5日目
目の前を猛スピードで通り過ぎていく、ジェットコースター。その奥にそびえ立つ、観覧車。そして周りを囲むように建設された、メリーゴーランドやコーヒーカップなど。軽快な音楽を背景に、それらは人々を乗せて、くるくると園内を動く。
「兄ちゃんっ! 俺、メリーゴーランドに乗りたい!」
「その歳になってか!? まぁ、構わないけれど」
本来あるはずの学校を休まされ、俺達は伯父に、遊園地へと連れられていた。
理由は、詳しく教えてくれない。気晴らしにどうだ、と、朝一番で家へ来た伯父に言われ、半ば強制的に引っ張られた。
「兄ちゃん、夜になったら観覧車乗ろうね!」
遊園地に着く前から、ずっと笑顔を崩さずにいた陽太。行くと決まった瞬間、飛び跳ねて喜んだのも陽太だ。
「勿論。でも、揺らすなよ?」
「大丈夫だよ!」
本当に大丈夫なのか心配になるが、陽太の笑顔を目に入れると、揺らされても良いか、と諦めてしまう。
俺達を誘った伯父は、特に何の乗り物にも乗らず、俺達の後ろを黙って着いてくるだけだった。
何か企んでいるのか、とも考えたが、気晴らしにと誘ったのだから、俺達2人だけが楽しく遊べば良いのかもしれない。
「陽太、次はジェットコースター乗ろう!」
「乗る乗る!」
それに、陽太が楽しめるならそれで良い。陽太という名前のように、太陽のような笑顔が見られるだけで、俺は満足だった。




