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第2355話 オフコラボ前夜

こちらは紗希とVドルの部屋。

 ☆紗希視点☆


 お風呂から出て寝る事になった私。

 酔っ払ってたけど、お風呂入ったらだいぶ落ち着いたわ。

 せっかく風花ちゃんとつづみちゃんが来ているわけだから、今日は私も客室で一緒に寝ようと思うわけ。

 当然真希と美希も一緒よん。


「あー」

「うー」

「可愛い」

「風花お姉ちゃんでちゅよー」

「きゃはは。 風花ちゃんはもう完全にお姉ちゃん気分ね」

「私だって神崎紗希の娘だもん」

「それはそうだけど」


 花風風花ちゃんのVドルとしての身体をデザインしたのは、何を隠そうこの私。

 界隈ではVドルのキャラクターデザインをしたイラストレーターさんやデザイナーさん達は、「〇〇ママ」や「〇〇パパ」と呼ばれる事が多く、デザイナー側も「娘」や「息子」として接する事が多い。

 実質親子みたいな関係なのよ。

 だから風花ちゃんは、真希と美希のお姉さんとも言えるわけね。


「大きくなったら、真希ちゃんと美希ちゃん混乱しないっすか? 歳の離れた血の繋がらない姉がいるーって」

「まあ、それがわかるようになる頃には説明すれば理解してくれるわよん」

「そうそう」

「この親子、楽観的だなぁ……」


 つづみちゃんはちょっと呆れたようにそう言うのだった。


「つづみちゃんはどうしてVドルになったの?」

「私ですか? うーん。 元々配信者みたいな事をやってたんですけど、ある時スカウトされまして」

「おおー、スカウトとかあるのね」

「あるみたいですね。 私は普通にオーディション組ですけど」

「オーディションとかあるのね」

「はい。 たまに募集してますよ。 〇期生募集中! みたいな」

「へー」


 まあ、私は別に企業勢Vドルにはなるつもりないけどさ。

 私はキャラクターデザイナーとして独立して自分の会社を作る野望があるし。


「紗希ママ。 それより、明日のオフコラボ本当にあれやるの?」

「まあパーティーゲームの定番っしょ」

「そうですけど。 やったことないですよ」

「私もやった事ないわね」

「えぇ……」

「でも、Vドルのオフコラボ配信でたまーに見かけるし、需要はあるっしょ」

「まあ、やるだけやってみましょうか」

「しょうがないなあ……」


 あの広いスタジオだし、3Dトラッキングも出来るし、多分何とかなるっしょ。


「う、う……」

「あ、始まる」

「まさか?」

「双子のアンサンブルよ」

「うわーん!」

「ぎゃーっ!」

「本当に釣られて泣くんだ」

「凄いですね……」

「きゃはは。 真希、よちよち良い子ねー」

「よ、よーし! 美希ちゃん、風花お姉ちゃんだよー、よちよちー」


 と、私が真希をあやすのを見て見よう見まねで美希をあやし始める。

 おお、これはお姉ちゃんだわ。


「風花ちゃん頑張れっすー」

「美希ちゃん、良い子ねー。 ねんねんころりよー」

「さすがVドル。 良い声で子守唄歌うわね」

「歌うのが本職なのですよ」

「うっ……うっ……」

「お、美希ちゃん泣き止んだ」

「やった!」

「おお、やるわね。 さすが風花お姉ちゃんね」

「自己肯定感高まるぅ……」

「子供あやすの得意なの?」

「いや、初めてで」

「おお、ママの才能あるんじゃない?」

「ええっ? ママになる予定なんか当分無いけどなぁ」

「きゃはは」


 何とか真希美希を泣き止ませて寝かしつけた私達。 

 また泣き出すかもしれないけど、とりあえず今は落ち着いたわ。


「母親って大変なんすねー……」

「大変なのよ」

「私も今のは緊張したよ……」

「ありがとね、お姉ちゃん」

「くぅーっ……お姉ちゃん……良い響き」


 何か、やたらお姉ちゃんっていう言葉に感銘を受けてるわね。


「お姉ちゃんに何かあるの?」

「あ、うん。 実は私、3人姉妹の末っ子なんですよ。 なので姉というものに憧れてまして」

「ああ、なるほどね」

「よくある話だ」

「私がお姉ちゃんでちゅよー」


 風花ちゃんの顔はとても優しくて、本当のお姉ちゃんになったみたいに見えた。



 ◆◇◆◇◆◇



 翌日の朝よーん。


 私達台所組は、仕事組の為に朝早くに起きて朝食を用意しているわ。

 風花ちゃん達も手伝うと言ってくれていたけど、お客さんに手伝わせるような事は出来ない為、姉として真希と美希の相手をしておいてとお願いしといたわ。


「風花さん、すっかり真希ちゃん達のお姉さんだねぇ」


 亜美ちゃんがお味噌汁を作りながらニコニコしている。


「きゃはは。 何か、三姉妹の末っ子らしいわよ。 だから、お姉ちゃんというのに憧れてたみたい」

「おお、なるほどねぇ」

「私は姉だけど、妹いると割と大変よ」


 奈々美はそう言う。

 まあ、麻美みたいな妹がいると大変ではあるだろう。

 特に小さな頃は苦労させられたでしょうねー。


「私はお姉ちゃんだけど、苦労した事ないよ?」

「希望は出来た妹でしょうが……」

「つまり、姉の苦労は妹の出来によるんですね」


 マリアは核心をズバッと突いていく。

 奈々美は「そういう事ね」と、ズバッと切る。


「苦労させられても可愛いくせに」

「うっさい」


 姉妹にも色々な形があるという事ね。

 真希と美希、それと風花ちゃんはどんな関係を築いていくのかしら。



 ◆◇◆◇◆◇



 仕事組を送り出した後は、他のメンバーで集まって朝食を食べる私達。


「お、美味しいー!」

「こ、これが朝ご飯ですか?!」

「んむんむ。 そうだよ? 最高級鶏卵を使用した目玉焼きに、最高級の赤味噌を使った味噌汁だからねぇ」

「このお魚も最高級の物ですわ」

「さ、最高級品の朝食……」

「わ、私もう普通の朝食食べられないかもしれない……」

「なはは!」

「やはり普通の人にはここの食事は刺激的過ぎるんですよ」

「きゃはは。 まあ、存分に食べたまえ」

「はい!」


 Vドル2人は凄い勢いで朝ご飯を食べる。

 凄いわね。


「お味噌汁おかわりあるよぉ」

「おかわりお願いします!」

「つづみちゃんは良く食べるわねー」

「なはは」


 そして風花ちゃんはやはり少食みたいね。

 朝も程々にしか食べていないわ。


「んむんむ。 ところでオフコラボ生配信、何時からなの?」

「ん。 20時よん」

「じゃあ早めに夕飯食べないとだねぇ」

「そうねー。 早めに準備して食べないとね」

「でも、あまり食べ過ぎると大変かもです」

「だね……」

「一体何をするつもりなんですの?」

「まあ、雑談とちょっとしたゲームです」

「割と定番なゲームですよ」

「うーん。 何だろう? 想像がつかないけど」


 と、亜美ちゃんも考えているが見当もつかないみたいね。


「面白い画になると思うので、本当にお楽しみにしておいてください」

「っす」

「だねぇ。 楽しみにしてるよ」


 オフコラボ配信の期待度は皆だけではなく、風花ちゃんとつづみちゃんのファンの間でも高まっているみたいね。

 配信予定地には既に数千人の待機勢が居るみたいだし、SNSの方でもトレンドに上がってきている。

 今日のオフコラボ配信、絶対に盛り上げてやるわよー!

オフコラボの時間まであと少し!


「亜美だよ。 もう少しだねぇ。 一体何をするんだろ?」

「ふふふ。 お楽しみに」

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