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第2354話 お風呂でお話

Vドル2人とお風呂に入る亜美達。

 ☆亜美視点☆


 弥生ちゃんの誕生日パーティーが終わり、私はVドル2人、紗希ちゃん、奈々ちゃん、マリアちゃんのメンバーでお風呂に入りに来たよ。


「きゃはー……ちょっと酔いが覚めてきたかも」

「紗希ママ大丈夫?」

「大丈夫大丈夫」

「紗希ちゃんは酔うといつもああなるからねぇ」

「本当、私達女性陣はまだ良いけど、男性陣もいるんだからもうちょっと気を遣いなさいよね」

「お酒の量を抑えればへーきなんだけどさー。 宴会になるとブレーキ出来ないのよねー」

「普段は飲まないんですか?」


 風花ちゃんが訊くと、紗希ちゃんは「普段は飲まないわよー」と、答える。

 私達は基本的に、今日みたいな宴会でもない限りお酒を飲む事はない。

 その辺でしっかりバランスは取れているのである。


「Vドルの2人は、晩酌配信の頻度ってどうなの?」

「きゃは。 私が追ってる感じあんまりないわよね?」

「私やつづみちゃんは3ヶ月に1回ぐらいですかね」

「だねー。 でも、頻度の多い子は月に1回とか3回とかの子もいますね」

「アイドルなんだよね?」

「まあ、一応アイドルで売ってはいますけど、配信スタイルは割と自由ですよ。 よほどアイドルのイメージを損ねる内容で無ければ何も言われないです」

「結構緩いんですね……」

「ですかね」


 Vドル業界にも色々な事務所、色々なVドルがいるのだとか。

 中には結構アダルトな方面に振っている事務所もあるらしい。


「バーチャルアイドルって言ってもさ、もうテレビに出てるような有名人と何ら変わらないわよねー? 事務所に所属するタレントで、歌やダンスの稽古をして、沢山のファンがいる」

「確かに変わらないかもです」

「中には個人でやっておられる方もいますね。 それこそ紗希ママも個人勢だし」

「え、私ってVドルの枠に入るのん?」

「アイドルっていうと違いますけど、ネットでバーチャル体を使用して配信してるので大枠ではそうなるかな?」

「きゃはは! 私、いつの間にかVドルにもなってたんだけどー!」

「びっくりね」

「あはは。 基本的にデザイナー系の動画しか出さないのにねぇ」

「よねー」


 ちなみに紗希ちゃんのチャンネルは、風花ちゃん達スターガールズのメンバーと絡む関係でかなりの登録者素がいる。

 確か今でも30万人ぐらいいるのかな?

 中には紗希ちゃんのようなキャラクターデザイナー志望のリスナーさんもいるらしいよ。


「佐々木さんなんて、歌声綺麗だしVドルやれると思いますよ」

「……」

「奈々ちゃん。 奈々ちゃんの事だよ」

「え? あぁ、佐々木って呼ばれ慣れないから全然気付かなかったわ。 宏太が居るわけないのにとか考えてた」

「あ、あはは。 いつも下の名前か旧姓で呼ばれるもんねぇ」

「そうね。 私がVドルねぇ。 歌ったりするのは好きだけど、義務で歌うのは違うわね」

「ああ、わかります。 実際そういう子も居て辞めた子も居ます」

「結構入れ替わりが激しい世界なんですか?」


 マリアちゃんも割と興味があるのか、話に入ってきたり質問したりしている。

 かくいう私も、知らない事が色々知れて満足している。


「多分、下層って言うと言い方悪いかもしれないですが、伸びない人はすぐ辞めちゃいますね。 私達みたいなある程度大きな事務所に所属してるような子はまた違いますけど」

「違うとは?」

「事務所のやりたい事と、Vドルのやりたい事の方向性の違いとか、多忙で身体を壊したりしちゃったりとかで辞めていく子が多かったりしますね。 私は割とのんびりやってるし、事務所にも今のところ不満は無いですけど」

「風花ちゃん辞めないでねー! 紗希ママ寝込んじゃうわよー!」

「い、今のところ大丈夫だよ、紗希ママ」


 Vドルの業界も中々難しいみたいだ。

 ちょっと前までは個人で好きにやっている程度の界隈だったみたいだけど、色々な企業が目を付けて一気に肥大化。

 企業があの手この手で鎬を削るようになり、一大ムーブメントを巻き起こしている。

 Vドルと呼ばれる人達は、今や万単位で活動しているという。

 リアルの芸能界より厳しい世界なのかも知れない。

 風花ちゃん達には頑張ってほしいものである。



 ◆◇◆◇◆◇



 お風呂から出てリビングに行くと、パーティーの飾り付け等はそのままに、テーブルの上の食べ物や飲み物だけが片付けられていた。

 残っていたメンバーで片付けたのだろう。

 簀巻きにされた麻美ちゃんと奈央ちゃんは、その場でスヤスヤと眠っている。


「私、いつもあんな感じなの?」


 紗希ちゃんが引き攣り笑いしながら私達に確認してくる。


「まあ大体あんな感じだけど、あんたの場合は更に全裸状態よ」

「きゃはは……」

「紗希ママ、ちょっと大胆過ぎ無いですか?」

「酔い潰れると記憶無くなるのよねー……」

「やはり、お酒の量はセーブした方が良いですよ、神崎先輩」

「そ、そーねー。 次からは気を付けてみるわ」


 さてさて、本当に大丈夫だろうか?

 次の宴会が楽しみである。


「風花ちゃんとつづみちゃんは客室で寝るのよね?」

「はい。 広い広い客室で」

「私も客室で寝よっかなー」

「おお! 紗希ママも一緒に?!」

「真希と美希も一緒になるから、夜泣きしちゃうかもだけど大丈夫?」

「夜泣き、結構するんですか?」

「どっちかが泣くと合唱するから、かなりの確率で夜泣きするわよん」

「大丈夫大丈夫っ!」

「つづみちゃんが大丈夫なら私も大丈夫です」

「きゃは。 じゃあ今日は私も客室で寝るわ」

「らじゃだよ。 おやすみ」

「おやすみなさい」

「おやすみっす」

「おやすみーん」


 紗希ちゃん達と別れた私と奈々ちゃんとマリアちゃんは、リビングに横たわる巨大イモムシ……もとい、簀巻きになった麻美ちゃんと奈央ちゃんの縄を解いて、布団を広げて簀巻き状態から解放してあげる。

 あとは掛け布団を掛けておけば風邪を引く事はないだろう。


「なはー……すぴー」

「ですわよー……すぴー」

「気持ち良さそうに寝てるわね」

「目が覚めたら勝手に自分の部屋に戻るよ」

「ですね」


 目が覚めなかったら朝までここで寝ている事もあるけどねぇ。


「さてと。 私達ももう寝ちゃおうねぇ……明日も平日。 朝から朝ご飯作って仕事組を送り出さなきゃだし」

「ですね」

「そうね。 じゃあおやすみ」

「おやすみなさいだよ」

「おやすみです」


 奈々ちゃん、マリアちゃんと別れて寝室へ向かうよ。

 夕ちゃんの寝室だけどねぇ。

 多分、マロンとメロン、それに美夕も夕ちゃんの部屋で寝てるはずだからである。

 夕ちゃんの部屋は、私がいつでも入れるようにストッパーをかけて半開き状態にしてくれている。

 このお屋敷、個人の寝室に入るにはその人の入館証が必要なので、仲間内でも勝手に部屋に入れないのである。

 一応奈央ちゃんがマスターキーを管理しているので、緊急時等はそれで開く事も出来る。


「夕ちゃん、もう寝た?」

「ぐがーっ……」

「うん、寝てるねぇ!」


 今日もイチャイチャはお預けである。

 美夕が産まれてからはちょっとご無沙汰だねぇ。

 まあ、育児とかで大変だし、間違って2人目が出来ても困るんだけどね。

Vドルの色々な話を聞けて満足な亜美。


「遥だ。 私は詳しく知らないけど、大変なんだな」

「みたいだねぇ」

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