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第2265話 亜美姉の代わり

後衛に下がった麻美。 さあ、亜美の代わりを果たせるか?

 ☆麻美視点☆


 クリムフェニックスとの試合はまだまだ最序盤。 3-2となり私が後衛に下がっている。 そして、希望姉がベンチへ下がりマリエルさんがコートへー。


「なはは。 いよいよ私が亜美姉の代わりをする時が来たようだー」

「わかったから早よサーブ打たんかいな」

「りょーかーい!」


 さてさて。 サーブサーブー!


「ちょいさー!」


 パァンッ!


 とりあえず適当にサーブを打っておくー。 どうせ私のサーブ程度じゃ新田さんは出し抜けない。


「はいっ」


 ほら、あっさり拾われるー。


「ミアがセットアップしとるで」

「連携来る!」


 ミアさんがトスの構えを取ると、クリムフェニックスのアタッカー達が一斉に助走に入った。


「むむー」


 匂いを感じ取るんだー。 ミアさんは誰にトスを上げようとしているー? 


「むっ! 月島先輩だー!」

「?!」

「ワカリマシタ!」

「了解や!」


 私の声に反応して即ブロックに向かうマリエルさんと渚。 ミアさんがトスコースを変更出来ない絶妙なタイミングだー!


「弥生さん、お願いしまス」


 やはりやはり月島先輩だ。 更に月島先輩のアタックコースも匂いで先読みしているー!


「クロス」


 パァンッ!


 先読みしてサイドステップを踏んでいたおかげで、月島先輩のアタックコースに素早く入る事が出来ているー。 姿勢は低く、前傾姿勢で腕はしっかり伸ばし、腕の面でボールを捉える。 インパクトの瞬間、腕は振らずに膝の曲げ伸ばしを使うー!


 パァンッ!


「な、何やと?!」

「なはは! 拾ったー!」

「ナイスやよ麻美はん!」

「まだまだー! うぇーい!」


 レシーブした後、すぐにバックアタックの為の助走に入る。 姿勢がちゃんとしていたから出来る事だ。 亜美姉に感謝ー。


「元気やな麻美はんは!」


 私が走って眞鍋さんの後ろに回るのを見て、眞鍋さんは細い目を少し開ける。


「ほな、清水はんの代わりしっかり果たしてもらおか」


 そう言うと、眞鍋さんは迷わず私にトスを上げてきた。 亜美姉の代わり、しっかり果たさせてもらうー!


「ちょいさー!」


 パァンッ!


 コートの端からストレートにクイックスパイクを打ち込む。 ミアさんがこちらを警戒していなかったので、ここはあっさりと決めていくー。


 ピッ!


「ナイスです!」

「やるわね、藍沢妹」

「なはは! どうですか月島先輩ー!」

「やるやないか。 さすがのウチも驚いたで。 ホンマに亜美ちゃんの代わりやるよるやん」

「なはは! 我、天才也ー!」

「よっ、麻美っち!」

「対戦相手持ち上げてどないすんねん美智香……」

「うわはは。 まあ友人として讃えるぐらい良いじゃん」

「ありがとう美智香姉! さあ、どんどんサーブお見舞いするぞー!」

「来いやー!」


 さて。 ブレイクしたのでもう一度私のサーブだ。 イクゾー!


「ちょいさー!」


 パァンッ!


 やはり適当にサーブを打つー。 どうせ拾われてしまうからなー。


「はいっ!」

「なはは……サーブもなんとかせねばー」

「宮下さん!」


 ここは高速連携ではなく美智香姉を使ってきたかー。 匂いでわかってたけどねー。 マリエルさんと佐伯先輩がブロックに向かう。 私はフォローに入るぞー。 亜美姉の代わりをするんだー!


「うわはは! 食らいたまえ! うぉーりゃー!」


 パァンッ!


 美智香姉はお得意のブロックアウトプレーをしっかりと決めてくるー。 フォローに入った私も、相手コート側にブロックアウトされてはでも足も出せない。 やはり美智香姉は巧いー。


「うわっはは!」

「笑うてんとはよローテーションせんか」

「耳は引っ張らないでー」


 美智香姉と月島先輩のコントはいつ見ても面白いなー。 もう漫才コンビでやっていけるのではー?


「麻美、清水先輩の代わり頼むで」

「なは。 任せろー」

「ほな、ミアはんのサーブ拾うんは任せましたえ」

「ほ、ほへ」


 ミアさんのサーブというと、一体何が飛んで来るかわからない模倣サーブだ。 西條先輩のネオドライブサーブやその派生形サーブ、月島先輩の高速ナックルサーブやジャイロサーブ、亜美姉のピンポイントサーブに天井サーブと、色々なサーブを模倣してくるのだ。


「ほら、来るわよ藍沢妹!」

「は、はいー!」


 ミアさんのあの助走距離から考えるに、あれは多分西條先輩のネオドライブサーブかその派生のシックルサーブとかその辺だろー。


「いきまス!」


 パァンッ!


 来た! でも、回転方向がわからないからどのサーブかわからないー。 こんな時、希望姉の動体視力なら回転方向が見えるから変化方向もわかるんだろうけど。


「希望姉の代わりはさすがに無理ー!」


 ボールが曲がり始めたのを見てから私も動き始めたが、当然間に合わないので近くにいた天堂さんがレシーブに入る。


「くっ!」


 パァンッ!


 何とかボールに触った天堂さんだが、強烈な回転が掛かるボールを御し切れずに後逸する。 やはりあのサーブはとんでもないー。 簡単には拾えないだろう。 サービスエースを食らい、点差が無くなるー。 一筋縄ではいかないなー、さすがはクリムフェニックス。


「まずいでこれは。 あのサーブ連発されたら攻略すんのは厳しいで」

「何とかするー!」

「麻美はん、何とかなりはるん?」

「な、何とかするー……」

「ならへんのですな」

「い、今のところはー……でも、必ず攻略するー!」

「麻美がそう言う時は、毎回ちゃんと結果残すんよな」

「それはブロックの時でしょ? レシーブでの実績はまだ無いじゃない」


 と、冷静に見ているのは佐伯先輩。 確かに、佐伯先輩の言う通り私にはレシーブでの実績が薄い。 しかし、亜美姉の代わりを託された以上はあのサーブもしっかり拾わねばー!


「むー! 麻美アーイ!」


 麻美アイで頑張ってミアさんの癖を観察する。 またもやネオドライブサーブの構え。 何か打開策を見つけるぞー。


 パァンッ!


「むー! わからん! 当てずっぽうだー! ちょいさー!」


 ボールが飛んでいく方向に向かいレシーブに構える。


「あるぇー?」


 しかしボールは逆方向に変化し、私から離れていく。

またもや天堂さんの手元に飛んでいくボールを、天堂さんがレシーブしようと構える。


 パァンッ!


「っ! また!」


 しかし、やはりボールはあらぬ方向へ飛んでいきクリムフェニックスのポイントに。 連続でサービスエースをとられ、スコアも4-5と逆転されてしまう。


「す、すいません」

「しょうがないわよ。 あんなサーブ、簡単には拾えないわ」

「でも、このままではサーブだけで負けてしまうー」

「それは問題やな」

「この試合中にしっかり攻略せんと、ウチらに勝ち目はありゃしまへんで」

「うむー」


 厄介なミアさんの模倣プレー。 西條先輩のサーブを真似されるだけで手も足も出ないという状態に。 これでは亜美姉の代わりとは呼べない。 何とかしなければー!

ミアの模倣が厄介。


「希望です。 私なら何とか拾えるけど」

「拾われるの何か複雑ですわね……」

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