第2264話 アルテミスVSクリムフェニックス 二年目
クリムフェニックスとの試合当日。 亜美の代わりを任された麻美は気合い十分。
☆麻美視点☆
12月4日土曜日。 遂にクリムフェニックスとの試合がやって来た。 亜美姉達がいない今シーズンはかなり厳しい試合になると思われる。
「ちょいさ! ちょいさー!」
「何しとりはるんやこれ?」
「レシーブの基本動作の復習らしいです」
「ああ、清水反応代わりやらはるんやったな」
コートでアップを始める私達。 私はレシーブの練習をしっかりとやっておく。 亜美姉から教わった基本は完璧に身に付いているー。
ちなみに亜美姉達は「皆の家」でネット配信を見ながら応援してくれているとの事。 赤ちゃんを連れて来るのは無理らしいー。
「よーし、やるぞー!」
「おー!」
「整列やよー!」
時間になり、両チームがネットの前に立ち、ネットの下から手を出して握手を交わす。
「眞鍋先輩。 悪いけど今日は勝たせてもらうで」
「清水はん達がおらへんからて、勝てるとは限らへんよ?」
「ワハハ」
やはり私達は少しナメられているようだー。 ぎゃふんと言わせてやるぞー!
「サーブは私達からだー! 眞鍋先輩お願いしまーす!」
「はいよ」
私達のスターティングポジションは
渚 私 天堂
佐伯 希望姉 眞鍋
となっているー。 まずは希望姉がいるから私はブロックに専念だー。
「ちょいさ! ちょいさー!」
「調子良さそうやな、麻美っち」
「はいー」
月島先輩と少し言葉を交わす。 私の目の前にいるので、声を掛けてきたらしい。
「ウチらも負けっぱなしではいられへんのや。 勝たせてもらうで」
「なはは。 我、天才ぞー」
「だはは。 ブロックは認めたるわ」
ブロックだけだと思っているようだー。 レシーブも天才だというところを見せなければー。
「いきますえ!」
パァンッ!
「千沙!」
「はい!」
眞鍋さんのサーブを見てすぐに反応する新田さん。 さすがは希望姉のライバルであるー。 動きに無駄が無いし、姿勢も完璧ー。
パァンッ!
「よっしゃナイスや!」
新田さんのレシーブは綺麗にS浜中さんのセットポジションに返っている。 前田さんのデータを信用するなら、浜中さんは同時高速連携のトスは出せないはず。 それは警戒しなくて良さそうだ。
「むー!」
美智香姉にトスが上がる匂いー!
「天堂さんこっちー!」
「はい!」
天堂さんと共に美智香姉のブロックへ向かう。
「えっ?! 読まれてる?!」
「気にせんでええですよ! 麻美っちは簡単に出し抜けへんので!」
浜中さんは既にトスを出してしまっている為、どう頑張っても美智香姉が打つしかない。 私がライン側に立ち、美智香姉得意のブロックアウト狙いを警戒する。
「うわはは! さすがは麻美っち! とりゃりゃー!」
「ちょいさー!」
「何かついていけないー!」
パァンッ!
美智香姉は私からブロックアウトを狙うのを諦め、私と天堂さんのブロックを避けてクロスへ打ち込んできた。 しかしー! そこは当然希望姉の守備範囲ー!
「はぅっと!」
パァンッ!
素晴らしいレシーブで美智香姉のスパイクを広い、眞鍋さんのセットポジションの上にしっかり上げている。 さすがは希望姉ー。 私とはレベルが違うー。
「やっぱ無理かーっ!」
「ふんすっ!」
よーし、私もクイックに行くぞー! 眞鍋さんの背中側に回りクイックのタイミングでジャンプー!
「なは! 私にはトス上がらずー」
「和香はん!」
「はいよはいよ!」
トスはエース渚へではなく、佐伯先輩に上がるー。 ブロックを出し抜く上手いトスだ。 佐伯先輩はブロック一枚を相手に見事にスパイクを決めて見せたー。
ピッ!
「ナイスやよ和香はん」
「いやいや。 眞鍋さんのトスが良かっただけですって」
「なはは」
「いきなりブレイク取られてもうたか。 やるやん」
「なはは!」
「あんま私らをナメない事ね」
「ナメてへんデー」
「そうよ。 強敵だってわかってるから事前に作戦会議までしたぐらいよ」
「はぅ」
私達と一緒かー。 まあ、その作戦内容も前田さんには看破されてしまっていて意味無いけどー。 多分、同時高速連携だろー。
「ほな、次行きますえ!」
パァンッ!
「拾います!」
新田さんがサーブを拾ってまたもやSのセットポジションにAパスで返す。 しかし、今回そこにいるのはMBのミアさんだ。
前田さんの予想通りだ。 クリムフェニックスのアタッカー達が、皆同時に助走をしている。
「なははー」
「やっぱりそれか」
タンッ!
私は一番危険な美智香姉をブロックに行く。 しかし、ミアさんはそれを見てトス先を変更し、キャミィさんに上げる。
「ワハハ!」
パァンッ!
「はぅ、取れないよぅ」
希望姉も何とか反応して飛び込んだが、僅かに届かずにスパイクが決まる。
「どや! ウチらの同時高速連携や!」
「す、凄いー!」
「ま、まさか、そんな事をしてくるとはー」
「驚きましたえー」
「な、何でそない皆棒読みで驚くんや……」
「ワハハ」
「お姉ちゃん。 私達には前田さんがおるんやで? 連携して来るのなんて予想の範疇や」
「ま、前田さんか……」
「さすがに侮れないわね」
同時高速連携での奇襲が、私達にあまり効いていないのを見て逆にちょっとガッカリしているクリムフェニックス。
「まあ、ええわ。 とりあえずウチらはこれで点を取るしかあらへん」
「そうね」
「やったるデ」
と、クリムフェニックスは切り替えも早いー。 しかし、こっちには希望姉とこの天才がいるー! ここから同時高速連携にも対応していくぞー。
「浜中さんナイスサーブ!」
パァンッ!
「ここは私が拾うよぅ」
サーブレシーブは希望姉にお任せー。 何せ相手の動きがコマ送りに見えるレベルの動体視力。 相手がサーブを打った瞬間にはコースを読んで動いているー。
「はぅんっ!」
パァンッ!
「本当、どうやってんのよそれ……」
佐伯先輩には希望姉のコース先読みの原理がわからないようだ。 まあ、普通はそうー。
「ほなウチらも行きますえ! 連携!」
「おー!」
そうだったー。 眞鍋さんも、西條先輩程では無いけど正確なトスを上げる事が出来るんだったー。
私も攻撃に参加していくー。
「はいよ!」
「私に来たー!」
パァンッ!
「麻美っちかー!」
ピッ!
私にブロックが0枚になったのを見逃さない眞鍋さんもさすがー。 あっという間に2-1になったー。
「やるな、やっぱり」
「これは同時高速連携対決になりそうね」
「なはは! それはどうかわかりませんぞー!
「なんかあるんカー?」
「あるー! この天才麻美が、亜美姉の代わりにオールラウンダーになるのだー! なは! なはは!」
「麻美っちが亜美ちゃんの代わりは無理やろ……」
「むー。 見ておくが良いー! 目ん玉飛び出るぞー!」
私が亜美姉の代わりを出来る所を見せやるー!




