第2243話 宴会は自由に楽しもう
麻美の誕生日パーティーが始まるが、基本的にはいつもの宴会騒ぎ。
☆麻美視点☆
我輩の誕生日パーティーが始まって、いつも通り皆が好き好きに過ごし始める。 宴会が始まるとその宴会が何の宴会だったかとか忘れがちになる。
「あーさみー、だっこちて」
「おお、可憐ちゃんは私の誕生日だとわかるのかー。 よしよし、抱っこー」
「あーい! あーい!」
「可愛いねぇ! 可憐ちゃんはやはり可愛いよ」
可憐ちゃんは私達のアイドルのようなものであるー。 特に女性陣からもう物凄い可愛がられかたをしている。 正に蝶よ花よというやつであるー。
「麻美ー、くぅがおやつくれって言ってんぞー」
「わふん」
「おー、忘れてたー。 すまぬー、ほれ」
「わふ。 はむっ!」
「なはは」
夕飯の後にはおやつとオーラルガムを上げるのが決まりなのだ。 くぅはそういう事もしっかり覚えている。
「はむはむ」
「可愛いなあ、お前はー」
「わふ」
くぅは誰にでも懐くが、特に私には一番良く懐いている。 宏太兄ぃ曰く、私をご主人様として認識しているのだとかー。 犬は家族の中でも序列を作る事があるらしいー。
「麻美っち、そういえばそのワンコのお見合いの話はどないなってんの?」
「あー、それはまだー。 宏太兄ぃ、まだかー!」
「俺に言わないでくれよ。 くぅの発情期がいつかまで知らんが」
「ぶーっ」
「わふん」
とまあ、お見合いはくぅ次第である。 林さんも待ってくれているので、早くしてあげたいのだがー。
「まあ、その前に麻美っちの見合いやな」
「私の見合いー?」
「麻美っちも彼氏欲しいやろ」
「いらないー! 夕也兄ぃだけいればそれで良いー!」
「ダメよ弥生。 麻美は一生夕也以外には靡かないわ」
「ほんまに凄い話やな……そないええか男かいな?」
「何気に失礼だなあ……」
「あはは……」
「ええ男とか関係無いー! 夕也兄ぃだから良いのだー!」
「惚れ込んどるなぁ」
「そうだよ。 麻美ちゃんの夕ちゃんへの愛は私でも敵わないんだよ」
「ほんまかいな……」
「我、最強ー!」
「実際に強いよぅ。 誰も勝てないよぅ」
「はぁ。 亜美ちゃんに勝てる要素があるのは羨ましいで」
「試合には負けてるー……」
「あ、そやな。 結局亜美ちゃんに今井君持ってかれとるんやもんな」
「むふふ。 勝負に負けて試合に勝つとはこの事だよ」
「まあ、色々あるんやな」
「弥生は武下さんとはどうなわけ?」
「進展無しよー。 いつになったら進展するやら」
その辺の事情には詳しい美智香姉だけど、呆れたようにそう言う。 月島先輩と彼氏さんの歩みは亀もかくやというほどにのんびりしている。 周りがどれだけ急かしても全く動じないのだー。 まあ、それでも何だかんだ上手くいっているのは、二人のペース感が合っているからなのだとかー。 色々なカップルがいるものであるー。
「んぐんぐ! ぷはーっ!」
「麻美っちはええ飲みっぷりやな」
「なはは。 すぐに酔うけどー」
「弥生ちゃんは全然酔わないよね? どうなってるの?」
「知らんがな。 まあ、高校時代には父親に飲まされてたからなぁ。 それで強なったんちゃう?」
「どんな父親だよ……」
「あんな父親やがな……」
何か一回だけ月島家に行った事あるけど、変わったご両親ではあったかー。
「麻美っちと藍沢さんのご両親はどないなん?」
「私達の両親ー?」
「まあ、普通よね」
私とお姉ちゃんの両親は至って普通の両親だと思われたー。 一般的な家庭の一般的な親というやつであるー。
「そうなんか?」
「うむ。 変わった両親と言えば夕也兄ぃのご両親ー」
「今井君の両親て、結婚式の時にチラッと見たぐらいやけどなぁ」
「無茶苦茶変わったご両親よ? 何考えてるかわからない感じよね?」
と、お姉ちゃんが夕也兄ぃに訊ねると、夕也兄ぃは「ああ、俺もわからんからな」と、答えた。
「弥生っち、この中で一番変な親になりそうなのって、何処のペアだと思う?」
「宮下さん、どうしてそんな事訊くのかな?」
「いや、気になるじゃん?」
「なはは。 でも、確かにちょっと気になるかもー」
「そうですね。 私のデータを見ると、やはり一番変な両親になりそうなのは柏原夫婦ですね。 特に紗希さん」
「きゃはー! 私かー」
「まあ、わかりみが深いですわね」
「僕は普通だと思いたいけど……」
「柏原さんは苦労されそうですね」
「だはは! 旦那はん、頑張りなはれや」
「はぁ」
神崎先輩の旦那さんは溜息をつくのであったー。 私からすれば神崎先輩は常識人だと思うんだけどねー。
「まあ、それも年末ぐらいにはどないなってるかわかるやろ」
「そうねー。 真希と美希が産まれたらわかるわ」
「名前はもうそれで確定なの?」
「確定よ」
「柏原君、ええんかいな?」
「まあ、可愛い名前だし良いと思うよ。 双子らしいし」
「なはは。 何か産まれる前から名前決まってるところ多いー」
「遥んとこは決まってんの?」
「いや、まだ決めてないな」
「相談はしておきなさいよー」
「ははは!」
「そ、そうだな」
旦那さんは笑い飛ばしてるけど大丈夫だろうかー?
◆◇◆◇◆◇
「なはー、なははー。 酔ってないぞー」
「だはは! 麻美っちフラフラしてんじゃんー」
「完全に酔っ払っとるな」
「なはっ、ひっく……なはは!」
「プレゼントお渡し会の前に寝落ちしちゃいそうね」
「むー! 大丈夫だぞー! ひっく」
「じゃあ。 プレゼントお渡し会やっちゃおうか」
「ですね」
「なは! なはは!」
「だ、大丈夫かしら」
「ぱぱっと終わらせてまいましょ」
なはは! なは!
◆◇◆◇◆◇
目が覚めると私は自分の部屋のベッドにいたー! むぅ、どうやら酔っ払って寝落ちしたみたいですー。 肝心のプレゼントお渡し会の記憶無いー。 誰から何を貰ったのやらー。
「んむー……のわ」
起き上がると、部屋の仲良くには大量の物が散乱していた。 暗いからわからないが、おそらくはプレゼントだろう。
「んしょ。 これはー亜美姉と希望姉からかー。 おー、ゲーミングヘッドセット! さすがに私が欲しい物が良くわかっているー」
他にはお姉ちゃんからはバイクのカスタムパーツー。 これも欲しかったやつー。 これは今度星野さんに教えてもらって付けよー。 渚からは……何だこれはー?
「アームレストかー。 確かにあると助かるー」
そろそろ小説の新作も考えねばー。
東京組からはこれまた高そうな靴が贈られているー。 大事にしよー。
「皆、色々考えてくれたんだなー。 感動ー」
私は何だかんだ騒がしいだけの奴だと思われいると思っていたけど、ちゃんと皆からは大事にされている事がわかったー。 私に出来る事は明るく騒ぐぐらいだけど、それで皆が楽しんでくれるならこれからも明るく騒いでいくぞー。
「……まあ、たまには休みたいところではあるけどー」
このキャラも中々に大変なのであるー。
麻美はいまいち自分が愛されている事を理解していない様子。
「奈央ですわよ。 意外ですわねー」
「好かれてるの知っててあのキャラやってるわけじゃなかったのかしら?」




