第2295話 今年も戦略的に
亜美お待ちかねのビンゴ大会の始まりだ。
☆亜美視点☆
さあ、西條家クリスマスパーティーのメインイベントである、ビンゴ大会が始まるよ!
「メインイベントだよ!」
「いや、余興ですわよ……」
「えぇ……」
「亜美だけよ? ビンゴに燃えてるのなんて」
「いやいや。 弥生ちゃんを見てみなよ」
「やったるでぇ!」
「ああ、ここにも燃えてるのがいるわね」
「貴女達、変なとこ似てますわよね」
「顔も似てるものね? 実は血縁あったりしない?」
「無いよ。 親戚関係の人の事は皆把握してるよ」
「そうなのね……」
「うん。 さあ、まずはカード選びからだよ」
ビンゴカードは直前に配られるわけだけど、私達のテーブルにはかなりの枚数のカードが配られる。
人数が多いからねぇ。
その中から、ビンゴに当選しそうなカードをしっかりと選ばなければならない。
そこでまず注目すべきなのは……。
「なはは? 亜美姉どうしたー? 私の服に何か付いてるー?」
「ナンバープレートが付いてるよ」
そう。 麻美ちゃんのナンバープレートのナンバーに注目するのだ。
毎年のようにナンバープレート賞を獲得する麻美ちゃん。
つまり、その麻美ちゃんのナンバープレートに書いてある数字はほぼ確実に当選すると言って良いのである。
今年の麻美ちゃんのナンバープレート「30」。
つまり「30」の入ったカードはほぼ確実に一ヶ所は開くのだ。
「ふむ」
配られて来たカードの中「30」が入っているのは5枚。
一気に絞られたよ。
「私はこれにするよぅー」
私が思案していると、希望ちゃんが早くもカードを一枚選んでいった。
さすが毎年一等賞を当てる希望ちゃんが選んだカードには、当然のように「30」が含まれている。
多分、何も考えずに選んでるんだろうけど、恐ろしいねぇ。
さて。 そんな希望ちゃんが選んだカードにも注目だよ。
豪運娘である希望ちゃんが選んだカードに入っている数字を見て、同じ数字が出来るだけ含まれているカードを選ぶのである。
「むむー。 これだよ! これが今年の私のビンゴカードだよ!」
残る4枚の中から一番良さげなカードを選択して手に取る。
更に私が選んだカードには、勝利の女神である美夕の誕生日である「11」「19」の数字まで入っている。
「勝った……」
「ま、まだカードを選んだだけだぞ?」
「もう勝ちは見えてるよ。 このカードはビンゴするって書いてあるよ」
「なはは!」
「ウチはこれにする」
「んん? ぷぷぷだよ」
弥生ちゃんが選んだカードを見て笑いが込み上げてしまったよ。
「何や?」
「何でもないよ。 ぷ、ぷぷぷ」
「腹立つ笑い方やな……」
弥生ちゃんの選んだカードには「30」も入ってないし、希望ちゃんの選んだカードに入っている数字も1つしか入っていない。
「敗北者だよ」
「やってみなわからんやろ」
「わかるよ」
もはや勝負にならないねぇ。
さて、そろそろ始まるよ。
ちなみに黛姉妹はビンゴ中は司会をしなければならない為、席から離れているよ。
「さーて! 皆さん、カードは持ったかいな!? もうじきビンゴ始めるで!」
私達のメンバーも全員ビンゴカードを手に持って待機しているよ。
おっと、一応念の為に自分のナンバープレートも確認しておくよ。
私のナンバープレートは「57」だ。
まあ、当たる事はないだろう。
私のカードにも希望ちゃんが選んだカードにも、その数字は入っていないからね。
「よっしゃ! ほな一発目! 景気良ういくで! スイッチオン!」
「ポチッとな」
黛妹がボタンを押すと、ビンゴマシーンが稼働を始める。
ボタンを押すとルーレットが始まり、数秒後に中央の電光板に数字が表示されるタイプだ。
デンッ!
「まず最初の数字は『30』や! ナンバープレート賞は誰や?」
「なはははは! やはり私だー!」
「おお、さすが麻美やな。 でかしたで!」
「なはは。 布団乾燥機貰ってくるー」
「頼むでぇ」
やはりナンバープレート賞一発目は麻美ちゃんだったね。
もう今更誰も驚かないよ。
私達以外のパーティー客の中でも、常連と思しき人達は「やっぱりまたあの子か」みたいな顔をしているよ。
一体どうなってるんだろうね、あの子は。
「麻美先輩、凄いですよね」
「毎年なのは謎としか言えませんね」
冴木さんとマリアさんも、麻美ちゃんの豪運っぷりには首を傾げる。
前田さんなんかは「データどうこうって話じゃ語れませんね」と、データで計れない麻美ちゃんの運にお手上げなようだ。
「さてさて。 『30』が早速開いたね」
まあ、これは予定通りだよ。
ちなみに弥生ちゃんのカードには「30」が入ってないから一歩リードだよ。
麻美ちゃんがナンバープレート賞の布団乾燥機引き換え券を貰って戻ってきた。
舞台の上で黛姉妹にイジられていたねぇ。
「さて! ほな次行くでー」
「ポチッとな」
という事でビンゴは進んでいくよ。
2個目の数字は「75」、3個目は3であった。
「『3』は私のカードにもあるねぇ」
そういえば、希望ちゃんのカードには「75」も「3」も入っていたような。
「はぅはぅ」
「うわわ」
「きゃは。 希望ちゃんストレートでリーチじゃん」
「本当どんな運してるんだ、こいつは」
まだ3個しか数字は出てないのに、希望ちゃんは真ん中の「FREE」マスを含めて最速リーチをかけている。
何とも恐ろしい運である。
「ほな4個目いくでぇ! 次で最速ビンゴの可能性があるで」
「いやいやお姉ちゃん。 そんな豪運な人間は世の中におらへんて……ポチッとな」
それが居るんだよ。
黛姉妹の驚愕する顔が今から楽しみだよ。
デンッ!
「『93』やで! さあ、どうや!」
「いや、だからおるわけ……」
「ビンゴだよぅ!」
「ほら、おるわけ……って、おるぅーっ?!」
さ、さすが希望ちゃんである。
まさかの最速ビンゴを決めてしまったよ。
黛妹は口をあんぐりと上げながら、舞台上に上がる希望ちゃんを見ている。
「あ、あんさん、どないな運しとるん?」
「うーん……わからないよぅ」
「まあええがな。 一等賞おめでとさん。 城崎温泉家族旅行が景品やで」
「やったよぅ!」
今回は城崎かあ。
家族旅行券だけど誰と行くんだろう?
やっぱりお爺さん達かな?
「はぅ、はぅー。 亜美ちゃん、お父さん達を誘って行こぅ」
「え、私達で良いの?」
「うん。 美夕ちゃんも連れて行こぅ!」
「うんうん!」
希望ちゃんは私や夕ちゃん、美夕と一緒に旅行へ行きたいらしい。
しょがないなあ。
「亜美、ビンゴの方はどうなんだ?」
「ん? まあまあだよ」
今のところ「FREE」「30」「3」が開いている。
まだリーチもかかってないけど、形としては悪くない状態となっている。
パフェ神様と勝利の女神の美夕がいるから負けるわけが無いのである。
ちなみに弥生ちゃん、未だに「FREE」以外は掠りもしていないようだ。
ぷぷぷだよ。
今年も麻美と希望は平常運転。
「紗希よ。 二人の運ってどうなってんの?」
「教えてほしいよね」




