第二章:二つの都市、異なる対応
【東京】
山手線 7:15
「ただちに全駅のホームを封鎖します。どなたも山手線ホームには近づかないでください」駅の放送が響く。
テレビカメラが次々と集まり、ヘリコプターが上空を旋回。わずか15分で、山手線沿線はゴーストタウンと化した。
車内では、冷や汗を流す乗客たち。
「トイレは...どうするんだ?」
「心配ありません、この車両にはトイレが設置されています。」
それでも、乗客の表情は暗い。「家族に連絡を...」「会社には...」
【大阪】
環状線 7:20
「せやかて、このまま永遠に止まれへんかったら、どないすんねん?」大学生風の若者が問いかける。
「そりゃ、乗ったもん勝ちや!」中年のおばちゃんが笑う。
「トイレあるし、食い物さえあればずっといけるわ!」
「そや!朝からビール飲んで帰ったらええわ!」
環状線の乗客たちのノリノリな声がSNSで拡散。「#環状線永久乗車券」「#10億円よりビール」などのハッシュタグがトレンド入り。
桜ノ宮駅に近づくと、いつもなら閑散としているはずのホームに、人だかりができていた。
「おーい!受け取ってや!」
次の瞬間、窓から缶ビールが投げ込まれた。
「おおきに!」と受け取った会社員。
「ビール足りひんわ〜」と誰かが呟くと、次の駅では数十人がビールケースを持って待機していた。
「せーの!」かけ声とともに、次々とビール缶が窓から飛び込む。




