第2263話 麻美のレシーブ超特訓
町内体育館を借りてレシーブの練習を始める麻美。
☆麻美視点☆
12月2日木曜日の午後ー。 私は町内体育館を借りてレシーブの特訓を行う事になっている。 星野さんと渚、それにマリエルさんとクロエさんまで協力してくれるとの事ー。 マリエルさん、クロエさんは午前中に亜美姉が連絡してくれて、車で連れて来たのであるー。 今日は「皆の家」に泊まるとの事ー。 クリムフェニックスに勝つ為に頑張るぞ!
「美夕ちゃんはー?」
「奈々ちゃんにお願いしてきたよ」
「そっかー」
「だから、特訓に集中出来るよ」
「うむ!」
「ちょっと待ってねぇ。 んしょんしょ」
亜美姉はカバンから鉢巻やジャージを取り出して着用し始める。 これはいつもの形から入るやつだ。
「よし。 ビシバシだよ!」
「なはは」
「な、何ですかこれ?」
「清水先輩の変な癖なんよ」
「カワッテマスネ」
「デスナー」
さて。 レシーブの練習をやる前に、亜美姉やクロエさんからレシーブの基礎を学ぶ。 二人共世界レベルのレシーブ技術を持つ選手だから、きっとしっかり教えてくれるー。
「レシーブの基礎は低い姿勢で、重心は前へ」
「うむー! こうー?」
「肘は伸ばして」
「はい!」
「そのまま30秒!」
「は、はいー!」
亜美姉、やはりスパルタだー。 まずは基本姿勢を身体に覚えさせるところからかー。
「はい、OK」
「ふう」
「基本姿勢!」
「はいー!」
すぐに基本姿勢に戻る。 身体がしっかり覚えているかを確認させられている。
「うーん。 まあOKだねぇ」
「プロやねんからレシーブの基礎ぐらいは出来て当たり前やないですか?」
「奈々ちゃんは出来てないよ」
「なはは!」
「基本姿勢!」
「はいー!」
亜美姉は基礎からしっかりスパルタで教える鬼教官なのであるー。
「うんうん。 素早く基本姿勢を取れるようになるのは大事なんだよ。 ね、クロエさん」
「ハイ!」
確かにそれは大事そうだ。
「じゃあ今度は動きの基本からいくよ!」
「はいー!」
「ビシバシだよ! ステップは基本的にはサイドステップだよ。 姿勢は崩さないようにね! 基本姿勢のまま反復横跳び30回!」
「は、はいー!」
シュタッ! シュタッ!
「重心が後ろに倒れてるよ! 前傾姿勢で! 肘は伸ばす!」
「ほひぃー」
と、と、とんでもないスパルタだー。 私、耐えられるのだろうかー!?
◆◇◆◇◆◇
プシュー……
「あ、麻美、大丈夫なんか? 頭から煙出とんで?」
「な、何とかー……」
「基本姿勢は完璧に身に付いたねぇ! 休憩したら次は実践練習入るよ!」
「は、はいー」
やっと休憩かー。 反復横跳びのおかげで足がかなり疲れている。
「麻美ちゃんのスタミナはこんなもんじゃないよ」
「スタミナはあるけど、疲れないわけではないー……」
「え、そうなの?」
「当たり前ー!」
「そ、そうなんだね。 休憩時間長めに取るよ」
「お願いしますー」
「じゃあ、休憩しながらレシーブする時の基本動作を勉強しようねぇ」
「き、休憩とはー……」
「時間は効率的に使おうねぇ」
「は、はいー」
「き、清水先輩って凄いスパルタなんですね……」
「そやねん……」
亜美姉は「ビシバシだよ!」と、言いながらレシーブの説明を始める。
「レシーブは腕を振って上げるんじゃなけて、膝のクッションを使って上げるんだよ。 ね、クロエさん」
「ハイ!」
「膝のクッション。 わかったー!」
腕を振って拾うのは間違いなのだそうだー。 なるほどなるほど。
20分程の休憩を終えて、レシーブ動作の練習に入る。
「はい! 基本姿勢のままスクワット30回!」
「は、はひぃ」
休憩が終わったら即スパルタだー。
「ボールをレシーブする瞬間に膝を伸ばすイメージで!」
「はひぃ!」
何か筋トレみたいになってるー。
「OK! 次はサイドステップからスクワット! 30回!」
「は、はいぃぃ」
「が、頑張りや麻美」
「うむー……」
亜美姉の練習指示をしっかりと聞いて反復練習をしている内に、自然とレシーブの基本動作が身に付いてきている気がする。
「はいOK! 今までの練習で、麻美ちゃんはレシーブの基本を身体で覚えたはずだよ」
「ちょいさ! ちょいさー! 本当だー!」
「す、凄い……」
「無茶苦茶な練習してる思うたけど、さすが清水先輩やな……」
「ムダがナカッタ! さすがアミ!」
「後は、実際にスパイクをレシーブしたり、ブロックとの連携を練習するだけだね。 アタッカーは向こうのコートからスパイクを打ってね。 ブロックは星野さん、マリエルさんの二枚。トスは私が上げるからねぇ」
「はい」
「やっと出番やな」
「ブロックデス」
ようやく実践練習だー。 渚が打ってくるスパイクをレシーブで上げるぞー。
「じゃあ渚ちゃんはブロックを躱す形でスパイクしてね。 星野さんとマリエルさんはストレート、クロスをランダムで開けてねぇ。 よーいスタートだよ!」
亜美姉がトスを上げると、渚が助走に入りスパイクを打ってくる。 渚のスパイクはかなりパワーがあるので、練習にはもってこいだ。
「おらぁっ!」
パァンッ!
ブロックはクロスが開いているので、そこをフォローに入る。 何度も繰り返した基本姿勢でのサイドステップで移動し、膝を使って腕の面でボールー拾うー!
パァンッ!
「おお」
「せいこうデスナ」
「や、やるやんか麻美」
「なはは! 我、天才也ー!」
「いきなりそんな上手くいくものなんですね」
「私も驚いてるー。 多分、亜美姉の教え方が上手いー」
「いやいや。 麻美ちゃんの力だよ」
「なはははは!」
「調子に乗りよったで……」
「よーし、どんどん続けるよ! 渚ちゃんは慣れてきたと思ったら色々なコースに打ち分けるてみてね。 麻美ちゃんは嗅覚で渚ちゃんの打つコースを先読みして動く練習!」
「はい!」
「りょーかーい!」
ここから夕方まで、ひたすらにレシーブの練習を続けた私。 練習が終わる頃には亜美姉やクロエさんからLも出来そうだと、合格点をもらいましたー! 私も着々とオールラウンダーになりつつある。 やはり私は天才なのだー!
「なははは!」
「はあ……」
◆◇◆◇◆◇
それから試合前日を除く全ての日でレシーブの練習を続けた私は、いよいよクリムフェニックスとの試合に臨む。
「作戦通り、私達は守って勝ちましょう。 攻撃力ではクリムフェニックスに分がありますので、それを防ぎ切って反撃で得点をもぎ取ります」
「はい!」
「雪村さん、麻美さん、守備の方はお任せしますよ!」
「ぅん」
「りょーかーい! 神ブロック、神レシーブを見せてしんぜよー!」
「清水はんの代わり、期待しとりますえ麻美はん」
「あれの代わりはきついと思うけど、とりあえず頑張ってね、藍沢妹。 点は私達が何としても稼ぐわ」
チームメンバーが一丸となり、最強の敵クリムフェニックスに挑むのであるー!
レシーブを習得した麻美。 果たして通用するのか?
「奈々美よ。 というか、今まで基礎もやってなかったのね」
「奈々ちゃんが言うんだね」




