県で何かしらの難解な事件を追ってるって時に

邪魔な形で現場をかき乱されていたらどう思う? あちらさんは妖怪を探しに来てんだぜ?」


「……まぁ腹が立ってきますね?」


「田舎刑事の中には昔ながらの職人気質みてぇな奴も生息してるんだ……

足を引っ張るような 馴染みがあるわけでもねぇ部外者は迷惑でしかねぇの」


松原は立ち上がって軽くストレッチすれば

持って来た鞄からとある捜査資料を取り出した


「小柳のことをどうこう言えた立場じゃねぇなぁ…… 俺も立派に汚職刑事だ」


紙に書かれている内容は ある病院に入院してた患者が毒殺されたというものだった

他には四季園蕾の追加情報や 四ノ海グループの長男殺害についてなども


「ビックリしたのは四季園蕾の左手が発見されたことだな

お前にも情報行ってんだろ岳斗 随分余裕だな?」


「デュヒヒヒヒ!! ワシはそないなもん訊いただけで動揺するタマやないでぇ?

偽物かも知れへんしぃ…… この目で確かめるまでは信じへんで!!」


「……科捜研が判断してもかぁ?」


「不審な動きしとるお巡りさんがおるのに信用しろっちゅぅんも難しいわなぁ……」


「まぁ…… だな…… 正直俺も内部の人間を疑ってるよ」


二人の会話に安斎がタイミングの良いところで入って来る


「俺も偽物だと思う…… 財界の令嬢を誘拐しておいて身代金要求が無いのが引っ掛かってたんだ

そして今回の左手の発見に至っては 身内を脅す意図が分からねぇ」


「脅迫か…… 犯人の置き忘れなんてわけねぇだろうし」



「考えたくもないがぁ…… 蕾ちゃんが変態の手に渡って

左手を親御さんに見せるのもプレイの一つやったら無くもない話やわなぁ」



岳斗は空のペットボトルを握り潰す


「まぁそん時は…… 刑事さんが目の前にいてなんやが……

自分を抑えられる気は毛頭あらへん バイヤーと組織を丸めて潰しちゃる」


「フン…… そんな事態が起きれば 俺が身体張って未遂にしてやるよ

次に四ノ海グループの長男 四ノ海栖の件だが こっちは犯人が判って逮捕もされた

殺人犯は家に雇われていた家政婦の渡真利和子 29歳

殺害方法はこれまた毒薬 例のボツリヌス菌を改良した奴だ」


「じゃぁ裏で暗躍してるんは安久谷や

共謀してた暁風楽校の元楽長はんがゲロりよったでぇ なぁ安斎ちゃん?」


「残念だがそこまでは公表されていない あくまで犯人は家政婦だってだけだ

しかもこの事件と最近病院で新垣清太という患者が毒殺された事件

どっちも増殖したボツリヌス菌が体内から検出されたんだが 双方食中毒で片付けられた」


「……つまり毒薬を流した犯人に繋がる物証では無いっちゅうことかいな?」



「寺田昌治も 四ノ海栖も その新垣清太さんも同じ毒で殺された

一体何を企んでんだ安久谷達は……」



男三人が話し込んでいる中 女二人と猿一匹はただ聞いているだけだったが

パソコンを開いていた柴塚はふと提案を持ち掛けた


「ここで一旦 話を整理して見ませんか所長?」


「う~~ん…… やっぱりなんか複雑に絡み合ってるよなぁ今回の事件」


「大きく分けてみました 私達トアル探偵事務所視点での順番になりますが……

・芽神咲彩の四季園一派と四ノ海グループの皆殺し発言 加えて弱竹亜純との謎の接点

・四季園蕾ちゃんの誘拐 そして左手が見つかる 対になってヤラセと保険金疑惑

・実際に四ノ海は自前の倉庫を所有して人身売買をしていた

・暁風楽校はその裏事業に一枚噛んでいた その指示役と思われる佐田親子は行方知れず

・四ノ海の長男と新垣清太の毒殺の接点は 使われたボツリヌス菌の兵器の裏に潜む思惑次第

……こんな所でしょうか?」


「あぁ…… 一回中間標石マイルストーンを決めようと思う

手当たり次第探っていても尚更混乱に巻き込まれるかもしれねぇからな

指標を定めて噛み砕いていこうと思うんだ」



「デュヒヒ!! マイルストーンとかまるでワシらチームやないかい!!

憧れとったんやでぇ? こういう少数精鋭揃いのドリームチーム…… 昂がるでぇ!!!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ