第2296話 パーティーの終わり
ビンゴ大会は続き、早くもリーチした亜美。
☆亜美視点☆
さて、希望ちゃんのビンゴから少し進んで8個目の数字が出たところである。
「きたよリーチ!」
「あら、亜美ちゃん早いですわね」
「亜美っていつもここからが長いのよね」
「いやいや。 もう勝ったも同然だよ。 残る数字は『19』。 勝利の女神美夕の誕生日の数字だよ」
「験担ぎってわけか」
「うむだよ。 弥生ちゃんの方はどうかな? ぷぷぷだよ。 まだ2つしか開いてないじゃない」
「う、嘘やん」
「勝負ありだよ」
カード選びの時点で差は歴然だったけどねぇ。
このように、結果として如実に現れてくると、カード選びの大切さが良くわかるというものだよ。
「ほな、次の数字や!」
「ポチッとな!」
黛妹がボタンを押し、ルーレットが始まる。
さあ! さあさあ!
「『19』や! 誰かおるかー?」
「きたよ! ビンゴだよ! やはり勝利の女神は美夕なんだよ!」
「おめでとぅ亜美ちゃん」
「ありがとう希望ちゃん!」
「良いから早く行って来なさいな」
「うむだよ」
勝利の余韻に浸っている場合ではなかったよ。
景品を受け取りに行かなくては。
「お、今度は清水さんかいな。 あんさんらどないな運しとんねん」
「私のは運じゃないよ。 実力だよ実力」
「ビンゴに実力もクソもあらへんがな。 ほい、二等や。 緑風のパフェ食べ放題券6ヶ月」
「パフェ神様! ありがとうございます!」
「清水さん、頭おかしなったんか?」
「正常だよ」
ちなみにビンゴで二等は生涯初である。
いやいや、今年は最高の一年だったねぇ。
景品の券を手にして友人席へと戻ってくると、弥生ちゃんは悔しそうな表情で私を見ていた。
「ウ、ウチは運だけの勝負でも亜美ちゃんに遅れを取るんか……」
「ぷぷぷだよ」
私の戦略的ビンゴに対して「運」だけ勝つには、麻美ちゃんや希望ちゃんクラスの「豪運」が必要なのだ。
弥生ちゃんでは無理なのである。
◆◇◆◇◆◇
その後しばらくビンゴは続き、五等の景品が無くなったタイミングでお開き。
私達の中からは新たにビンゴを出した人は麻美ちゃんだけである。
ナンバープレート賞とビンゴ両方とは恐れ入るよ。
ちなみに弥生ちゃんはダメダメである。
「私の勝ちって事で文句無いね?」
「あらへん」
「よしよし」
「弥生さん、元気出して」
「落ち込んでへんわ」
武下さんにフォローを入れられて逆に怒る弥生ちゃんであった。
この後は姫百合さんとブルーウイングスのスペシャルライブがあるよ。
それまではまた幕間があるから、ママ組の皆は今の内に赤ちゃんズのミルクタイムである。
私はさっき上げたからこの時間はのんびりするよ。
「マリアちゃん、ビンゴ残念だったねぇ」
「リーチまではいったんですが、最後の『11』が来なかったですね」
「だねぇ。 美夕の誕生日関係の数字だから可能性はあったのに」
「それ、関係あるんですか?」
「信じる者は何とやらだよ」
「な、なるほど」
マリアちゃんならその内にビンゴ賞を獲得するだろう。
多分だけど。
「さて。 そろそろゆりりん親衛隊の出番やで、佐々木君」
「だな」
スペシャルライブを前にして、弥生ちゃんと宏ちゃんのスイッチが入ってしまったようだ。
ゆりりん命鉢巻と半被を着用し始めたよ。
「ド、ドレスコート」
「ゆりりんのライブの正装はこれや!」
「そうだ!」
「うっ……」
こうなると二人は止められる気がしないよ……。
私は諦めるよ。
少しすると、ママさん組と赤ちゃんズが友人席へ戻って来て、弥生ちゃん達の姿を見て溜息をつくのであった。
◆◇◆◇◆◇
スペシャルライブの準備が終わり、舞台の上には姫百合さんとブルーウイングスのメンバーが姿を現している。
普段は中々見られない、二組のコラボライブ。
この西條家クリスマスパーティーに参加している人だけが楽しめる、正にスペシャルなライブだ。
6人が、お互いの持ち歌を交互に歌って踊る。
「はーっぴばーすでー☆」
現在はブルーウイングスのヒット曲を6人で熱唱中。
弥生ちゃん、宏ちゃんに加えて紗希ちゃんもブルーウイングスに熱烈な声援を送っている。
さ、騒がしい。
「きゃは! きゃは!」
「これが二児の母の姿か」
「ははは……紗希、ちょっと控えめに」
「無理!」
旦那さんの言葉も聞く耳持たずである。
アイドルの追っかけって怖いね。
「ゆーりりん!」
「きゃは!」
うーん……。
まあ、他のパーティー客も、このスペシャルライブの間は結構盛り上がっているみたいだし、これはこれでありって事かな。
「次は『Blue Sky』です!」
次は姫百合さんのヒット曲である「Blue Sky」。
私も大好きな曲であり、何度も歌った事があるよ。
静かに聴いていたいところだけど……。
「ゆりりーん!」
無理そうだねこれは。
◆◇◆◇◆◇
スペシャルライブとトークをたっぷり一時間楽しんだ私達。
親衛隊の宏ちゃんと弥生、紗希ちゃんは喉が枯れる程声援を送っていた。
「あかん。 明日声出えへんわ」
「だな」
「きゃはー」
「加減を知りなさいよ……」
奈々ちゃんが呆れたように言うと、3人は口を揃えて「無理」と答えるのだった。
やっぱり無理なんだね。
「この後はダンスタイムでしたよね?」
と、マリアちゃんが訊ねて来たので頷いて答える。
「あの、私達踊る相手とかいないですし、そもそも踊れないですけど」
「ですです」
星野さんや天堂さんは少し困ったような顔をして「どうしたら良いですか?」と、訊いてくる。
「相手は別に異性じゃなくても良いと思うよ。 それこそ天堂さんと星野さんで踊るとか」
「な、なるほど。 それなら大丈夫です」
「ですね」
他のパートナーが居ない人達も、それぞれ仲の良い友人と踊る事にしたようだ。
私は夕ちゃんと踊った後は友達と順番に踊ろうと思うよ。
ダンスタイムが始まり、まずは予定通り夕ちゃんと踊る。
「夕ちゃんも何だかんだダンスには慣れたもんだね」
「まあ、月ノ木祭でも毎年やってたしな」
「色々な人と踊ったよね」
「だなあ」
何故かモテモテの夕ちゃんは、ダンスタイムになると色々な女性からダンスに誘われるのだ。
普通は男性側から誘うもんだと思うんだけど、夕ちゃんは謎にモテるのだ。
この後も、何だかんだで希望ちゃん、麻美ちゃんを始め色々な人と踊る約束をしているらしい。
大変だねぇ、夕ちゃんも。
軽く5分程夕ちゃんと踊った後は、宏ちゃんと踊り終えた奈々ちゃんと踊る。
「何で私が男役なわけ?」
「奈々ちゃんの方が私より男前だからだよ」
「何か嫌ね」
「そう? カッコイイじゃない」
「そういうのは遥や星野さんに言ってやりなさいよ」
「あはは、確かに」
あの二人は女性からモテるタイプの女性だね。
星野さんの高校時代がどうだったかは知らないけど……。
そんなこんなで、友人達と順番に踊る内にクリスマスパーティーは幕を閉じるのだった。
クリスマスが過ぎれば年末年始までもう少し。
年越し準備で忙しくなるよ。
今年も残りあと少し。
「遥だ。 大掃除の季節だな」
「今年は夕ちゃんにもやってもらうよ」




