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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター4 窮途之哭
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第48話 大組織の関係者


「何勝手に出しゃばって来てんだぁなぁ河上香里奈?!!!」


安久谷は河上を知っていた

トラックの運転席からチェーンソーを持って出て来る


「〝政府系の雌犬〟がノコノコうちのシノギ邪魔されたとあっちゃぁ上が揉めんだよぉ……

一体誰の指示で動いてやがんだぁ?!!!」


「私が知る訳ないでしょ? 殺し屋が上の情報を共有させて貰えるとでも?」


「スゥゥゥ…… じゃぁまずはこの女先生から始めるかぁ……」


引っ張られて来られたのは中西

部下の袴田に 頭を銃で突きつけられていた


「カウントダウンを始める 話したくなったら話せよ河上?」


「答えられない物は答えられない……

ただ言えるのは…… お前達は虎の尾を踏んだ」


「あぁ?!」


「どちらにせよって話だからどうぞご自由に 私への指令は抹殺よ?」


時間が止まっていた持っている刀が再び動き出した

ユザブルに軽い気持ちで入ってしまった連中は後悔する暇も与えられない

得体の知れない化け物に死出ブラックアウトさせられるのだから


「何なんすかあのガキ……?」


「うろたえんじゃねぇ袴田ぁ!!

……どうせここの先公に情が湧いてねぇ訳ねぇんだ

脅しじゃねぇと分からせればアイツも怯む」


中西の顎を上げてジッと観る安久谷


「ほぉ…… 俺と同い年くらいかぁ?!!!」


「っ……!!」


「……………………おい お前いくつだ??」


「……さぁ 何のことかしら?」


安久谷は人の実年齢を当てるのが得意であった

それだけ観察眼に長けている 加えて多くの人間と顔を合わせて来たのだろう

彼曰く どの外国人でも同様で 数時間交流を図るだけで一人の君を認知するとか

しかし中西に限っては違った 自分が今まで生きてきて初めての経験だそうだ

昭和・平成・令和 安久谷は大まかな判別としてまず時代考証から入る

昭和を生きた人間と令和を生きる人間では極端に性質が変わるらしい 双方の環境の適応の違いだ

結論を言えば中西君尾は この三つの時代のどれも中心に生きていなければ始まりもない


「お前にとってノスタルジーはいつだ……?」


「……幕末かもね」


すると河上の刃先は既に安久谷の喉元に据えられていた


「貴方は生け捕りって命令よ」


「……そうかよ」


断末魔が消える頃より鳴る鈍い音

それはトラックが徐々に走行し始めるエンジン音だった


ーー誰も乗ってない筈なのにどうして……


安久谷は河上の油断を見逃さない

懐に仕舞っていた閃光手榴弾を投げ捨てて逃げる


「四ノ海の手足が俺だけだと思うなよ?」


別の車に乗り込み高笑いを見せる安久谷

その視界に映るはトラックに捕まる安斎だった


「逃がすかよバァカ……!!!!」


安斎もまた行動に移っていた

車窓脇のサイドミラーに手を掛けて中を覘けば


「……どうなってんだよ日本の警察はよぉ!!!!」


トラックを運転していたのは小柳刑事

彼はどうこうという表情もせず 安斎に顔を見られても平気な態度

少し車体を揺らせば 外に掴まっている人間など容易く振り切れた




トラックにも安久谷にも逃げられた安斎達

残っている自分達の他には死体が転がっているだけ


「ハァハァ……」


「残念やったなぁ安斎ちゃん」


身体中泥塗れになっている安斎に優しく声を掛ける岳斗


「いやまだだ…… 楽長が何処かにいる筈だ……」


河上を残して四人は校舎の中へ

するとグラウンドの外から複数の光がこちらへ集まってくる

残された河上がそれらを迎え入れていた


楽校の屋上

扉をこじ開ける四人の前には 佐田がアタッシュケースを持って待ち構えている


「安斎先生…… もう少し早く貴方を殺しておくべきでした」


安斎は息を切らしながらも佐田を睨み付けている


「楽長先生…… 何でこんなことを……」


「……ここのフリースクールの経営状況はご存知で?

四ノ海の財力をお借りしなければ このままではやっていけなかったんですよ……!!」


「…………」


「心を病んで来る人間は 世間に喜ばれる実績を得られる確率がどれだけだと思います?

言いたくありませんが出来損ないは出来損ないなんです

学校という輪から除外された人間 産まれた時から社会経験が出遅れる孤児

自立可能って納得させろと言う方が無理があるんですよ!!」


「だから諦めるんですか……? 俺が感じ取ったアンタの熱意とはまるで逆だな」


支援者スポンサーがいなければ倒産……

何十年も品定めされていた私にとって 予め大金を用意してくれる四ノ海さんは救世主でした

ハハ…… 漫画業界やアニメ業界ってこんな感じなんでしょうね

キャラクターが愛されるように必死に設定を練る苦しさが何となく理解しましたよ」


何故屋上に追い詰められている楽長がベラベラ話しているのか疑問に思う四人

観念したのか裏があるのか しかし安斎は今までの答え合わせが出来ると踏む


「安久谷の甘言に乗ってしまったことはまず置いといて

寺田昌治さんの真相を教えて頂けますか?」


「……寺田は私の数少ない人身売買の協力者の一人でした

今回の様に大掛かりな搬送では無く 一人一人に狙いを付け

行方不明にならないよう辻褄合わせのシナリオから構築していくんです

そしてプランが完成すれば 対象の子供を連れて行くか眠らせて移送するか

少ない内は簡単な流れ作業で何とかなったんです」


「だけど安久谷の要求はエスカレートしていった……」


「えぇその通りです なので私は先代先々代の寮母にも協力を募りました

暁風寮のほとんどは孤児の寄せ集めですしね こちらが公にしなければまず隠蔽出来る閉鎖空間です

戸籍登録などもこちらが操作しておけば 孤児を誘拐しても名簿にはそこに存在するんですから」



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