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2ー3

 週末の土曜日に、アキラさんと会うことになった。ファミレスだけど、できるだけドレッシーな服を着て行くつもり。


 アキラさんはまだナツミさんのことが忘れることができないでいる。


 だからこそ、わたしを見てもらいたい。


 わたしが元気づけるんだ。


 あとは、土曜日まで毎日パックと保湿しっかりやって、素顔にお粉はたいて、赤系で透明感のあるのリップを塗るつもり。


 いやもうできれば髪だってきちんと美容室でトリートメントしてもらいたいくらいだけど、時間がないから自宅でトリートメントして、本当に少しふとっちゃったからダイエット。


 人生無駄なことなんて無い。


 だから、ファミレスで会った後、公園に誘ってお弁当を食べてもらうつもりでいるんだ。


 ショートメッセージではそのこともしっかり書いておいたから万事ぬかりはない。 


 あとは当日の体調をしっかりするために、十時にはアイマスクして眠る。


 うむ。これが今のわたしにできる最高のやり方。


 これ以上ほかになにができるのって感じ。


 女子高生なんてのほほんと生きてると思われたくないんだ。


 そんな風に気張っていたら、元彼の山田から電話がきたから迷惑電話として登録しておいた。

 

 あいつ、自分が浮気しておいて、学校でみんなにわたしの弁当がまずいせいだと言いふらしたんだ。  


 それなのにまだ未練たらたらで、また弁当を作ってくれないか、なんて言うんだから。信用できない。


 どうせ浮気相手にも振られたんだろうよ。


 まったく、うじうじした男ってみっともない。


 その点、アキラさんは大人だし。わたしの十個上なだけなのに、すごく落ち着いた雰囲気で、物腰が優しく、もう今すぐ好きって言いそうになるくらい好き。


 はい、山田敗退。過去の人。退場願いたいところだけど、同じクラスなんだよね。


 山田って、おじいさんが市会議員かなんかやってるからどこか嫌味っぽくってねちねちした性格してるの。


 わたしもなんで山田に告白されてつきあっちゃったかな?


 もし、六歳の頃アキラさんとすれ違っていなかったら。


 山田の浮気をゆるして、ぐだぐだとつきあっていたのかもしれない。


 あの日、アキラさんは泣いていたんだ。息を殺して、壁の隅で。それで、ああナツミさんはもしかしたら助からないのかもしれないって子供心に気がついて。わたしがアキラさんを泣かせないようにしたいって思ったんだ。


 これを初恋と言わずしてなにが初恋なのよ。


 でもその時点でわたしはナツミさんに助かってほしいと願っていたし、アキラさんとナツミさんはお似合いだなってこともわかってた。


 でも、泣いていたんだ。


 どうしてそこにこだわっていたかだけど。


 お母さんが盲腸の破裂で死んじゃうかもしれないって聞かされた時に、お母さんともう会えなくなるんだと思ってたくさん泣いたんだよ。だから、泣くことの意味なんてちゃんとわかっていたんだ。


 とにかく土曜日。たのしみ。


     つづく



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