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第42話〜神龍ロキ

「連れてきた……とはちょっと違うかな。留めているって言ったほうが良いね」



何を言ってるんだこいつは。



「入って来た……この世界を創ったのは君なんだよ」



「は?」



「ははは。そうなるのも無理は無いよ」



普通こういう時は相手のペースにはまってはいけない。

そんなことはよく理解している。

作り話の可能性もあるからだ。



「お前。この世界って言ったか?」



しかし、こいつの口から出たのは「この世界」という単語。

これは俺やその他の異世界勢しか理解することのできない言葉だ。


どういう事だ?



「お前は何を知っている」



「もぉ、そんな怖い顔しないでよ」



「そうか、あの女はどうした?」



「あの女……あの女……どこだろうね」



知らないわけは無い。

あえて隙だらけで陽気な雰囲気を出しているが油断してはいけない。



「ふざけるな」



「ははは、からかってごめんね。で、これの事でしょ?」



警戒している俺にさらに追い討ちをかける様に周りに光をまとわせる。

それはやがて目の前の男が見えなくなるまで姿を覆い、一瞬で弾ける。



「ーーーッ」



「確か名前は……いいや忘れちゃった」



身長は急激に縮み、声の高さも女性のものとなった。いや、あの夜聞いた声、姿と同一のものに見えた。


どういう事なんだ……奴隷オークションで獲得したあの女はこいつ自身でだったのか?

だったら何で教会にいるといい去って行ったんだ?

効率が悪い。

本当にこいつが変装していたのなら何故その場で俺に声をかけなかった?



「ああ、君が思っている事はよ〜く分かるよ」



「じ、じゃあ答えてみろ!」



「タイミングが悪かったんだ。本当なら僕が直接接触してはいけなかったんだよ」



「それだけの事で教会を指定したのか?来るかも分からないのに?」



「来なかったらそれまで。君は今日で死んでしまう」



死んでしまう?毒か何かか?

体に異常は見られないし呼吸も安定している。心拍も安定してるし毒は考えられない……と思う。

効果がまだ出てないだけかもしれないが。


だとすれば魔法か?呪いか?

多分それが1番現実的かもしれない。



「……どんな呪いなんだ?」



「呪い?何か勘違いしている様だね」



「勘……違い?」



「そう。死ぬのは君で君じゃない」



……わけが分からない。

遠回しに遠回しに話を進めてくる。

こいつは色々情報を持っている。何か聞き出せそうで聞き出せないのがもどかしい。


そんな俺を見てあざ笑う様に深々とお辞儀をする。



「ははは、詳しい事は私の住まいで」



「住まい?どこに行く気だ?」



「僕の住処。龍の住む森だよ」



そう言うと次は黒い霧がこの教会ごと包み込む。

その霧は光の時とは違いその霧自体がやつの骨肉となり様々な部位を形成していく。



その黒き渦は瞬く間に膨れ上がっていき、巨大な獣の姿へと変わる。



「何だよ……これ」



酷く低くなった声で俺の問いに答える。



「これが僕の姿。この世界の神の姿だよ」



その姿はまさに神話に出てくる様な黒いドラゴン。教会にある椅子や壁はその巨体のせいでウエハースの様にボロボロと崩れていく。



「おいおい妄言もいい加減に……」



「何と言おうと付いて来てもらう。君には時間が無いからね。僕もだけど」



「グリム!」



「……zzz」



ゆっくり横を見てみる。

そこにはこんな状況にもかかわらず気持ちよさそうに寝息を立てているグリムが座っていた。


ありえねーだろ!



「おい起きろ!」



思いっきり揺らしてみるが起きる気配がしない。



「無駄だよ。今は僕が眠らせているからね」



「ふっ、本当に何者だよ」



「神様」



肩の力を抜き、戦う事を諦める。

こいつが強い事は震える空気から伝わってくる。

今の俺では勝てない。



「分かった。どこへでも連れて行け」



「喜んで」



短い腕でガッシリと全身を掴まれる。

多少苦しいが仕方ない。



これから龍の住む森へ向かう事となるのだから。








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