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第1179話 紗希のお仕事

別荘の部屋で時間を潰していた夕也だが?

 ☆夕也視点☆


 長野県での初日も夕食を終えてゆっくりタイムだ。 もう少ししたら近場にある温泉へと出かけるとの事だ。 それまでは部屋でのんびりと……。


「きゃはは」

「何で紗希ちゃんを部屋に入れてしまったのか……」

「おりょ、ひどいなぁ今井君」


 食後に部屋に戻った俺の部屋にすぐに来客があった。

 ノックされたのでとりあえずドアを開けてしまったが最後。 その巨大な胸でドアが閉まらないようにし、強引に部屋に入って来た。 一体何の用があるというのか?


「ささ、鍵閉めてお風呂前に一汗」

「いやいや!」


 バンバンバン!


 その時、再びドアがノックされる。 しかもめちゃくちゃ激しい。


「紗希ちゃん! 今、夕ちゃんの部屋に入ったでしょ!」

「亜美ちゃんにもうバレたわ」


 俺は急いでドアを開けて亜美を部屋に招き入れる。 これで助かった。


「まったく紗希ちゃんは油断も隙もないねぇ。 柏原君が悲しむよ」

「男らしくないんだもんー」

「あれはまあ、そういう性格なんだろうな。 何せ中学時代はシャドウ君と呼ばれる程だったからな」


 とにかく影の薄い生徒だった。


「あんなプロポーズじゃあ私もクラッと来ないわよ」


 一体どんなプロポーズされたんだか。


「夕ちゃんも花火の前でありきたりなプロポーズだったねぇ。 むむ、夕ちゃんもプロポーズやり直してみる?」

「嫌だよ……」

「あはは、冗談冗談。 私はあれで十分だよ」

「ふぅ」

「私も今井君にプロポーズされたいー」

「何言ってるの紗希ちゃん……」

「きゃはは。 まあ冗談だけど」

「もう」

「んで? 紗希ちゃんは何でまた俺の部屋に?」

「え? 襲いに来たんだけど?」

「紗希ちゃん!」

「きゃはは。 ま、それも冗談。 いやね、ちと仕事の件で今井君の意見を聞いてみようと思ってね」

「仕事? デザインのか? そんなもん俺にはわからないぞ?」

「まあ、細かいところまでは求めないわよ。 客観的に見てどう思うかってとこね」

「何で夕ちゃんなの?」

「男性向けの服飾デザインなのよ。 だから男の目から見た意見が欲しいわけ」

「なるほど」

「ふむ。 まあ、そんな事ならお安い御用だが」

「きゃは。 じゃあお願い」


 と、紗希ちゃんがガサゴソとノートを取り出して見せてくれる。 まだ色々と考察段階なのか、色々と文字が書き込まれている。


「これはいわゆる三面図ってやつね。 前、横、後ろから見た時のデザインよ」

「なるほど。 たしかに男性向けのデザインだねぇ」

「どうかしら? 何かもっとこうした方が良さそうだとか、意見はある?」

「夏用服だよな? 特に問題無いとは思うが」

「うんうん。 私も問題無いと思うねぇ。 クライアントさんからは何か要望があったりしたの?」

「また、クライアントさんからの要望は満たしてると思うわ。 一度これを見せた時の反応も良かったし」

「なら良いんじゃないか? あまり素人の俺が口を出して変になっても困るだろ?」

「まあ、意見が欲しかっただけだから、男性がこれで問題無いってならそれで良いけどね」

「うむ。 良いと思う。 つうか、これ本当にクライアントとかいるのか?」

「おりょ? 何で?」

「いや。 実は柏原君に上げる服とかなのかと思って」

「あ、たしかに」

「きゃはは。 違う違う。 本当にちゃんとした仕事よ。 ちょっとした服飾メーカーからの依頼よ。 失敗したくないから慎重になってるのよ」

「なるほど」

「紗希ちゃん、最近は結構大きなお仕事とかも来るの?」

「そうなの。 口コミが広がってるのかもしれないわね」


 と、紗希ちゃんはデザイナーとしてどんどん大きくなっていくな。 本当に凄い子だ。 色々と困らせる言動が多いのだが。


「ありがちょ。 助かったわ。 クライアントにはこれで提出するわ」

「うんうん」

「おう。 紗希ちゃんは自分の力を信じても良いと思うぞ。 凄いデザイナーなんだよ紗希ちゃんは」

「きゃはは。 ありがとう今井君。 やっぱり今井君は優しいわねー。 亜美ちゃんが羨ましいわ」

「えへへ。 優しい彼氏で私も嬉しいよ。 あ、でも誰彼構わず優しいから、周りの女の子を次から次に惚れさせちゃうのは良くないよ? 最近はマリアちゃんにも構ってるみたいだけど気を付けてね」

「お、おう……でも普通にしてるだけなんだがなぁ」

「きゃはは。 今井君は天然さんなのよ。 亜美ちゃんが言っても治らないわ。 さ、そろそろ時間よね? 温泉行くわよん」

「おっと、そだね」


 もうそんな時間か。 亜美と紗希ちゃんは先に部屋を出ていく。


「俺も行くか」



 ◆◇◆◇◆◇



 別荘地の近くにある温泉へとやって来た俺達。 17人も旅行に来ているが、男は3人だけである。 なんつーバランスの悪さか。


「男の入浴なんざ誰が喜ぶんだ?」

「知るか」

「まあ、たまにはのんびりでいいじゃないですか」


 とまあ、こんな感じの男風呂。 まあ、せっかくだから話でもするか。


「宏太。 名古屋では部屋はどうなってんだ?」

「おん? 一応寮の空いてる部屋を使わせてもらう事になってる。 付属の家電製品もあるらしいから持っていく物が少ないのは助かるぜ」

「夏までは帰って来ない感じですか?」

「まあそうだなぁ。 まとまった休みも無いし、3ヶ月程度だからな。 それまでは帰ってくるつもりは無いさ」

「オリンピックはどうすんだ? あいつらの応援にフランスへは行かないのか?」

「あぁ……どうだろうなぁ」


 と、浴場の天井を見上げる宏太。


「やはり難しいでしょうか?」

「うーむ。 大会ってめちゃくちゃ長いだろ? ヘルプの人間が長期間休むわけにはいかないだろう」

「まあそれもそうだわな」

「ま、前みたいに西條がめちゃくちゃしてくれりゃ行けるかもな」


 ワールドカップの時、奈央ちゃんは街全体を巻き込んで応援団を結成し、フランスへと呼んだ。 学生の出席日数や、各企業等の補填等、その全てもしっかりしていたとの事。 西條グループのペットショップって話だから、その気になれば宏太1人の穴ぐらいはどうにでもしてしまいたかもしれない。


「では奈央さんにら話してみましょうか。 奈央さんなら……」

「いや、そこまでしなくても良いさ。 行けないなら行けないで、別に家でテレビ見て応援すりゃ良いんだしよ」

「まあ、そうなんだが……親しい皆が頑張るわけだからよ」

「まあな。 だがなるようにしかならんよ」


 と、宏太はあくまでそんな感じだ。 昔から何だがこいつは妙にリアリストなところがある。


「7月までどうなるかわからんし、とりあえず今は考えなくても良いだろ」


 と、話はそこで終わり、後は他愛ない話が続くだけであった。

 亜美程ではないが、この宏太の何か考えているのかそうでないのかよくわからない感じを見て、奈々美との関係が大丈夫なのか心配にはなるな。



 ◆◇◆◇◆◇



 先に浴場から出た俺達だが、女子達はやはり長風呂であった。 コーヒーでも飲みながら、15分程女子達を待って別荘へ戻る。 明日も観光があるらしいし、早めに休むか。


紗希の仕事の役に立てているのか?


「奈々美よ。 紗希も最近忙しそうね? もう大学出たらすぐに自分のアトリエ持てるんじゃない?」

「一応、私にデザインの事を教えてくれたお姉さんのアトリエで修行するつもりよん」

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