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第2262話 こちらも作戦会議

こちらはチームアルテミスの作戦会議の模様。

 ☆麻美視点☆


 12月1日の水曜日ー。 こちらチームアルテミスのオンライン会議中ー。 4日の土曜日に対戦予定の東京クリムフェニックスに対する対策会議である。 参加しているのは私、渚、希望姉、佐伯先輩、星野さん、天堂さんにマリエルさん、眞鍋さんといった、試合に出る予定のメンバーに、マネージャーの前田さんとついでに監督もいる。


「今年からクリムフェニックスにはミアさんが加わっていて、更に選手層が厚くなりました」

「ミアさんも強いー」

「そやけど、クリムフェニックスではMB(ミドルブロッカー)なんやね?」

「はい。 OH(アウトサイドヒッター)には弥生さん、宮下さん、キャミィさんが居ますからね。 ここまでの試合を見てみると、ミアさんはどちらかと言えばオールラウンダーの働きをしているみたいです」

「お姉ちゃんもオールラウンダーやないん?」

「ミアさんが入った事でOH(アウトサイドヒッター)に専念出来るようになっていますね。 とはいえ、能力的にはオールラウンダーで間違いありませんので、色々とやって来る可能性は高いです」

「前田さんはどんな試合になると思う?」


 佐伯先輩が訊ねると、前田さんは「そうですねー」と、一つ前置きしてから試合展開の予想を話始める。


「恐らくあちら側が一番厄介だと思っているのは、麻美さん、雪村さんの守備のラインでしょう。 そこを抜く為に手を打ってくるはずです」

「例えば?」

「ミアさんを起点にした同時高速連携ですね」

「はあ……やっぱりそれか」

「自分らがやるんはええんですが、お相手はんにやられるんはほんま勘弁してほしいとこどすなぁ」


 佐伯先輩や眞鍋さんは溜息をつく。 確かにあの連携、自分が受ける側に回ると無茶苦茶厄介であるー。


「そやけど、麻美やったらお得意の観察眼と嗅覚で止められるんちゃう?」


 渚が私に話を振ってくる。 確かに何度かそれで止めた実績が無い事も無いけど、ミアさんは亜美姉アメリカバージョンみたいな天才選手だ。 恐らく試合中にしっかりと修正、対策してくるだろう。


「最初の方は止められるかもしれないけど、試合後半はわからないよー」


 ここは正直に答えておく。 変に期待させるわけにはいかないからねー。 渚も「さよか。 まあ、相手が相手やからね」と、納得してくれた。


「こちらとしては、それでも麻美さんと雪村さんの守備に頼らざるを得ないです」

「はぅ」

「なはは」

「となると、問題は雪村先輩がコートから抜けているタイミングかつ、麻美先輩が後衛に下がるタイミングですね」

「そうどすなぁ」

「頭が痛いですね……」


 そうなのだー。 私と希望姉はポジションが対角線になる為、私が後衛に下がると同時に希望姉は前衛になり、ベンチに下がってしまう。 この間、我々アルテミスの防御力はかなりダウンする。 この問題を解決しない事にはかなり厳しい試合になると思われるー。 今まではその穴を亜美姉がカバーしていたのだが、今シーズン亜美姉はベンチ登録はされ無い為、試合には出る事は無い。 亜美姉の代わりが出来る選手なんかも当然いないー。


「前田さん、何か作戦はあるんどすか?」

「麻美さんに清水さんの代わりをやってもらいます!」

「ほへー……」


 一瞬何を言われたのか飲み込めずに「ほへー」としてしまったが、すぐに理解して頭が混乱してしまった。


「私が亜美姉の代わりやるのかー?!」

「その通り!」


 何か最近ブロック以外の練習が多いと思ってたら、これを見越しての事だったのかー……。


「じ、自信無いー……」

「清水さんレベルの働きをしろとは言わないです」

「それは絶対無理ー」

「わかってます。 麻美さんには麻美さんにしか出来ない方法で頑張ってもらうので」

「鼻ね」

「鼻やな」

「鼻ー?」

「そうです。 ズバリ! ブロックの時にいつも言ってる『匂う』というやつです」

「おー、なるほどー」

「それを使うてレシーブせぇっちゅう話やな」

「出来るかなー?」

「嗅覚はブロックじゃなくても利くんですよね?」

「うむー。 問題はレシーブ技術ー」


 レシーブは出来なくはないが、別に得意というわけでもない。 最近やたら練習させられたりしたけど、まだまだであるー。


「それは試合までに出来るだけ仕上げましょう」

「が、頑張るー」

「後はマリエルさんのブロックとの連携も取れるように」

「が、頑張るー」


 専門外の事をやる事になりそーだ。 ちゃんと出来るかなー?



 ◆◇◆◇◆◇



 その後も作戦会議は続き、22時に会議終了ー。 早速希望姉の部屋に向かうー。


「希望姉ー……」

「な、中々に大変な役割を与えられたね」

「うむー。 レシーブの神様ー、何かコツをばー」

「ぅーん。 コツかー。 私ももぅ無意識にやってるからなぁ」


 と、希望姉。 やっぱりその域なのかー。


「試合まで日数もないよぅ。 かと言って、私は幼稚園休んで練習には行けないし」

「むむぅ」


 これはやはり中々難しい問題なのではー。 一体誰からレシーブのコツを教わればー?


「レシーブなら亜美ちゃんでも教えられるよぅ」

「おー! たしかにー!」


 そもそも亜美姉の代わりをやるんだから亜美姉に訊けば良かったんだー。


「なはは。 早速亜美姉の部屋に行くー」

「明日じゃないんだ……」

「時間が惜しいー」


 てなわけで、亜美姉の部屋へ向かうのであるー。



 ◆◇◆◇◆◇



「レシーブのコツ?」

「うぇーん!」

「おー、よちよち」

「みゃー……」

「なー……」


 亜美姉は泣いている美夕ちゃんをあやしながら話を聞いてくれる。


「どうしてまた?」

「今度の試合、亜美姉の代わりをする事にー」

「私の代わりって、オールラウンダー?」

「うむー」

「そうなの? まあ、相手はクリムフェニックスだもんね。 希望ちゃんがコートから抜ける時、絶対に後衛にいる麻美ちゃんがその役目を担うのは当たり前か。 よし! 明日、私とレシーブ特訓するよ!」

「おー!」

「うぇーん!」

「あー、よちよち。 大丈夫だよ美夕」

「な、なはは……」


 亜美姉も中々大変そうだなー。 何だかちょっと迷惑かけてしまって申し訳なく思う。 


「星野さんにも手伝ってもらうー」

「星野さん?」

「うむ。 ブロックとの連携を取る練習もしなければー」

「そうか。 それも大事だねぇ」

「うぇーん!」

「おー、よちよち」


 美夕ちゃん、今はご機嫌斜ナナメなようですー。 とりあえず明日、練習の約束をしたので今日はゆっくり休む事にしよー。



 ◆◇◆◇◆◇



「なはは。 ゲームしながら休むぞー」


 クリスタルストーリーオンラインを起動ー。


「あ、美智香姉に亜美姉……亜美姉?!」

「やほほ」

「私もいるよぅ」

「俺も」


 と、ギルドメンバーは全員揃っていた。 亜美姉、美夕ちゃんの子守りしながらやってるのかー……。 やっぱり色々と凄い人ー。

 私、本当にこの人の代わりを出来るのだろうかー?

麻美が亜美の代わりを?


「奈々美よ。 麻美に麻美の代わりが出来るのかしら?」

「多分大丈夫だよ」

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