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第2363話 奈々美も考える

こちらは奈々美。


 ☆奈々美視点☆


 3月10日の木曜日よ。

 渚もバレーボールの先の将来について考えて行動を開始した。

 皆、先の事まで考えてて偉いわねー。


「そんな中、私はバレーボール引退した後どうするか何も考えてないわけよ」

「んむんむ。 パフェ美味しいねぇ!」

「話聞いてる?!」


 緑風のバイトのシフトに入っている私と、毎日のようにパフェを食べに来る亜美。

 フロアに出て亜美と駄弁ってるわけだけど。


「んむ。 聞いてるよ。 奈々ちゃんも考えてないわけじゃないでしょ。 現に今こうやって悩んでるじゃん。 んむんむ。 美味しいねぇ!」

「一口毎にやらないとダメなの?」

「美味し過ぎて一口毎に出ちゃうんだよ」

「何年も食べてるのに、今更新発見ってわけでもないでしょ」

「まあ、そうだけど。 でも、季節毎にトッピングされるフルーツが変わるのは中々に楽しめるんだよ」

「まあ、それはわかるけど。 てか、それでも数回食べたら飽きたりしない?」

「飽きるわけないよ?! パフェだよ?!」

「亜美にとっては白米みたいな物なのね……」

「んむんむ」


 亜美は、相変わらず満面の笑みを浮かべながら幸せそうにパフェを頬張る。


「んで。 奈々ちゃんは将来の選択肢としてはどんなものがあるの?」

「今の候補としては専業主婦、温泉施設の経営、雑誌モデルとかかしらね」

「歌手はやっぱり無いんだね」

「歌は好きだけど、仕事にするのは嫌」

「わかるよ。 私も人に勉強を教えたりするのは好きだけど、教師にはなる気が無かったし」

「好きを仕事にするのは大変よね。 宏太は動物好きを仕事にして楽しんでるけど」

「だね。 渚ちゃんも好きな事を仕事にしようとしてるし」

「それを言ったら、亜美の小説家はどうなの? あんた本好きじゃない?」

「読むのは凄く大好きだけど、書くのが凄く好きってわけでもないよ? 最初だって興味本位で書いたやつが何だか知らないけど大ヒットしちゃっただけだし」

「興味本位で伝説生まないでほしいわね」

「あはは……そだね」

「はあ……温泉施設の経営、考えてみようかしら?」

「そっちなの?」

「モデルとか、メディアに露出する系はやっぱり避けたいかしらね」

「んむんむ。 なるほどなるほど」


 亜美は「温泉施設の経営ねぇ」と、考えるような仕草をする。


「西條グループにはスパ施設のチェーン店があるから、紹介しようと思えば簡単に紹介出来るよ」

「まあ、そうでしょうね」

「うん。 ただ、各店舗にはもうちゃんとした店長さんがいるからねぇ。 新しく出店する事になる店舗を紹介するって感じになるけど」

「私と同じ感じですかー?」


 カウンターを拭き掃除しながら話しかけてきたのは三浦さんよ。

 この夏にはサイジョーカフェ☆☆支店の店長になる事が内定しているわ。


「そうね」

「スパ施設の経営とカフェ経営はだいぶ違うけどね」

「ですよね。 設備とかのメンテや保全、従業員数やら何やら規模が大きいですもんね」

「やるにしても勉強する事が多そうね」

「本当にやろうと思うなら、準備に動くのは早い方が良いよ? まあ、近くに新しい店舗を建てる計画があるわけではないけど」

「そうなのね?」

「うん。 やる気あるなら、今ある店舗の見学とかなら可能だよ?」

「スパ!」

「遊びに行くんじゃなくて、見学だよ……」

「うっ」


 スパ施設経営の見学か。

 確かに、将来やろうって話なら見学に行くのはありよね……。

 見学する事で、何か決定打があるかもしれないし。


「見学するわ」

「おお。 前向きだねぇ。 それじゃ奈央ちゃんに話をしておくよ。 詳細は決まってから連絡するね」

「ええ」

「んむ。 ご馳走様でした。 それじゃあ早速奈央ちゃんに話をする為に、『皆の家』に行くよ。 またね」

「また後でね」


 亜美はパフェを食べ終えて、満足そうな顔で店を後にした。


「お姉ちゃんも何処かに修行に行くのー?!」


 話を聞いていたらしい麻美が、半べそをかきながら騒ぎ始めた。


「行かないわよ……話聞いてた?」

「聞いてたー」

「ちょっと職場見学ってやつよ」

「なら良いかー」


 麻美はケロッと泣き止んで仕事を再開し始める。

 麻美は実は寂しがり屋なのよ。


「奈々美さんも経営者の道を目指すんですね」

「まだ決めてないけどね。 見学すれば気持ちも固まるかもしれないわ」

「見学の結果次第って事ですね」

「そうね」


 まあ、決めたからって簡単になれるもんでもないでしょうけど。



 ◆◇◆◇◆◇



 バイトを終えて、とりあえず「皆の家」に顔を出してみる。

 リビングには亜美と奈央の他にも紗希に天堂さんや星野さん、マリアに渚の姿がある。


「なははー。 ただいまー」

「ふう……美夜は大人しくしてた?」

「大合唱に参加してましたよ」


 マリアが無表情のままそう答える。

 まあ、そうでしょうね。

 日に数回は必ず大合唱があるから。


「夕ちゃんもお疲れ様だよ」

「おう」

「奈々美。 亜美ちゃんから聞いたわよ」

「そう。 で、見学は可能かしら?」

「ええ。 土曜日に予定を入れたわ。 大丈夫そう?」

「大丈夫よ」


 さすがは奈央ね。

 昼前ぐらいに話を聞いて、もう見学の予定まで決まってるわよ。

 仕事の早い事。


「きゃはは。 スパ施設の見学とか奈々美らしいわね」

「まあ、どうせやるなら好きな場所で働きたいとは思うわね」

「そやけど、スパとかみたいな大型施設の経営て大変そうやないですか? 和菓子屋やるんとは規模がちゃうでしょうし」

「ですわね。 そう言った詳しい話も見学の時に聞けば良いですわよ。 無理そうならやめるって判断も出来るし」

「そうね」

「結構な専門知識も必要みたいですね。 今調べてみてるんですけど」


 星野さんはスマホ片手に色々と調べているみたいね。


「まあ、西條グループのスパ経営にはコンサルが付きますから、経営補助は整ってますわよ」

「なるほど……いや、よくわからないけど」


 やっぱりやるとなったら色々と勉強は必要になりそうね。

 そういうのってどういう勉強すれば良いかわからないけど。


「とにかく、まずは見学してからね。 まだやるって決めたわけじゃなし」

「ですわよ。 気楽に見学すれば良いですわよー」


 とりあえず土曜日ね。


「経営ねー。 私もいずれは独立して自分のアトリエ持つのか夢だし、いつかは勉強しないといけないわね」

「なんか、皆最終的には経営者になろうって人多くないか?」

「遥ちゃん達も、個人のリハビリ施設をとかって言う話だしね」

「なはは! 凄い集団だー」

「本当ですわね」

「その中でもトップの奈央が一番やばいわよん」

「西條グループ次期総帥だもんねぇ」

「おほほ」


 奈央も近い内に西條グループのトップに立つのよね。

 きっと大変なんだろうけど、奈央なら何とかしちゃうでしょう。

 亜美もいるし。

 私も土曜日には何か変わってるかしら?

奈々美も将来に向けて動き出す。


「希望だよぅ。 奈々美ちゃん頑張ってー」

「まだどうするかわからないわよ?」

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