第2290話 またまたまたコラボ
クリスマスイブ。
☆亜美視点☆
12月24日の金曜日、クリスマスイブである。
イブであるが、特に予定は無いのである。
ただ、夜には「ミルフィーユ」の生配信を予定しているよ。
今回の配信は、姫百合さんとブルーウイングスの皆も参加する賑やかな配信になる予定だ。
しかも、リスナーさん達には美夕と美夜ちゃんの紹介もしていくよ。
「いつ見ても広いスタジオですね」
お昼に一旦スタジオに来て配信の流れを軽く決める事にしたよ。
まあ、流れと言っても大した事はしないんだけど。
「まずはいつも通り、私達『ミルフィーユ』の挨拶から入るよ」
「はい」
「そうですよね」
「で、そのまま美夕と美夜の紹介に入るわけ?」
「いやいや。 先にコラボ相手の姫百合さんとブルーウイングスの紹介だよ。 で、誰か二人は美夕と美夜ちゃんを抱っこしてもらいながら登場だよ」
「え?! い、良いんですか?!」
「私達の誰かが抱っこしても?!」
「うんうん」
「大丈夫よ」
「で、美夕と美夜ちゃんの紹介をしてもらうよ」
「私達が紹介して良いんですか?!」
「なはは」
「大丈夫よ」
「んで、皆の紹介が終わったら美夕と美夜ちゃんは私達が抱っこして、いつもの雑談タイムだよ」
「わかりました」
「それじゃあ、ここからは勝負ですね」
「あ、あはは……」
まあ、そうだよね。
美夕と美夜ちゃんを抱っこ出来るのは6人の内2人だけ。
となれば、その権利を勝ち取るべく勝負が始まるの必然。
姫百合さんとブルーウイングスの5人で、赤ちゃん抱っこ争奪戦が始まったのである。
別に後からいくらでも抱っこさせてあげるのに。
でも、これはこれで面白いからこのまま放っておくよ。
◆◇◆◇◆◇
「じゃあ配信始めるぞー!」
「らじゃだよ」
「ええで」
「良いわよ」
夕飯も食べ終えた私達は、予定通り「ミルフィーユ」の配信を開始するよ。
まずはオープニングに私達のオリジナル新曲であるFamilleを流しながら、リスナーが集まって来るのを待つ。
程よいタイミングで画面をオープニング画面からカメラ映像に切り替える。
あ、全部麻美ちゃんがやってくれるよ。
「はい! 皆さんお久しぶりです! 『ミルフィーユ』のリーダーの亜美です!」
「サブリーダーの麻美ですー!」
「奈々美よ」
「渚やで」
と、いつも通りに軽く挨拶をしていく。
リスナーのコメントをチラ見してみると、やはり私と奈々ちゃんのお腹が小さくなっている事に反応している人が多いみたいだ。 まあ、それはそうだろう。
「まあまあ、皆落ち着きたまえー。 今日はゲストを紹介するぞー! まあ、いつもの人だけどー。 どうぞー!」
「はーい」
まずは姫百合さんがフレームイン。
ちなみに手ぶらである。
「ゆりりん事、姫百合凛です! またまた『ミルフィーユ』さんのスタジオにお邪魔しています」
「それと、もう一組ゲストが来ています。 まあ、多分皆も察してると思うけど。 どうぞー」
今度はぞろぞろとブルーウイングスのメンバーがフレームインして来るよ。
さて、岬ちゃんと桃華ちゃんの腕には美夕と美夜ちゃんが抱っこされている。
「ブルーウイングスの赤、朱理です」
「青担当の岬と、こちらは亜美さんのお子さんの美夕ちゃんです」
「あーぅ?」
「か、可愛い……」
「緑担当の翠です」
「黄色の光希でーす」
「そして、桃色担当の桃華と奈々美さんのお子さんの美夜ちゃんです!」
「きゃっきゃっ!」
「か、可愛い……」
争奪戦を勝ち抜いた岬ちゃんと桃華ちゃんは、幸せそうな顔をしながら赤ちゃんを抱いている。
二人はカメラに近付いて、リスナーさん達に赤ちゃんの顔が良く見えるようにしている。
コメント欄は「可愛い」の嵐である。
「では、赤ちゃん達はママさんにお返しします」
「な、名残惜しいですね」
「あはは。 また後で抱っこさせてあげるよ」
「そうよ」
「やった!」
というわけで、美夕と美夜ちゃんは私と奈々ちゃんの腕の中へ。
「あーう」
「よちよち」
「というわけで、今日はこのメンバーで配信進めていきますー」
「赤ちゃんが途中で泣いたりするかもしれんけど、そこは堪忍したってや」
コメントの皆もその辺はわかってくれたようだ。
「ではいつも通り雑談and質問タイムよ」
ここからはリスナーのコメントを拾ったりしながらの雑談タイムに入るよ。
「早速赤ちゃんについての質問が一杯ありますよ」
「『誕生日はいつですか?』だそうですよ」
「むふふ。 実は美夕と美夜ちゃんの誕生日は同じ日なんだよ」
「え?! そうなんですか?!」
「ええ。 二人共11月19日よ」
「美夕の方がちょっとだけお姉ちゃんなんだよ」
「30分だけでしょ」
「なはは。 お姉ちゃんと亜美姉仲良し過ぎるー」
「同じ日に赤ちゃん産むって相当ですよね」
「この子達も仲良しになりそうですね」
「うんうん」
そこは間違い無いと思われるよ。
私と奈々ちゃん以上に仲良くなるかもしれないよ。
「『育児は大変ですか?』だそうですよ」
「大変なんだよ」
「急に泣き出すからいつでも気を張ってないといけないのよね」
「なはは。 二人共普段通りに見えるけどー」
「これでも結構気を張ってるんだよ。 今でも美夕の様子を見ながらだからねぇ」
「そうなんですね」
「まあ、ママ友が前に言ってたんだけど、生活が赤ちゃん中心になるのよね」
「な、なるほど」
「まあ、私のところも奈々ちゃんのところも旦那さんが協力してくれてるからね。 かなり楽だよ」
「おお。 旦那さん達も頑張ってるんですね」
「うん」
夕ちゃんは先日掃除試験もクリアして、一通りの家事は任せられるようになった。
休みの日は希望ちゃんも色々とやってくれるし、基本的には楽な方だと思う。
「『理想的な夫婦ですねー』だって」
「そだね。 自分でもそう思うよ」
「お姉ちゃんはー? 旦那の事良く叩いたりしてるけどー」
「あ、愛情表現よ」
「ストレス発散だよねぇ」
「違うってば……」
「あ、あはは……」
まあ、奈々ちゃんと宏ちゃんはあれが日常だからねぇ。
普通に仲良し夫婦ではあるよ。
その後も、基本的には赤ちゃん関連の質問に答えつつ時間を消化していく。
「さて、そろそろ時間だねぇ。 じゃあ最後はオリジナル新曲のFamilleの演奏と、アイドル達による歌で締めたいと思います!」
コメントでは「豪華過ぎる!」と、かなりの盛り上がりを見せている。
まあ、姫百合さんとブルーウイングスのコラボなんて中々聴けるもんじゃないからねぇ。
美夕と美夜ちゃんもここまで泣かずに大人しくしてくれている。
◆◇◆◇◆◇
「今日はありがとうございました! また今度配信します!」
「なはは。 私はたまにやってるー! それじゃあまたー!」
「あーう」
美夕もよくわからないなりに何やら声を上げているよ。
コラボ配信も無事に終了し、配信を切断。
「ふぅ。 皆、お疲れ様だよ」
「お疲れ様でした」
「う、うわーん!」
「うわわ……」
さっきまで大人しくしていたのに、配信が終わった途端に泣き出したよ……。
危ない危ない。
「まさかとは思うけど、配信中には泣いちゃダメだって我慢してた?」
「ま、まさかそんなわけ」
まだ産まれて1ヶ月の子だし、そんなことあるわけないよねぇ……。
さて、明日はクリスマスパーティー……の前に、サイジョーレディーのレースを競馬場に見に行くよ。
「ミルフィーユ」とアイドルのコラボ企画は無事終了。
「希望です。 皆凄いね。 私は配信なんて恥ずかしいよぅ」
「希望ちゃんは人気出ると思うよ……」




