2ー5
いよいよ金曜日の夜。パックは美白と保湿の二種類使った。髪のトリートメントも抜かりない。ダイエットも地味に成功。
明日着て行く服もまんべんなくチェックして、穴が空いたり、埃がついてないことを最終確認した。
小柄なショルダーバッグの中には必要なもの全部詰め込んだ。
そしてはっとする。
もし明日、アキラさんが忘れていたらどうなる?
まさかね。そんなはずないよね。
でもここでしつこくメッセージ送るのもどうかと思う。
集中してスマホをガン見していたら、顔が真っ赤になってきた。
「きゃぁ〜っ」
そのままクッションの下に顔を埋めて小さく悲鳴を上げる。
よく考えたら、なんて大胆なことをしてきたのだろう。
いくらアキラさんが弱っているとは言え、再会初日にお弁当食べさせちゃったし、連絡先の交換までしてしまった。
よく考えると恥ずかしい。
しかも、なかなか返信くれなかったからってキレ気味にメッセージ送って、なんとか会うまでこぎつけたけれど、明日会ったらまたお弁当を食べさせようとしまでしている。
そうそう、お弁当の下ごしらえも完璧に終わったわよ。
それで?
明日会って、なにを話す?
「映画とか観ちゃう?」
ひゃっ。声に出したらやっぱり恥ずかしい。
映画はない。恋人じゃないんだから。
だから……。告白しちゃう?
百パーセント玉砕だけど、それでも気持ちを押しつけるつもり?
わたし、なに様だよ、まったく。
「はぁ〜」
一人で考え込んで疲れた。なんだかなぁ、わたし。
なるようにしかならないとしても、また会えるように持って行かないと。みたメッセージの返信くれなくなっちゃうかもしれないし。
そのためには、告白はまだ先にのばした方がいい。絶対に。
だって、そんなこと言われたってアキラさん絶対困るしそれに、アキラさんはまだナツミさんのことが好きなままなんだから。
だけど、どうすればアキラさんの気持ちをわたしに向かせることができるのだろうか?
わからないなりに必死になるしかない。明日会ったら、次に会う約束を取りつけるんだ。そうしなければ、もう返事をしてくれなくなってしまうかもしれないから。
アキラさん、好きです。
胸の中では簡単に言えるんだけどな。
つづく




