2本目
「い〜〜つ〜〜き〜〜!」
任務を終えた本郷と伊月は組織へ帰還していた。
任務内容のズレと対処、現場で得た新たな情報の有無やその内容などを含めた任務の完了報告を本来なら行うのだが…
「伊月!完了報告をしっかりしろと何度言ったら分かるんだ!?俺たちがやってる事は遊びじゃねぇんだぞ!やるべき事はきっちりやれ!!」
「先輩、そんな耳元で叫ばなくても聞こえてるっすよ。それに完了報告ならやりましたよ?異常ありませんでしたーって。」
「お前がそんないい加減な報告をしてるから、俺が怒鳴らないといけなくなってんだよ!」
そう、伊月は面倒臭がりで報告を簡易的に済ませている。もちろん異常が無ければそれでも構わないのだが、新人のうちは些細なことでも報告をする癖を付けなければならない。そして、そうするよう指導するのがペアになった上司や先輩の仕事でもあるのだ。
「はぁ…ったく。お前任務はしっかりやるくせに報告はサボりやがる。そんなんじゃ一人で任務をするようになった時や後輩を持った時に苦労するぞ。」
本郷は頭を掻きながら、ため息混じりにそう言った。
このやり取りは何度目になるか分からないほど繰り返している。しかしそれでも放り出さず指導するのがペアになった者の責務なのだ。
「結果は出してるし、報告も事実を書いてる。他に何が必要なんすか? 内容を必死に捻り出して報告書を作る方が、よっぽど非効率的だと思うんですけどねぇ。」
「お前の言いたいことはよく分かる。正直俺も同じように思う人間だからな。だが、時には効率よりも大切なこともあるってことだ。…まあいいや。次はちゃんと報告書書けよ。」
本郷はそう言うとタバコを咥えながら喫煙所へと向かっていく。
「先輩、またタバコですか。身体に良くないっすよ。」
伊月の言葉に対し、手をヒラヒラと振って返す本郷。
それを見て溜め息をつき、伊月はその場を後にした。




