20.Dランク
『マシロッ、ねぇマシロッ!』
私たちは墜落していた。私は落下無効と衝撃無効のおかげでどこも怪我をしていないけど、羽を貫かれ墜落したマシロは重症だった。羽からは止めどなく血が溢れ、落ちた時に木にぶつかりあちこち切り傷が出来ていた。辺りに血の匂いが立ち込める。
『しっかりして!マシロッ!!!』
あまりに突然な出来事に混乱しそうになる。落ち着け、落ち着け私…!
私は急いでHP回復効果のあるルコの実を取り出し、ぐったりしているマシロの口元に持っていく。
早くマシロのHPを回復させてあげないと…!HPが回復すれば、怪我もマシになるはずだ。
「ピ…」
マシロがなんとかルコの実を頬張る。よかった、これで少しは怪我が治るはず。
私はルコの実をいくつか出し、マシロの口元に置く。マシロがHPを回復させている間に、辺りを見回す。いったい誰がこんなことを…
─────バサバサッ
マシロに怪我をさせた犯人は、空から現れた。
「居タ、アイツラジャナイノ?」
「タッタ二匹キカ」
「シカモマダイキテルジャネーカ」
空から現れたのは、マシロとよく似た容姿の三匹の鳥。銀、赤、緑と、それぞれ別の色をした鮮やかな鳥たちだった。頭の中に直接響くような声で喋り、マシロと似ているものの鳥の鳴き声ではない。
「チャントシトメトケヨナ」
緑の鳥が、私たちの前に降り立つ。マシロよりも遥かに大きいその鳥の後ろから、銀の鳥が顔を覗かせた。
「ソノ子、モシカシテアルビノジャナイ?」
マシロを、知っている…?まさか!
「アァ、ソノ匂イ、俺タチノ兄妹デ間違イナサソウダ」
赤の鳥が、静かな声で言った。
「ナンダ、オマエマダイキテタノカ」
「死ンダト思ッテタノニネ」
兄妹。この三匹の鳥たちが、マシロの…?
私は咄嗟に三匹を鑑定する。
【名前】ギイ
【種族】グリーンフェザー
【ランク】D
【レベル】31/35
【HP】87/90
【MP】13/25
【攻撃力】71
【防御力】65
【魔力】34
【素早さ】55
【器用さ】21
【固有スキル】なし
【通常スキル】飛行Lv6、体当たりLv5、つつくLv4、突進Lv5、風魔法Lv4、念話Lv2
【耐性】落下耐性Lv3、衝撃耐性Lv4
【称号】緑の祝福
【名前】サフィー
【種族】シルバーフェザー
【ランク】D
【レベル】29/35
【HP】62/62
【MP】37/49
【攻撃力】42
【防御力】47
【魔力】70
【素早さ】52
【器用さ】25
【固有スキル】なし
【通常スキル】飛行Lv6、体当たりLv4、つつくLv3、氷魔法Lv5、念話Lv3
【耐性】落下耐性Lv2、魔法耐性Lv1
【称号】銀の祝福
【名前】ヒイロ
【種族】レッドフェザー
【ランク】D+
【レベル】37/40
【HP】95/95
【MP】60/63
【攻撃力】77
【防御力】69
【魔力】73
【素早さ】70
【器用さ】37
【固有スキル】威圧感、リーダーシップ
【通常スキル】飛行Lv7、体当たりLv6、つつくLv4、仲間を呼ぶLv2、炎魔法Lv6、念話Lv3
【耐性】落下耐性Lv4、魔法耐性Lv2
【称号】赤の加護、一族の跡取り
Dランク以上の魔物が三体。リーダー格の赤の鳥ヒイロは、他の二体よりも遥かに強い格上だ。
間違いない。森の魔物や動物たちが逃げていた原因は、こいつらだ。
やばいやばいやばい…!
絶対に勝てない、かといって逃げ切れるはずもない。
マシロが負傷している中、絶望的な戦力差。諦めかけたその時、
「ピュイッ!」
─────ヒュン!
突如、マシロが三体に奇襲を仕掛けた。氷の矢が三体目掛けて飛んでいく。
「チッ」
緑の鳥、ギイが片羽をサッと上げると、マシロの氷の矢は三体に届くとこなく消されてしまった。
「オマエ、マサカオレタチトヤルツモリカ?」
「ピィッ!」
ゆっくりと、マシロが立ち上がる。
ぼろぼろの身体、おぼつかない足取りで私と三体の間に入るマシロ。
マシロは、諦めていなかった。
どんな絶望的な状況でも、私を守ろうとしてくれたんだ。




