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第2242話 麻美は人気者

麻美の誕生日がやって来た。

 ☆麻美視点☆


 9月22日は私の誕生日ー! 水曜日で平日の為、仕事組の皆は朝から居ない。 残っているのは妊婦組や大学生組、後はVリーガー組ぐらいー。


 ピンポーン……


「あ、東京組来たんじゃないかな?」

「まだ10時ですわよ? 早くない?」


 今日は私の誕生日を祝う為に東京組も来てくれるー。

とはいえ、お昼前に来るとはかなりせっかちさんだー。


「やっほー麻美っち! 誕生日おめでとうー!」

「あーさーみー! おめっとー!」

「ありがとう美智香姉に可憐ちゃんー!」


 可憐ちゃんは最近よく喋るようになっている。 何だか凄い勢いで言葉を覚えているようだ。 かなり頭の良い子なのではー?


「ワハハ、アサミ! ハッピーバースデーやデ」

「キャミィさんもありがとうー」

「皆して朝早うから行く言うてやかましくてな。 麻美っちは人気者やな」

「そんな事ないですー」

「大人気でス」

「好かれてますよね、麻美さん」


 と、東京組から持ち上げられる私。 実は私は、人気者だったのかー。


「麻美ちゃんは皆のムードメーカーだし、そりゃ人気者にもなるよ」

「騒がしいだけでしょ」

「奈々ちゃん。 そういう事言わないの」

「わかってるわよ……」

「きゃはは」

「んで? 今日も誕生日パーティーやるんやろ?」

「この間、私の快気祝いやったばかりだけどね」

「騒げるネタがあったらとりあえず宴会をするのよー」

「妊婦から出るセリフとは思えへんな」

「おほほ」


 当然今日は私の誕生日パーティーが行われる予定です。 皆、とにかく騒ぎたいのですー。

 妊婦組がパーティー準備に参加出来ない事もあり、東京組がメインで動く事になる。


「まあ、準備は任しとき」

「うわはは。 任せろー」

「ありがとうねぇ。 助かるよ」

「私達も早く自由になりたいわ」


 大きなお腹で動きにくいらしい妊婦組ー。 特に、神崎先輩はもう動くのも大変との事。 早ければ来月末には出産という事なのでそれも仕方ない事ー。


「紗希はもうちょいやな」

「ええ。 たまにお腹の中で動くのよね」

「元気そうで何よりじゃない。 双子ちゃん、お腹の中で仲良くしてる?」

「してると良いわねー」

「大丈夫でしょ。 一卵性双生児なんだし」

「根拠が無いわね……」

「一卵性双生児って遺伝子的には同一人物みたいなものじゃないですの。 そりゃ仲良いに決まってますわよ」

「だと良いけど」

「なはは。 産まれてくるの楽しみですねー」

「まあね。 早く顔が見たいわ……」

「わかるわー。 私も後1ヶ月って時期になると楽しみで仕方なかったもの」

「まーろーんー! あーとーぼー」

「みゃー」


 可憐ちゃんとマロンが遊んでいるのを見ながら美智香姉は話を続ける。


「でも、出産は無茶苦茶大変だから覚悟はしといた方が良いわよ。 特に紗希っちは双子だから倍大変だと思うわ」

「うひー……」

「まあ、産まれてからも大変だけどね」

「まーろーんー」

「みゃみゃーっ」


 可憐ちゃんはマロンをハイハイで追い回して遊んでいる。 中々にヤンチャな女の子であるー。 マロンは捕まらないように逃げ回っているが、可憐ちゃんがギリギリ追いつけるぐらいの距離を保って逃げている。 ちゃんと遊び相手になってあげているのだろう。 マロン賢いー。


「何せわからない事だらけだからね。 私も両親に色々頼りながら今日まで来た感じよ」

「もうすぐ二年でしょ? さすがにもう慣れたでしょ?」

「いやいや、子育てに『慣れ』とか無いわよ。 毎日が初体験なんだから。 日に日に成長すんのよ、赤ちゃんって。 毎日何が起こるかわかんないのよ」

「まろーん、つかまめたー!」

「みゃー……」

「うわわ。 マロンが可憐ちゃんに捕まったよ」

「みゃみゃー」

「可憐ちゃん、マロンに遊んでもらったお礼しなさい」

「あい! まろん! ありあと!」

「みゃー」


 うーむ。 どちらも賢いー。



 ◆◇◆◇◆◇



 夕方になると、動ける人が中心となって私の誕生日パーティーの準備を始める。 神崎先輩は台所係の監督をしているようだー。


「むぅ。 何もしてないとソワソワするー」

「あんたは今日の主役だしじっとしてなさい」

「そうだよ。 それにね、慣れてくると動いてなくてもソワソワしなくなるんだよ……」


 亜美姉は「こんな風にね」と、ソファーでだらけ切った姿の西條先輩と蒼井先輩を指差した。


「動くのだりぃ」

「ですわねー」

「な、なはは」


 妊婦組の皆は夏の間も別荘でのんびり過ごしていたので、もう何もしない事にも慣れてしまったらしい。 これ、出産後に育児出来るのかー?

 ちなみにリビングでは、そんな私達を尻目に部屋の飾り付けが進められている。


「星野さん、そっち支えといてや」

「はい」


 大変そーである。 手伝おうと思っても渚に「主役は座っとれ」と、止められるー。


「くぅの散歩でも行ったら?」

「そーするー。 くぅ、散歩ー」

「わふ」


 そういえば、くぅはまだ発情期来ないのかなー? 林さんの家のリッキー君とのお見合いが決まっているが、くぅの発情期待ちになっている。


「行って来まーす」

「わふ」


 準備に参加出来ないので、とりあえずはくぅの散歩で時間を潰す。 「皆の家」を出ると、すぐに駅前が見えて来るー。 そこから仕事帰りの宏太兄ぃと前田さんの姿が見えたので、くぅが「わふわふ」と、走り寄る。


「おう。 散歩かくぅ」

「元気ですね」

「なはは。 おかえりなさいー」

「おう。 誕生日パーティーの準備は進んでるのか?」

「うむ。 皆がやってるー」

「主役の麻美ちゃんは追い出されたと」

「なはは。 そんな感じー」

「まあ、主役はやる事無いもんな……」

「ですね」

「ちょっと公園でくぅを遊ばせてくるー」

「おう」

「また後で」

「うむー」

「わふ」


 くぅと一緒に公園でフリスビーの練習をして時間を潰すのだったー。



 ◆◇◆◇◆◇



 30分程時間を潰して屋敷に戻ると、リビングは既に宴会仕様になっていた。 皆、準備が早いー。


「主役帰って来ましたよ」

「麻美ちゃん、主役席に座って待っててね」

「うむー」


 もうすぐパーティー料理も運ばれて来るとの事なので、我々は待機中である。


「麻美っち、誕生日プレゼント楽しみにしていたまへ」

「おー、楽しみにしておくー!」


 今年も誕生日プレゼントが色々あるらしいとは聞いているー。 夕也兄ぃからはデートをしてもらったので無いけどー。 楽しみであるー。


「それじゃあ、料理も来たし、麻美の誕生日パーティー始めようと思います。 ほな、麻美! 誕生日おめでとうさん! 乾杯!」

「乾杯ー!」

「んぐんぐぷはーだぞー!」


 誕生日パーティーが始まったので、主役の私は目一杯楽しもうー!

人気者の麻美の誕生日パーティー開始。


「奈々美よ。 まあ、盛り上げ役としてはこれ以上無いぐらいの人間だし」

「うんうん。 いるだけで明るくなるよね」

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