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2ー1

 わたしの人生は、同じ年頃の子たちと比べると、かなりついている方なんじゃないかと思っている。


 六歳の時に、お母さんが盲腸の破裂で死にかかった時も助かったし、その時たまたま同じ病室だったナツミさんという女性はとても綺麗な人だった。


 しかも、料理のことを本気で教えてくれたし、恋人のアキラさんのことも話して聞かせてくれたことがあった。


 その後、お母さんが退院することになって、ナツミさんとはそれっきりだったけど。


 まさか、生き倒れた男の人があの時のアキラさんだとはなかなか気づかなかった。


 だってもう五年も過ぎているし、一瞬しか見ていなかったし。


 だけど、放っておくことができなかった。


 彼氏が浮気していることを知って泣き腫らした目で学校行くのだるくて、だから目の前でアキラさんが倒れた時、救世主かと思った。


 実際、アキラさんだと気づかなかったけれど、そこそこのイケメンだということは見抜いていたし。

 

 だったら絶対にイケボだよねって思っていたら実際イケボの持ち主だった。


 病院でアキラさんの身分証明を調べていた時も、あの時のアキラさんだと知った時の高揚感は、初恋と同じくらい強くときめいた。

 

 事実、わたしの初恋の人はひそかにアキラさんだったのだもの。


 それで、がつがつしちゃって、お弁当食べてもらって、連絡先を交換して、勝手に舞い上がっていた。


 だからその後何回もショートメッセージを送っても返信がないなんてこと、あるわけないって思っていたのに。


 どうして返事をくれないんだろう?


 思い切って電話してみたけど出てくれることもなく。


 うむ。これは、詰んだな。  


 我が人生で多大なる幸運なるアキラさんとの再会だったのに、会っただけで終わりって、ないよ。


 お弁当だって、毎日頑張って作っているのに。食べてくれる人がいないとがっかりするよ。


 んっ、もうアキラさんのいけずっ。


 そりゃ、ナツミさんのことを聞いたら悲しくもなるよ。どけどアキラさん、生き倒れるほどナツミさんのことを思い詰めてるなんて。


 もう五年過ぎたのに。


 わたしがなんとかしてあげなくちゃ。これは、わたしに割り振られた運命なんだ。


 わたしならきっと、アキラさんをしあわせにすることができる。

 

 年齢差? 十個上ってだけじゃん。ノープロブレムだよ、そんなの。


 だけど失敗したな。せめて住所くらいは聞いておけばよかった。


 くそう。こうなったら、ハチ公作戦しかないっ。


     つづく

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