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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*練習試合編
14/57

*試合D(VS.羽丙南.2)


 後半、皇漢女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.2:00)


 まずは後方でボールを回していく。 その後すぐに中盤までボールを運ぶ皇漢の選手たち。 さすがに上手く早い試合運びをする。


 この中盤では、羽丙南の選手たちが守りを固めていて、ここで激しいボールの奪い合いが展開されている。


 なかなかボールが定まらず、皇漢側の選手に行ったり、羽丙南側の選手に行ったりして、中盤でのボールの攻防が続いている。


 しばらくの間、ボールが中盤で転がっているけど、羽丙南のMFの選手にボールが渡ると、すぐに前線までポーンとボールを蹴り上げる。


 そこに前線を走ってる羽丙南のFWの選手に、ボールが渡って、そのままドリブルで、皇漢のペナルティーエリアに素早く近づく。


 皇漢のペナルティーエリアの手前で、皇漢のDFの陳平が、ドリブルしてくる相手のFWの選手に、慌てて鋭くスライディングしてくる。


 思わず相手のFWの選手に足を引っ掛けて、前のめりに倒れてしまい、ここで審判の笛が鳴った。


 なんと審判がDFの陳平にイエローカード(警告)が出された。


 かなり危険なプレーだが、もう後がなかったので、仕方ない。


 またしても、皇漢のペナルティーエリアの正面手前でのフリーキック。 皇漢の壁はまた4人。 キッカーはまた羽丙南のFWの選手。


 どういう訳なのか? あの皇漢女学園の華麗で鋭く強力なパスサッカーが出来ていない? だいぶ疲労が()まっているのか? それとも相当研究されているのか?



   後半24分


 今度はふわりと浮かせてたチップキックで、皇漢のGKの劉邦の頭上を越えていき、ゴール上側に吸い込まれるように入ってゴーール!

 なんと皇漢のGKの劉邦…また何も出来ず……?


 ここで羽丙南が追加点を入れて2点目。 またフリーキックで決めている。

 一方の皇漢は2点も入れられて離された。




   後半25分


  羽丙南2-0皇漢


 ()()を見ていた監督とコーチが―――


「そ、そんな…バカなぁ……っ!?」

「こ、これは一体…どういうことなのかっ!?」


 二人は非常に驚いている。




 後半、皇漢女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.2:25)


 また後方でボールを回していき、そのままスムーズに中盤までボールを運ぶ皇漢の選手たち。


 ここで両チームの激しいボールの奪い合いの攻防が展開されている。



 そこでしばらくの間、両チーム互角の勝負に時間を消費していく。 何故だが、実力が拮抗して膠着状態が続いている。



 だが試合が動いたのが、


   後半37分


 また羽丙南のMFの選手がボールを奪い取り、すぐさま前線にいる味方のFWの選手にボールをスルーパスする。


 この羽丙南のFWの選手。 なかなかのドリブル速度(スピード)技術(テクニック)があり、あっという間に皇漢のペナルティーエリア付近まで走って近づいている。


 ここでたまらず、皇漢のDMFの夏侯嬰が、ドリブルしてくる相手のFWの選手に対して、慌てて鋭いスライディングをしてくる。


 また相手のFWの選手が足を引っ掛けて、前のめりに倒れてしまい、そこでも審判の笛が鳴った。


 かなり危険なプレーでもあり、審判がDMFの夏侯嬰にイエローカード(警告)が出された。


 皇漢のペナルティーエリア付近の右側からのフリーキック。 皇漢の壁は3人。 キッカーは羽丙南のDFの選手。


 キッカーが皇漢ゴール手前の頭上にポーンとボールを蹴り上げる。 それに合わせる形で、相手のFWの選手が高くジャンプして、そのまま弾丸ヘディングで、GKの劉邦の逆をつく、鮮やかなヘディングがゴール右隅に見事に決まりゴーール!


 なんと羽丙南女子高校が、強豪皇漢女学園から3点も奪い取った。 一方の皇漢が格下の羽丙南に3点を奪われる結果となった。


 最強の皇漢女学園が未だに無得点なのである。


 ()()を見ていた監督とコーチが―――


「……し、信じられない……? 俺たちは夢を見ているのか?」

「まさか……全国最強の皇漢女学園が練習試合とは言え、無得点で惨敗するのか?」


 二人共にただただ驚いている。




   後半40分


  羽丙南3-0皇漢


 ━皇漢選手交代━

①FW韓信→FW彭越

②MF王陵→MF張耳




 後半、皇漢女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.2:40)


 少し後方でボールを回していくが―――


 突然、ボールを持ったDFの陸賈が、一気に前線へボールをポーンと蹴り上げて、前線にいるMFの張耳にボールが渡ると、そのままスルーパスで最前線にいるFWの彭越にボールが渡る―――と思ったけど、ここで相手のオフサイドトラップに引っ掛かり、残念ながら彭越……無念。


 そこで相手のDFの選手が、オフサイドの位置から中盤へポーンとボールを蹴り上げて、ここで遂に試合終了である。


 無情の審判の試合終了の笛が長く鳴っていた。



 ━練習試合終了━ (P.m.2:45)




  羽丙南3-0皇漢


◎イエローカード

①DF張良

②DF陳平

③DMF夏侯嬰


 今回はセットプレーからの相手のFWの選手のハットトリックで勝利し、改めてセットプレーの重要性を再認識できた。

 一方の皇漢女学園はイエローカードを貰いすぎるほど守備面に難ありである。



 練習試合を終えての監督とコーチの感想である。


「今回はなかなかいい勉強になったな。 まさに覇王()つ……だな。」

「しかし、羽丙南が本当に強くなったのか? それとも今回たまたま皇漢が調子悪かったのか? 確認しないといけないな?」

「おう、確かにそうだな。 これは確認の必要性がありそうだ。」

「いずれにしても、一旦彼女たちの所に戻るか?」

「ああ」


 そう言うと、監督とコーチが足早に、正処のナイトサッカーストライク部の部員たちがいるテーマパークの室内プールの所まで戻っていった。






 【登場人物紹介】


藤野宗次

正処女学園のナイトサッカーストライク部の監督であり、立川竜徳とは親友である。

大変スケベであり、練習指導と称して、よく女子部員の胸やお尻を触ってきたり、着替えを覗くセクハラ監督。

こう見えて、昔は有名な魔法学校に通学していた実績がある。


立川竜徳

正処女学園のナイトサッカーストライク部のコーチであり、藤野宗次とは親友である。

大変スケベであり、練習指導と称して、よく女子部員の胸やお尻を触ってきたり、着替えを覗くセクハラコーチ。

こう見えて、昔は有名な魔法学校に通学していた実績がある。

なんということなのか!?

練習試合とはいえ、あの劉邦・韓信・張良たちが惨敗してしまったぞ!?

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