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第2291話 レディーGI初挑戦

クリスマスパーティーの前にレディーのGI初挑戦!

 ☆奈央視点☆


 ブロロロ……


 本日12月25日、土曜日のクリスマス。

 夜には恒例の西條家クリスマスパーティーもあるけれど、まずは昼間にサイジョーレディーのレースがあるわよー。

 現在は亜美ちゃんの車で競馬場へ向かう。

 麻美と、馬主業に興味があるらしい姫百合さんが同行しているわ。


「レディーは勝てるかしら?」

「実力は上位だっていう評価を受けてはいるよ。 人気も現在一番人気だそうだよ」

「なはは。 レディーは名馬の匂いがするー」


 幼駒の頃から麻美にはそう言われているレディー。

 確かにここまでの活躍はかなりのモノみたいだけど。


「今日のレースって凄いレースなんですか?」

「うん。 GIレースっていう、格式の一番高いレースだよ」

「おお、凄いんですね」

「同期のサイジョーゴールドはもうGIレースに勝ってますわよー」

「西條先輩の馬は順調に勝ってるー」

「まあ、戦績だけ見ればかなり順調だねぇ」


 サイジョーゴールドは4戦3勝でGI馬

 サイジョーレディーは2戦2勝で本日GI挑戦

 サイジョークラウンという馬は来年頭にデビュー予定


 馬主デビュー年には出来過ぎな結果だと思いますわよー。

 ちなみに、サイジョークラウンは麻美の嗅覚によると「ゴールドとレディー程は匂わないけど、それなりにはやりそう」との事よ。 まあ、よくわからないんだけど。



 ◆◇◆◇◆◇



 競馬場に着いた私達は、馬主席へとやって来ましたわ。

 GI等に出走する馬がいる場合は、出走馬主席という部屋もあるけど、入れるのは馬主と関係者2名までとされているらしい。

 もちろん、西條家の力を使えばそんなルールは捻じ曲げる事も容易いけど、そこまでする必要も無いでしょう。

 

「これが競馬場なんですね」

「ですわよ」

「姫百合さんは来た事無いんだね」

「無いですね」

「アイドルだもんねー」

「いやいや。 アイドルでも競馬場に来る事はあるよ」

「あるのー?」


 亜美ちゃんは「あるよ」と言って説明を始める。


「日本の中央競馬には、レース前に国歌独唱が入るレースがあるんだよ。 それに呼ばれればアイドルでも競馬場に来る事はあるよ。 現に、過去には男性アイドルやオペラ歌手なんかも独唱しているよ」

「おー!」

「そんな仕事は来た事無いですねー。 来ないかなー」

「姫百合さんと競馬って、なんかイメージ合わないですものね」

「馬主になろうとしてるけどねぇ……」

「なはは」



 ◆◇◆◇◆◇



 さて、そんなこんなでレースの時間がやって来ましたわよー。

 既に本馬場入場も終わり、ゲート前で輪乗りに入っていますわ。

 私達は双眼鏡でレディーの様子を窺う?


「赤い帽子のゼッケン5番ですわね」

「うん。 落ち着いてるね」

「風格があるー」

「ですねー」


 気合いも乗っていて良い感じですわね。

 これは期待大ね!


 出走時刻になり、各馬がゲートに入っていく。

 レディーは特に嫌がる様子も無く大人しくゲートインしましたわね。


「もうすぐスタートだよ」


 競馬場では実況アナの淡々とした語りが響いている。

 全馬が入って……。


「スタートだよ。 レディーは良いスタートだね」

「なはは。 中団よりやや後方ー」

「定位置ですわね」


 レディーはデビューから2戦、共に中団待機の競馬で快勝している。

 あの位置取りは必勝パターンですわよー。


「レディーのデビュー戦は1600メートル、2戦目は1800メートル、そして今日のレースは2000メートル」


 何か亜美ちゃんが独り言のようにブツブツと呟いた。


「それがどうしたんですの?」

「2000メートルからは中距離戦と言われている戦場なんだよ。 レディーもこの距離のレースは初めてだし、この時期の女の子馬にとって2000メートルは過酷な距離という事だよ」

「レディーは大丈夫ですわよ! 最強馬になる子ですわよー!」

「あはは、そうだね」


 レースの方はペースが落ち着いて中盤戦に入っている。

 確かに今まで見たレースと違って中盤戦に一息入る展開があるのね。

 位置取りは変わらず中団8番手を追走中。


「あんな場所から先頭に追いつくんですか?」

「人間の徒競走なら無理だぞー」

「大丈夫だよ。 序盤は位置取り争い、中盤はペースの把握と進路の確保、終盤に先団に取り付いて最後の直線でヨーイドン! これが今の競馬のスタイルなんだよ。 昔は能力の高いお馬さんが能力任せに走ってそのまま勝つみたいな展開もあったけどね」


 と、まるで見てきたかのように昔の競馬の話をしていますわね。  

 亜美ちゃんって何者なのかしら?

 やっぱり宇宙人なんじゃ?


「あ、レディーが前に上がっていくよ」

「おお」

「ゆけースーパーアサミンレディー!」

「違いますわよー!」


 最終コーナーを曲がって直線に入りましたわよ。

 レディーは外を回して3番手!


「おー! あっという間に抜け出したー!」

「速いですね!」


 直線に入ると他とは違う速さで一気に先頭に躍り出るレディー。

 中山名物の心臓破りの坂も何の其の。


「おほほほ! やはり最強ですわよー!」


 そのまま大差をつけてゴール。


「タイムがレコードになってるよ!」

「なはは! 強いー!」

「西條さんおめでとうございます!」

「ありがとう姫百合さん」

「さ、レディーを労いにいくよ!」



 ◆◇◆◇◆◇



 検量室前の待機場所でレディーと対面する私達。


「ブルルル」

「レディー、素晴らしい走りでしたわ」

「うんうん。 レース後も元気そうで何よりだよ」

「この後は何があるのー?」

「優勝した馬はこの後、ウィナーズサークルっていう場所で表彰式と口取り式あるんだよ。 馬主や調教師さんに騎手、他関係者と記念撮影もあるよ」

「私達も記念撮影出来るのー?」

「私が話をつけて差し上げますわよ」

「なはは」


 というわけで表彰式に参加ですわよー。

 こちらは馬主と調教師さん、騎手さん等の競馬関係者のみが参加。

 それが終わると、今度は愛馬との口取り式。

 亜美ちゃんや麻美、姫百合さんも参加させてもらい、記念撮影に移る。


「何だか部外者の私まで大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですわよ。 馬主の関係者という事で許可させましたから」

「させたんだね……」

「ブルルル」

「おほほ」


 私と亜美ちゃんが代表して口取りし、その横に麻美と姫百合さんに並んでもらう。

 騎手さんにはレディーに乗ってもらっているわ。

 レディーの首には「ホープフルステークス」の書かれた優勝レイがかけられてるわ。


「では撮ります!」


 カシャ!


「ブルルル!」

「おほほほ」

「次走はどうしましょうか?」


 亜美ちゃんは早くもレディーの次走の話を進めているわ。

 馬主秘書としても優秀ですわね。


 私達はこの後、クリスマスパーティーに行かなければならないため、ここでお暇するわ。

 レディーの次走は来年のチューリップ賞になるみたいですわ。

 そちらも楽しみですわね。


「さあ、帰りますわよー!」

「うん」


 さて、クリスマスパーティーですわよー!

サイジョーレディーの素質は頭一つ抜けているようだ


「奈々美よ。 競馬の事はよくわからないけど凄い事よね?」

「うん。 これでレディーも名馬の仲間入りだよ」

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