第2261話 作戦会議
こちら東京組。
☆弥生視点☆
12月に入ったで。 ウチら東京組は東京に戻り、日常に戻っとる。 今度千葉に行くんはクリスマスやろな。 その前に、アルテミスドームで千葉西條アルテミスとの試合があるけどやな。
キュッキュッ!
「おらぁっ!」
パァンッ!
「おお、ヤヨイ、キレキレやナ」
「凄いでス」
「次の相手はアルテミスやからな。 気合いは入れとかな」
「アルテミスってったって、亜美っち世代の皆が居ないアルテミスっしょ?」
「ナメてかかったらあかんで。 亜美ちゃん達がおらんかて、麻美っちや渚、星野さんに佐伯和香がおるし、十分強いチームや」
「そやデ」
「現に、今シーズンここまで無傷で来てますからね」
「まあ、確かに」
アルテミスは主力メンバーを5人欠いて今シーズンに臨んどる。 SVリーグはかなりレベルの高いリーグやけど、そこでも未だに無傷っちゅう事は、実力は本物っちゅうことやよ。 まあ、わかってはいたけどやな。
「にしても、ミアっちをMBで使うとはねー」
「私もびっくりでス」
そう。 今シーズン、ウチらの東京クリムフェニックスに加入したミア。 アメリカ代表のオールラウンダーでOHの選手なんやけど、このチームでは今シーズン、MBで登録されとる。
「監督の話では、MB兼オールラウンダーを任せるって事みたいでス」
「忙しい役割やな。 ウチもOH兼オールラウンダーやけど」
「層が一気に厚くなりましたね」
「やな」
東京クリムフェニックスの基本的なスタメンは、ウチ、キャミィ、美智香、ミア、浜中はんに千沙。 かなり強力なメンバーになったと思うで。
「次の試合が楽しみやな」
12月4日の土曜日が試合の日やで。 渚との真っ向勝負、めちゃくちゃ楽しみにしとるわ。
「試合土曜日だと、武下っちと夕飯食べらんないわね」
「何でそこで聖也君の話が出るんよ……関係あらへんやん」
「まあそうだけどさー」
「はーい! 今日の練習はここまで! ダウンして解散ー!」
ちょうど練習も終わったな。 ダウンしてシャワーして帰ろ帰ろ。
「てなわけで、この後皆で夕飯食べに行きましょ」
「どういうわけやねん」
帰る準備を始めたところで、美智香が意味わからん事を言い出しよった。
「ええやン。 かえってもバンメシあらへんやロー」
「そやけど、美智香は旦那が帰ってきよるやん。 夕飯作っといたらな」
「もう作ってきたわよ。 冷蔵庫にあるからチンして食べてってメモしてあるし大丈夫よ」
「さ、さよか」
何やかんやちゃんとしとるんよなあ。 というか、最初からウチらと外食してかえるつもりやったんか。 さて、そうすると問題が一つ。
「ウチの車、5人乗りなんよ」
「うむ」
「ここにいるメンバーでちょうど5人やん?」
「うむ」
「可憐は0.5人として数えるから定員オーバーや」
「うわはは! ダメじゃん?!」
「そやから皆で行くとなると、バスか何かで移動せんと」
「じゃあそれで」
「はあ……しゃあないな」
大体そこまでして一緒に食いに行く意味もあらへんけどやな。
「じゃあ出発!」
「おうやデ」
「はあ」
「何かすいません」
「でス」
「ええよ。 ほな行くで! 今日は肉や肉!」
「おー! ニク!」
「うわはは。 可憐にはちょっと食べられないけど、何かあるっしょ」
「うんうん」
「でス」
てなわけで、バスに乗り込んで移動を開始。 会社の近くにある焼肉屋へと向かうで。 車は明日乗って帰ったらええやろ。
◆◇◆◇◆◇
焼肉屋「焼肉チャンプ」へと来たウチら。 話によると、西條グループの店らしいけど、お値段はリーズナブルや。 早速席に着いて焼肉を始めるで。
「じゅーす! じゅーす!」
「ジュース欲しいのね。 リンゴジュースっと」
「タブレットで注文、楽でス」
「そやな」
今はタブレットから注文出来る飲食店も増えとる。 西條グループなら当然採用しとるシステムやな。
ジューッ!
「ええにおいヤ」
「そらええけど、美智香。 何でまた一緒に飯食おうやなんて言い出したんや? しかも、最初から決めてたみたいやし」
「ん? 作戦会議に決まってるでしょ」
「作戦会議?」
「そ! アルテミス戦に向けた会議」
「ほう。 美智香が作戦会議とか珍しいやん」
「負けっぱなしだからね。 そろそろ勝っときたいじゃん、アルテミスにはさ」
「そやな。 いい加減勝たなあかんよな」
前シーズンアルテミスとの対戦は全敗やった。 まあ亜美ちゃん達がおったからっちゅうんが大きいけどやな。
「で、サクセンてどないするんヤ? ハム……うま」
「それを会議するのよ」
「ナルホド」
「ほな、やろか。 とりあえず今のアルテミスで厄介なんは守備方面や」
「麻美っちね」
「次の試合には雪村先輩も出てきますよ」
「そや。 その2人が厄介や」
アルテミスの守備ライン要の2人、麻美っちと雪村さん。 あの2人の守備の連携は正に鉄壁や。 麻美っちはゲスっぽいブロックでやりづらい上に、雪村さんはそんな麻美っちのブロックにいち早く反応して守備位置を移動しよる。 素直にスパイクに行ったらまず止められるで。
「あの2人を何とかせんと、ウチらでも勝てるかは五分五分や」
「やナ」
「てなわけで、作戦その1! 私達もミアが加入した事で、同時高速連携を使えるようになってたわけだから、利用しない手は無いわ」
「ナルホド……ナルホド?!」
「何で驚くんや……。 美智香の作戦にはウチも賛成や。 あの連携攻撃ならある程度は決まるやろ」
「それでもある程度なのが怖いですね」
「そんだけやばいって事ね、あの2人」
「そやな。 ハッキリ言うてバケモンやで」
「ワハハ。 他はどないなんヤ?」
「エース渚は言わずもがな、佐伯和香も油断ならんで。 月ノ木のメンバーに隠れてはおるけど、あれもかなりやりよる」
「世界レベルよね、実際」
「粒揃いですね」
「亜美ちゃん達程やないにしても隙が少ないチームやな」
「ベストメンバーじゃないアルテミスには負けられないわ」
「やナ」
「でス」
「だね」
ほんまその通りや。 今シーズンのアルテミスには勝っとかんと、来シーズンからのアルテミスには到底勝てへんからな。
「守りの方はどうすんの?」
「千沙が頑張るんやろ」
「わ、私だけですか?」
「私も後ろにいる時は頑張りまス」
「ウチもや。 一応オールラウンダーやからな」
ブロック、レシーブにはとりあえずしっかり参加するつもりや。 亜美ちゃんや本職程やないにしても、それなりに役目は果たせるやろ。
「よしよし。 作戦会議も良い感じにまとまったわね」
「アルテミス戦、絶対に勝つで」
「おウ!」
「はい」
「勝ちまス!」
勝負は土曜日。 まずは今のアルテミスに勝つのが目標や。 そんでもっていつか亜美ちゃんにも勝つ!
アルテミス戦に向けて準備万端。
「希望です。 私達も作戦会議だよぅ」
「頑張ってねぇ」




