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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター4 窮途之哭
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第41話 映画の様なリアルの地獄


「外国の人がいますねぇ…… 銀髪の女性の……」


「えぇとぉ……」


鬼面川はパッケージの裏を確認する


「まさに東海林妖に御嘆願するヒロイン役の人ですね

名前はと…… メアリー・フセヴォローエベナ・ネイガウスさん ロシア人ですねぇ」


「メアリー?!」


安斎は再び映画の中に出て来る女性を凝視していた


「どうしたんです所長?」


「似てるんだこの女性…… 日本とロシアのハーフだった河上香里奈に

しかもメアリーって名前は最近耳にした

楽校の七不思議の一つに〝使われない公衆電話のメアリーさん〟ってのがあって……」


「……東海林妖に関係してくるんですか?」


「まだ分からないが……」


そして映画はエンドロールに 気付いたことはメアリー以外には見当たらなかった

ここでの収穫は十分と判断した安斎と柴塚は ロビーへと戻る最中


「ここの場所を教えてくれたのも河上だったよな?」


「プロファイリングの時も脈略無く東海林妖の話題を振りましたよね?」


「俺達を誘導した……? もう一度話を聞くべきか……」


外の景観がよく見えるロビーには何人かが屯っており

学生から老人までが勉強やら娯楽に勤しんでいた


「活用する人もいるもんだなぁ……」


「そりゃぁ来て貰う為に解放してるんですから……

図書館よりも気兼ねなく集まって貰って 地域住民の交流が深まれば幸いです」


するとテーブルでノートを開いていた学生が一人 鬼面川に近付いて来る


「チッス鬼面川さん!! 今日もコーヒー貰えますか?」


「はいはいすぐに淹れて来ますよ」


コーヒーを頼んだ学生はすぐにテーブルに戻って仲間と談笑

柴塚は鬼面川に質問する


「もしかしてサービスですか?」


「えぇ勉強頑張って貰ってますからねぇ……

ここに来る人にはお菓子などを無償で提供してるんですよ」


「……へぇ」


受付裏のスタッフルームに戻る鬼面川

柴塚は安斎の方を見るが 当人はなんと学生グループに話し掛けているではないか


「君達どこの学生なの?」


「えっ…… 県内の国立ですけど?」


「東海林妖って都市伝説知ってる?」


「知らないっすね…… お前ら知ってる?」



「「 全く 」」



安斎の隣から鬼面川がコーヒーとお菓子を運んで来た


「お待たせしてごめんね渋谷しぶや君!! 眞原まはら君と木見田きみた君も勉強頑張ってね!!」


「子供扱いしないで下さいよ…… 大学の課題ですから」


「ごめんごめん渋谷君……!! じゃぁゆっくりしてってね!!」


鬼面川はそのまま受付の方に帰って行ってしまった


「お礼くらい言ったらどうなんだ?」


「ちょっと所長?!」


安斎の一言に渋谷は不快な顔で睨んでくる

しかしその隣にいた柴塚を見て色目を働かせた


「お姉さん名前何?」


「えっ……? 柴塚久留美です」


「俺らとあんま歳変わんないでしょ? これからカラオケでもどうよ?」


「はぁ…… お断りします」


「ヘヘヘ…… 保護者同伴じゃぁノリにも乗れねぇよな

これ俺の電話番号だからいつでも掛けてよ」


「はぁそうですか……」


メモ紙を一応受け取る柴塚

隣の安斎は無視されたことに心中穏やかではない


「じゃぁそろそろ帰りますか所長」


「そうだな…… 勉強の邪魔して悪かった」



「あんまり過保護し過ぎるなよオッサン!!」



シェルドホクインホールを出ようとする安斎

自動ドアが閉まるなり軽い舌打ちを鳴らす


「俺もあんな時期があったなぁ……」


「プライドの高い若者が通る道ですよねぇ……」


「……お前の親父ともあんな感じで殴り合いになったっけ」


「私より良い思い出を作っていて羨ましいなぁ……」


駐車場のど真ん中を歩く二人

その端からコソコソと壁伝いに歩いて行く複数の男性の群れ

安斎達はその不審な人間を目の端で捉えていた


自動ドアが開け放たれれば 課題のレポートをまとめている渋谷達の周りを囲う


「えっ……?! なっ何だお前ら?!」


「よぉ…… 久し振りだなぁ渋谷」


「お前…… 建守かぁ?!」


バットや廃材を持って脅しを掛ける輩の中には

渋谷と知り合いらしき建守颯颯の姿が在った


「中学と高校…… 俺が就職してからも巻き上げた金で大学生活を謳歌してるか?」


「おぉおいこいつら何なんだよ颯颯はやて!?」


「正義の味方だよ…… 俺の救いのヒーロー達だ」



「やっちまっていんだよなぁ建守ぃ?!」



渋谷の隣にいた眞原の首を掴んで持ち上げる偉丈夫

建守の仲間だと言うチンピラは 躊躇い無く眞原の頬に拳をめり込ませた


「なっ…… 何してるんだお前ら?!」


遠くで将棋だのお茶を飲んでいた老人達が出張ってくるが

壁に飛んでくるバットに怯んで その場に尻餅を着いてしまった


「ヒィィィ……!!」


「黙ってろよジジババ共が……」


建守が老人達に倒れた眞原を引き摺って目の前に置いて見せた


「こいつは…… あそこにいるアイツらは……

俺に暴行・暴言・カツアゲ……

挙げ句の果てには好きだった子と共謀して 偽告白して楽しんでたイジメ加害者なんだぞ?」


「「「「「 っ…………!!!? 」」」」」


「何でこいつらを守るんだ……? 何で俺を守ってくれないんだ?!!!」


壁に何度もバットを叩きつける建守に周りは勿論

受付台の下で縮こまってる鬼面川も震え上がっていた

その間にもチンピラ達は 渋谷と木見田らをフルボッコにしている


「オェェェ……!! モウ…… モウ許ヒデクラハイ……!!」


「おらもっと声出してみろやぁハハハ!!」


情けなど一切掛けないチンピラの一人は 血と涙で染まる渋谷の顔を蹴り上げた

戻って来る建守も持っているバットで渋谷の背中を叩きまくる



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