表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2317/2379

第2313話 2人の関係

1日の家事分担を決めている今井家。

 ☆夕也視点☆


 1月11日の水曜日だ。


「夕ちゃんは今日は買い出しと洗濯をよろしくね」

「おう」

「私は?」

「希望ちゃんはお仕事頑張ってね!」

「家事はやらなくても良いの?」

「うん。 大丈夫だよ」

「はぅ」

「希望は幼稚園児の相手をして疲れて帰ってくるんだし、帰ってきたらのんびりしてれば良いんだよ」

「わかったよぅ」


 希望は休みの日は家事を手伝うが、平日はいつもこんな感じだ。

 何か手伝いたいのだろうが、そこまで手が回らないというわけでもない。


「さて。 先に洗濯物を洗濯機に放り込んでから買い出しに行きますかね」

「そっちは任せるよ。 希望ちゃんはお仕事行ってらっしゃい」

「いってきますぅ」


 希望を見送ってから俺も洗濯へ向かう。

 さて、サクッと終わらせて買い出しだ。



 ◆◇◆◇◆◇



「じゃあ行ってくらぁ」

「お願いねぇ」


 亜美に必要な物を聞いてから買い出しへと出かける。

 玄関から外に出ると、偶然にもお隣さんも出かけるところだったようだ。


「あら夕也じゃない? 何処か行くの?」

「買い出しだ。 奈々美は何処行くんだ?」

「同じく買い出しよ」


 奈々美もどうやら買い出しらしい。


「そうか。 じゃあな」

「ちょっと待ちなさいよ」

「何だよ? 俺は買い出しに行かなきゃならんのだが?」

「だから私も買い出しだって行ってるでしょうが」

「だから何だよ?」

「一緒に行くのよ」

「……しゃあないな」

「んじゃ行くわよ」

「へいへい」


 全くしょうがない奴だ。

 1人で買い出しも出来ないのかこいつは。


「あんた、今失礼な事考えたでしょ?」

「何の事だか」

「買い出しぐらい1人でできるに決まってじゃない。 せっかく目的が同じなんだから一緒に行きましょって話よ。 わかる?」

「へいへい」

「なんかムカつくわね」


 奈々美は「まあ良いわ」と、小さく溜め息を吐きながら隣を歩き出す。


 俺達が住む街で買い物をしに行くとなると、専ら駅前の辺りまで行く事になる。

 駅前にはスーパーがあり、駅前商店街に入れば八百屋や肉屋、魚屋等の専門店もあるのだ。

 田舎街な方とは言え、その辺が充実しているのはありがたいところだ。


「今井家の夕飯は何なの?」

「ふむ? メモを見た感じ……何だろうなこれ?」

「どれどれ」


 俺が手に持っているメモを横から覗き込む奈々美。

 無駄に近いな……。


「ふうむ……餃子ね」

「餃子? 餃子なんて冷凍のやつ買えば良いだろ?」

「まあ私はそうするけど、亜美はいつも手作りよ?」

「知らなかった……」


 今井家で食べる餃子は亜美のお手製だったのか。

 あいつも無駄に拘りが強いよな。


「後はワンタンスープと棒棒鶏(バンバンジー)かしら。 中華ね」

「なるほどな……。 ところで顔が近いんだが?」

「ん? 別に良いじゃない? 何を今更恥ずかしがってんのよ?」


 メモから離れていつもの距離感に戻る。

 奈々美は結構距離感バグってるな。


「幼馴染なんてこんなもんでしょ?」


 と、今度は腕を組んでこちらに身体を預けてくる。


「おい。 これはさすがに幼馴染の距離感では無いだろ?」

「そう? これぐらい幼馴染なら普通じゃない?」


 腕組んで歩くのはもう恋人以上の距離感だと思うのだが……。

 奈々美の中ではそうでもないのだろうか?


「大体、私達ってその辺の幼馴染より深い関係でしょ?」

「そうか?」


 深い幼馴染ってなんだ?


「キスもしたしアレだって何回かしたわよ? ほら、普通の幼馴染がそこまでする?」

「しないな?!」

「でしょ? 何なら今でもキスとかアレ出来るわよ?」

「お前、旦那いるだろうが。 俺にももう奥さんいるんだが?」

「でも出来るわよ?」

「はあ……この話はもう終わりな」

「わかったわよ」


 奈々美は一体何を考えてんだか……。



 ◆◇◆◇◆◇



 駅前に到着し、まずはスーパーで買い物をする事にする。

 肉や野菜は後で駅前商店街にある専門店で、新鮮な物が安く手に入る。

 だから、スーパーではそれ以外の物を買う事になる。


「なあ、何でついて来るんだ?」

「え? あんたを監視してんのよ。 ちゃんと目的の物を買えるかどうか」

「お前、俺をバカにしてるだろ? 宏太じゃないんだからそんなバカなわけないだろ?」

「比較対象が世界の最低辺の時点でたかが知れてるわよ」

「お前、自分の旦那に対してあまりにも辛辣な評価を下すんだな……」

「事実だし」


 宏太よ、お前は本当にこいつと結婚して良かったと思ってるのか?

 今頃「ゆりりんか前田さんにしとけば良かった」とか後悔してるんじゃないだろうか?


「あんた、今失礼な事考えたでしょ?」

「何の事だか」

「顔に出てるっつーの。 本当、ポーカーフェイスの出来ない男ね」

「ポーカーフェイスしてるつもりなんだが」

「そんなんだからババ抜きでいつも麻美と最下位争いすんのよ」

「関係無いだろ……おっと、麦茶パックと……」


 奈々美とバカみたいな会話をしながら、必要な物を買い物カゴに放り込んでいく。

 奈々美はそんな俺を見て「ふむ。 買い出しぐらいは余裕で出来るのね」と、小さく呟く。

 やっぱり俺の事をバカにしてやがるな。



 ◆◇◆◇◆◇



 スーパーで買い物をし終えた後は、駅前商店街へ足を向ける。

 肉屋と八百屋が目的地となる。


「何処までついて来る気だよ?」

「目的地が一緒なんだから仕方ないでしょ?」

「肉と野菜買うのか?」

「ロールキャベツにするんだもの。 肉と野菜いるでしょ」

「そらそうだ」

「何? 私と歩くの嫌なわけ?」

「嫌じゃないが、何か見張られてるみたいでやりにくいんだよなあ」

「監視してるもの」

「さっき言ってたな……」

「もう忘れたとか、やっぱりバカじゃない」

「うるせぇ」


 そうこうしてる間に八百屋に到着。


「おう、らっしゃい! お? 夕坊に奈々美の嬢ちゃんじゃないか? 浮気かい?」

「ちげーよ。 たまたま買い出しのタイミングが被っただけ」

「私は別にどっちでも良いわよ?」

「あのなあ……あ、ネギ下さい」

「こっちはキャベツね」

「あいよ。 しかし、2人も小さな頃から仲良いよなぁ。 2人が結婚してた未来もあったんじゃないのか?」

「あったかもしれないわねー。 ね、夕也?」

「知らん。 まあ、ちょっとは可能性あったかもなぐらいだ」

「はははっ! 2人も結構お似合いだぞ!」

「俺は宏太みたいに頑丈に出来てないからな……奈々美と結婚なんてしたら1日でボロボロになる」

「まるで私が旦那をサンドバッグにするみたいな……」

「してないと言えるか?」

「……あ、キャベツは一番良さそうなのお願いね」

「あいよ!」


 話逸らしやがった。


 八百屋で買い物を終えた後は、肉屋へ移動。

 肉屋のおばちゃ……お姉さんからも俺と奈々美の関係をイジられながら、さっきと似たようなやりとりを交わす。


 俺と奈々美って周りから見るとそんな仲が良く見えるんだろうか?

夕也と奈々美の関係は恋人以上夫婦未満?


「奈央ですわ。 確かに異様に距離が近いですわよね?」

「特に奈々ちゃんがね。 まあ私達皆、特別な関係ではあるけどねぇ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ