第1181話 諏訪湖観光
諏訪湖上を遊覧する船に乗り込んだ一行。 天気も良く遠くに富士の山も拝めている様子。
☆亜美視点☆
私達は長野県の観光中です。 現在は諏訪湖上を遊覧出来る観光汽船に乗り、諏訪湖上をのんびり周遊している。
「お、あれ見てみぃキャミィ、ミア」
「おー! フジヤマ!」
「ふじさんでス!」
「綺麗に見えてるねぇ!」
今日は天気も良く、諏訪湖からでも富士山のシルエットが見える。
「だけど、どうしてこんな所から富士山が見えるのかしらね?」
「これには色々な条件が重なっていて、非常に稀な現象だって話だよ」
「へえ」
諏訪湖から見る富士山はとても綺麗である。 奈央ちゃんは先程、思いついたように「この夏は富士登山を計画する」と言っていた。 オリンピックが7月にあるからその後ぐらいかな? にしても凄い事をいきなり計画してくるね。
「しかし、のんびりだなぁ。 この後はどうするんだ西條?」
「船から降りたら足湯や温泉なんかを堪能したりしますわよ」
「温泉、良いわね」
「なはは。 お姉ちゃんは温泉大好きー」
「嫌いな人はそうはいないでしょ」
「中にはあの独特の臭いがあかんっちゅう人もおるんちゃうか?」
「まあそりゃ色々な人がいるから、そういう人もいるでしょうけど」
少なくともこの中にはそんな人はいないんだけどねぇ。
その後も、汽船の上からの景色を楽しんだ私達。 船を降りたところで、先程奈央ちゃんが言っていた足湯へと向かうようだ。 こんな所にも温泉があるんだね。
奈央ちゃんについていき、無料で使える足湯に到着。 眼前には先程まで周遊していた諏訪湖を一望できる。
「ウオー! こっからみるミズウミもキレーヤナー」
「こころがあらわれまス」
「ミアって難しい言葉知ってるよな?」
遥ちゃん笑いながら言うと「いっぱいべんきょうしていまス」と話してくれた。 今は漢字を覚えている最中で、簡単な読み書きは出来るらしいよ。 賢いねぇ!
「しかし足湯ってのも乙な物ねー」
「あら、宮下さんわかってるわね。 温泉って何もお湯に浸かるだけじゃないのよ」
「うんうん」
「そやかて、やっぱり温泉には浸かるんが一番やで?」
「それは否定しないわ」
奈々ちゃんもお湯に浸かるのが一番好きだもんねぇ。 昨日も例によって「はあ、生き返るわね」と年寄り臭いセリフを口にしていたよ。
「この後は温泉に浸かるんでしょ?」
「えぇ。 浸かりますわよ」
「風呂はええけど、先にそれでええのん?」
「そうよ。 まだその後もまだ観光するのよね?」
「湯冷めしちゃうよぅ」
「まあ、それは仕方ありませんわよー」
「仕方ないのか……」
「まあ、ちょっとウロウロする事になるけど順番を入れ替えて観光は出来ますわよ。 その際、次に行く場所はオシャレなカフェになるけど」
「別にそれでも良いと思うよ」
「まあ温泉は後回しで良いわよね」
と、私達はまだ温泉に入るタイミングではないという意見を出す。 すると奈央ちゃんも「まあ、たしかにね。 ちょっとスケジュール変更するから待ってね」と、足湯に足を浸けながらスマホを操作し始める。
おそらくスケジュールや時間の変更を行っているんだろう。
「ふんふんーですわ。 出来た。 じゃあこの後はオシャレなカフェに行く事にして、この辺りの観光スポットを見て回った後に夕方ぐらいに温泉で締めましょ」
「りょ!」
「まあ無難やな」
「カフェからリゾート公園に行きますわ。 で、公園から帰って来たらガラス館を観光、その後で温泉に浸かり別荘へ戻るというルートを取りますわ。 明日はスケート場で遊んでから帰りますわよ」
「お、明日の予定まで」
「スケートかぁ」
「なはは! 楽しみー」
スケートは楽しみだねぇ。
「さて、それじゃあ行きますわよ、カフェへ!」
「おー」
奈央ちゃんの号令に続き、私達はそのカフェへと向かうのだった。
◆◇◆◇◆◇
奈央ちゃんについて歩いて行くと、そこにはたしかにオシャレなカフェが建っていた。
「こちら西條グループ経営のカフェ系列店ですわよ」
「出よったな西條グループ」
「私もかなり慣れて来ました」
「マリア順応早くない?!」
たしかに。 私達はもうちょっと時間がかかったような気がするよ。 さすがマリアちゃん。 やはり天才だよ。
「とにかく入りますわよ。 VIP席を貸切ますわよ」
「ま、まあこの人数だからそういう席でもないと入れないわな」
「おほほ!」
カランカランー
「いらっしゃいませ!」
「西條グループ令嬢の西條奈央です。 17名、VIP席へ通して下さい」
「ひぃ?! か、かしこまりました!」
あぁ、また店員さん怯えてるよ。 いきなり凄い人がやって来たらそうなるよねぇ。 多分この辺り一帯の連絡網で、奈央ちゃんが諏訪湖周辺を観光しているという情報は伝達されているであろう。 他の観光スポットのスタッフも、いつ来るか考えたら気が気じゃないだろうね。
「こちらでございます! メニューはテーブルに備え付けてありますので、ご注文がお決まりになりましたらこちらの内線でお知らせください!」
「はい、わかりましたわ」
店員さんは頭を深々と下げて逃げるように去っていく。 生きた心地がしないだろうねぇ。
「西條さん、あんさんは正体隠して行動した方がええんやない?」
「何でですの?」
「いやいや、さっきの店員の怯えようを見なかったの?」
「怯えって……別に私は店員をどうこうする権利までは無いですわよ? 多少粗相があってもどうする事も出来ないし」
「店員さんはそんな事わからないよ……」
「それもそうですわね」
「やっぱグループ総帥令嬢の肩書きちらつかされたらビビるわよ」
「気を付けますわ。 それより注文早く決めましょう」
「私はこのイチゴパフェだよ」
メニューを見て秒で決める。 私はパフェに目がないからね。 他の皆もコーヒーやジュース、ケーキ何かを注文していた。
しばらく待っていると、店員さんが入れ替わり立ち替わりにやって来て注文の品を持って来る。 皆さんやはり粗相しないように緊張しているみたいだよ。
「こ、これでご注文は全部です。 ごゆっくりどうぞ」
「ありがとうございます。 あ、店員さん」
「はいっ?!」
「スタッフさんに感謝していますわ。 皆さんにお伝えください」
「は、はい!」
店員さんは頭を下げて、やはり逃げるように去っていく。
「ま、伝わるんじゃない?」
「西條グループ令嬢って大変なんですね」
「まあ、大変ではありますわよ。 色々とね」
次期総帥になる事が決まっているという奈央ちゃん。 大学卒業後にはハードな人生が待ち構えている。 大変なんて言葉じゃ足りない事だろう。
「ま、なるようになりますわよ。 さ、いただきましょ。 この後はリゾート公園に行きますわよ」
リゾート公園かぁ。 きっと綺麗なんだろうねぇ。 ちなみにその後に行く予定のガラス館も西條グループの傘下らしいよ。 奈央ちゃんが是非オススメしたいという程なので、とても楽しみである。 あ、ちなみにイチゴパフェもとても美味しかったよ。 絶品パフェリストに追加しておこう。
予定を入れ替えてカフェに来た一行。 この後は公園?
「奈央ですわよ。 まだまだスケジューリングにミスがありますわね」
「いやいや。 十分だよ」




