第2285話 バイクデビュー
こちらは千葉の「皆の家」。
☆奈々美視点☆
今日は亜美と希望は東京に住んでいる両親の所へ行っているわ。
夕也は留守番という事で、昼前にはマロンとメロン、希望のハムスターを連れて「皆の家」にやって来ている。
ちなみに海水魚の方は自動で餌やり出来るタイマー付きの機械があるらしく、セットして来たみたいよ。
「美夕ちゃんが居ないと美夜も寂しいわね」
「あー?」
「こんだけ赤ちゃん仲間がいたら寂しくもないでしょうに」
「確かにね」
美夕ちゃんが居なくても他に4人も赤ちゃん仲間がいれば寂しくもないわね。
「麻美。 今日は夕也の掃除試験は無いの?」
「今日は私と渚で掃除したから無いー」
「あんた、いつ卒業するわけ?」
「今年中には何とか」
「掃除ぐらいでいつまで時間掛かってるんだ、バカめ」
「宏太の癖に……」
「俺は掃除も出来る」
「ぐぬぬ」
宏太も休みの日は家事を手伝ってくれたりして助かってるのよ。
結構何でもやってくれるけど、美夜の沐浴だけはちょっと怖いみたいね。
「ぬぅん。 何か面白い事無いかなー」
「ありませんわねー」
「きゃはは。 真希美希の世話で結構大変よ」
「それはそうだな」
私達ママさん組は、我が子の世話が大変よ。
まだ慣れてないってのもあるにはあるだろうけど、いつ何時泣き出すかわからないから、常に気を配っているもの。
「そういえばお姉ちゃんはいつバイクデビューするのー?」
「バイクね……確かに」
去年麻美と一緒に大型二輪の免許を取って、バイクまで買って置いてあるけど……妊婦だったし乗るのは控えていてそのままだったわ。
「ふむ。 美夜の事なら俺が見てるし、ちょっと行って来たらどうだ?」
と、今日は休みの宏太がそう言ってくれている。
このまま全く乗らないってのも勿体無いし、良い機会だからバイクデビューしてみようかしら?
「お言葉に甘えて行って来ようかしら」
「おう。 気を付けてな」
「ええ」
「そういう事でしたら、私も同行させていただきましょう!」
「なはは、当然私もー」
星野さんと麻美が一緒について来てくれるらしいので、ここは同行をお願いすることにしたわ。
デビューって事で、とりあえずは近場て市内のショッピングモールまで走ってみる事に。
私達は「皆の家」のガレージにバイクを停めてあるので、まずはそちらへ移動よ。
ライダースーツに着替えてヘルメットも装着。
このヘルメットには、スピーカーとマイクが内蔵されており、ペアリングされている同型の物と会話が出来るようになっているみたい。
とりあえずテストよ。
「あーあー。 テステスー。 お姉ちゃん、星野さん聞こえるー?」
「聞こえるわよ」
「大丈夫です」
マイクとスピーカーは問題無しと。
「お姉ちゃん、運転の仕方は大丈夫ー?」
「大丈夫よ。 教習はあんたより上手く乗れてたでしょ?」
「な、なはは。 確かにー」
「奈々美先輩、スーツめちゃくちゃ似合ってますね」
「そう?」
「はい!」
オシャレな服とかを褒められるのはあるけど、まさかライダースーツ姿を褒められる日が来るとはね。
「それでは行きましょう。 私が先導します」
「ゆっくり行こー」
「そうね」
星野さんを先頭にゆっくりと出発する私達。
特にこの周辺はまだ住宅街だから、スピードの出し過ぎには要注意よ。
「何か新鮮な気分ね」
「なはは。 そうだよねー」
「海岸沿とかドライブラインを走ると凄く気持ち良いんですよ」
「それはまたの機会ね」
「はい、是非一緒にツーリングに行きましょう」
星野さん、バイクに乗るとイキイキとし始めるわね。
バレーボールしてる時とはまた別人みたいだわ。
ブォンブォーン!
◆◇◆◇◆◇
しばらく走ると、広い道に出る事が出来る。
国道になっていて、とりあえずこの道を走っていれば市内まで出られるわ。
周りには自動車も走っているから、より注意して走る必要があるわ。
「け、結構怖いわね」
「車の横を走るのは慣れるまで怖いですね」
「なはは! 私は別に怖くないー」
麻美はその辺のネジがぶっ飛んでるみたいね。
危機感は持った方が良いわよ……。
「ショッピングモールまでは後どれくらいかしら?」
「30〜40分も走れば着くんじゃないでしょうか?」
「結構早いのね」
「渋滞知らずですからね」
「それがバイクの強みー」
「なるほどね」
初めてのツーリングには十分ね。
ここから少しずつ慣れていけば良いわ。
ブォンブォン……
信号待ちよ。
車体が良い感じに熱を持って暖かいわね。
夏は多分無茶苦茶暑いわよこれ。
「お姉ちゃんかっこいいー」
「何か様になってますよね」
「そ、そうかしら?」
「うむー」
うーん。 自分ではよくわからないけどまあいっか。
ブォンブォーン!
◆◇◆◇◆◇
「ショッピングモールに到着ー」
「ふぅ。 普段電車か誰かの車でしか来ないから新鮮ね」
「私は大体バイクで来るのでいつも通りですね」
ライダースーツを脱いで普段着に戻り、ショッピングモールでショッピングを開始よ。
まあ荷物はあまり増やしたくないから基本的にはウインドウショッピングよ。
「星野さんは普段はどんな店を回ってるの?」
「私はスポーツ用品店とか後はブティックが多いですね」
「釣り具とかバイクのパーツとかは見ないのー?」
「それは専門店で見るので、ショッピングモールでは見ないですね」
「なるほどね」
「お姉ちゃんは大体コスメとか洋服見てるー」
「そうね。 最近はマタニティ用品ばかりだったし、久しぶりに普通の洋服とかが見たいわね」
「ではブティックとかを見て回りましょう」
「賛成よ」
方針が決まったという事で、ショッピングモール内にあるブティックを梯子していくわよ。
基本的にはウインドウショッピングだけど、どうしても欲しい服が見つかったら迷わず買うつもりよ。
◆◇◆◇◆◇
たっぷりと時間をかけてブティックを見て回った結果……。
「結構な量の洋服をお買い上げになりましたね……」
「気付いたら買ってたわ……恐るべし洋服の魔力」
「な、なはは」
これ以上はさすがに危険だから、とりあえず帰る事にするわ。
美夜とくぅ達も心配だし。
「では戻りましょう。 無事に帰るまでがツーリングですよ」
「りょーかーい」
「わかってるわ」
買った服はシートを開けてトランクにしまい、再びライダースーツとヘルメットを着用してバイクに跨る。
「やはり様になっているー」
「もう一人前のライダーですね」
「そんな簡単なもんなのかしら……」
ブォンブォン!
行きと同じく星野さん先頭に、安全運転で帰路につく。
「今度機会があれば、月島先輩やキャミィ先輩も一緒に何処か走りに行きましょう」
「おー、それは良いー」
「そうね。 ちょっとバイクに乗るのが楽しくなってきたわ」
「なはは!」
星野さんは「またツーリング仲間が増えた」と、ちょっと大袈裟に喜ぶのだった。
奈々美もバイクデビュー。
「奈央ですわよ。 そろそろバイクも空を飛ばしましょうかね」
「飛ばさなくていいんじゃないかな」




